ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

喫茶店考

2013年02月17日 | 食べ物

 

ファミリーレストランなどの外食チェーン店衰退の中、店舗を増やしつつあるいやに元気のいいチェーン店がある。名古屋を本拠地にした「コメダ珈琲」だ。いよいよこのあたりにも進出してきて、はっきり言って一昔前のような何処にもあるチェーン店の外装と共に、その割には駐車場に車が結構止まっていて何が人気なのかと不思議に思って見ていた。個人的には、まず行こうと思うような店ではないのだ。が、この前中身はどんな店なのかとふと興味が湧き初めて行って来たのである。

中に入ると、店内は白木のテーブルとか木をふんだんに使った内装で、昔は必ず駅(東京の)近くにあった、明るく清潔な地元の主婦やサラリーマンが利用するような喫茶店(常連しか来ないようなひたすら暗い純喫茶でもなく、或いはおしゃれなカフェでもなく)を思い起こさせた。つまり個性はないがゆったりはできるという。メニューもそんな店と同じように、飲み物と食べるものはパンを使ったサンドイッチ程度。他の外食チェーン店とは明らかに違うその少なさである。頼んだものは、「たっぷりカフェオレ」とハンバーガー。カフェオレはスターバックスのようなフレンチローストではなく普通のローストの豆。これも昔の喫茶店の味だ。しかもたっぷりと言う割には全く普通で(自分の基準では)、味も勿論普通(つまり物足りない)。そしてハンバーガー。大きさを強調してるようだが大きいのはバンズだけで、中身はこれまた普通。味も、コンビニと大差なく(如何にも工場生産の)これまた普通。全てが普通で何故こんなに受けているのかが不思議であった。

で、考えてみると、この普通さが却っていいのかもしれないと思うに至った。スターバックスのような店は入り辛いし(多分都会ぶってるところが)、個性的なカフェはこれまた入り辛いし、純喫茶(今や絶滅寸前)は常連ばかりでこれまた入り辛いし、そして見回すと昔はあったような普通の喫茶店が今やなくなっていた。そんな需要を見事に捉えたのがこの「コメダ珈琲」だったのだ。個性の時代と言われるが、実は、そういうのは好きではない或いはどうでもいいと思っている人のほうが圧倒的多数なのである。個性などなく、明るく清潔でゆったりできればそれでいいのだ。店内を見回すと、年寄りの一人とかグループ、主婦、若い女子と幅広い客層で、全方位戦略が功を奏している。

が、本当のところは未だによく分からないのであーる。

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