ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

マーラー

2006年08月06日 | 映画


テレビで「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」
の二本立てという、珍しいラインナップの映画をやっ
ていた。
どちらも同じ監督(矢口史靖)の作品で、そこそこヒット
した映画だったと思う。
「ウォーターボーイズ」は10分ほど「スウィングガー
ルズ」はとびとびで30分ほど見た。
どちらも映画としてどうのという作品ではないが、「ウォ
ーターボーイズ」のたまたま見た部分にマーラーが使
われていたことにはびっくりした、というとちょっと
大袈裟で「へえー」な感じを持った、というのが正直
なところ。

何故かというと、同じマーラーの交響曲第4(か5か
今ひとつ断言できないところが弱い)を使って、それ
がかなり印象的な作品が、他にあったからだ。
ヴィスコンティの「ベニスに死す」だ。
美少年を追って、ペストが蔓延しているベニスを彷徨
う老音楽家の話だが、「ベニスに死す」と言えばマー
ラー、というくらい、映像と音楽がマッチした映画だ
った。
ヴィスコンティの耽美的で退廃的なところが、マーラー
の音楽と通じている、ということなのだろう、かな。

そんな華麗なイメージとは似ても似つかない「ウォータ
ーボーイズ」だが、監督は意図してそれを使っている
と思う。
わざと軽い場面に重厚なものを使い、より滑稽さを際
立たせるという効果を狙って。
それが成功したかどうかは分からないが、作ってる側
からすれば、こういう引用は分かってほしいはず。
ということは、少なくとも新たに一人は気付いたのだ
から決して無駄ではなかった。
と、言いたいところだが、正直なところは「どっちで
もいい」だ。

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