ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

ドライ.ブ.マイカー

2022年03月06日 | 映画

 

「ドライ.ブ.マイカー」を見たのだが、正直なところ、これが何故アカデミー賞にノミネートされたのか分からない。前回のパラサイトのような分かり易い物語ではないし三時間余りの長尺だし、どう考えてもアメリカで受けるとは思えない。

映画は、妻に対して不信と同時に愛を持った主人公が、母に対して虐待されながらも同時に愛を求めていた契約ドライバー(女性)と閉ざされた空間(車内)で過ごしていくうちに、徐々にお互いの状況を理解しながら、それぞれの複雑な関係を消化していくという内容である。ある種の再生の物語と言っても良いかもしれない。ところどころに挿入される道路を走る赤いサーブの遠景ショットが効果的で、大きな展開もなく長い割には最後まで飽きずにみられる(そうでもない人も多いと思うが)。ショットの魅力があるのは間違いないが、万人にお勧めするような映画ではない。

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