地元出身の建築家(本来は建築史が専門だが、建築家
としても優れたものを作るので)には、もう一人忘れ
てはならない人がいた。
藤森照信。
嘗て、赤瀬川源平さんなんかと「路上観察」などをや
ってた仲間だ。
その彼の作品が茅野市にある「神長官守矢史料館」。
公的建物で良いと思うのは、ここと昨日の伊東豊雄の
建物の二つだ。
「神長官守矢史料館」は、彼の特徴でもある自然素材
(土藁など)をふんだんに使った、どこか原初的(縄
文的)な雰囲気を感じさせる建物だ。
「場の文脈」からすれば、正にそこから生まれた建物
と言える。
しかし、決して古臭いというものではなく、原初性か
ら普遍性にすんなり横滑りして、そこにやや洗練され
た現代性が加わった感じでもある(一体何を言いたい
のか)。
要するに、なかなか良いのである。
伊東豊雄が「風を感じる建物」とすれば、藤森照信は、
「土を感じる建物」なのだ。
共通するのは、自然の風景に上手く溶け込むというこ
と。
藤森照信に関しては、溶け込むというより土から生え
たという表現の方がぴったりかもしれない。
いずれにしろ、こういう優れた建築家がいて、その作
品(建物)があることを、地元の人間はもう少し関心
を向けるべきだ。
いまだかつて、これらのことをネガティヴな話題(変
なものとかそういう評判)以外で聞いた事が無いし、
殆ど話題にもならない。
所詮田舎の文化レベルなんてこんなものだ。
と、この言葉も今まで何十回と呟いてきたが、いい加
減それにも飽きてきた。
というより単なる愚痴だし、そんなことばかり言って
ると、こちらにもネガティブが伝播するので、もうそ
ういうことは言わないでおこう、と思っている今日こ
の頃なのである。
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