最近、クイズ番組でよく出るのが漢字の読みなどの問
題だ。
「漢検」などというのもすっかり有名となり、一級、
準一級、二級と難易度による問題が出されると、見て
いるほうはついむきになってやってしまう。
が、準一級、一級の問題は、はっきり言って無理やり
の問題のように思える。
要するに、普段目にする漢字ではなく、当て字のよう
な、すでに絶滅したような漢字が多いように見えるの
だ。
難易度から言えば、「スジグロチャバネセセリ」と「ヘ
リグロチャバネセセリ」を見分けろ、というくらいの
一般的ではない難しさであるのと、マニア性である。
常識的には、二級レベルが出来れば充分という感じで
ある。
とは言え、日本人にとって漢字というのは、知らず知
らずの内に頭を鍛えることにはなっているようだ。
少なくとも、記憶力を維持するためには重要であると
思う。
歳をとると、思い出そうとするその行為そのものが重
要であるので、すでに蓄積がある日本人にとっては、何
も道具のいらない漢字というのは、非常に都合の良い
ものと言える(同じ漢字圏の中国でも同じことが言え
るのか)。
ところが、最近はパソコン中心なので、辞書とか調べ
ることがなく一発変換の時代だ。
しかも、パソコンでは略字になって正確に出てこない
漢字さえある。
それに、変換間違いに気付かないことも多々ある。
基本的に、書かないと漢字能力は衰える、と経験的に
は感じる。
つまり、パソコンによって、日本人の漢字能力は衰え
る方向にあるのだ。
自分で書いていても(パソコン上でこのように)、後
で漢字の間違いに気付くことは多い。
しかし、その時は何の疑問もなく変換しているのだ。
あと、普段使わない難しい漢字も、勝手に変換される
のでそのまま使ってしまうのだが、自分で実際書いた
わけではないので実感というか、実体が伴わないとい
うか、要するに使っているにも拘らず自分のものには
ならないのがパソコン上での漢字である。
全てが上滑りしていくような感覚である。
そう考えると、クイズの無理やりの漢字でも、その場
で覚えようと書いたりすれば、パソコンよりは役に立
つのかもしれない。
ただ、同じようなクイズ番組で同じような出演者(最
近ではクイズタレントといった雰囲気さえある)、流石
に飽きるぞ。
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