ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

ロブ=グリエ TEE

2020年06月07日 | Weblog

クロハナムグリ

アマゾンプライムにロブ=グリエの「ヨーロッパ横断特急」という映画があった。勿論未見。同じロブ=グリエで「エデンその後」という作品もありそっちの方はすでに見た。ロブ=グリエの作品があるということだけでアマゾンプライムも侮れない。

「ヨーロッパ横断特急」というとクラフトワークのTEE(trans europe express)を思い出すが、全く関係ない。が、ひょっとするとこの映画を見て発想を得たというのは考えられないこともない。主演はジャン=ルイトランティニャン(スターが出るのは珍しい)。ヤクの運び屋を試される、という内容のシナリオをTEEのコンパートメントで映画製作者が考える、とい形で映画は進むが、その運び屋が映画の世界なのか、実際にTEE乗り合わせた人間なのか虚実が混然となっている。所謂アンチロマン。つまり起承転結という構造を持たない分かり易さとは無縁のロブ=グリエのいつもの世界ということになる。誰もが納得という世界の極北だが、そこがまた魅力的なのがロブ=グリエの世界だ。
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