よくお客様からこんなお言葉をかけていただきます。
「どうしてそう思われますか?」と、ご質問させていただくと、「皆が喜んで出来る仕事ではないし、相手をするのは悲しんでいる人ばかりじゃない。」と、たいがいの方はおっしゃいます。
確かにお迎えにあがるペット達も全てきちんとされている訳ではありませんし、火葬をすればスーツに臭いだってつきます。お相手させていただくお客様だって9割の方は涙され、中には立っておられるのも、やっとという方もいらっしゃいます。
ナーバスになられている方が多い分、言葉をひとつ間違いで激昂されたり、こちらの何気ない態度でお客様を悲しませたりと、気を遣った対応を求められるのは、他の仕事より多いかも知れません。
でもそんなことを忘れさせていただける瞬間があるから、私たちはそこまで大変な仕事だと思ってはいないのが本音です。
それは、お別れ時に悲しまれていた飼い主様が、お帰りになられる時には笑顔で「ありがとうございました。」と言っていただける、そんな「本当のありがとう」をいただけるからなのです。
「ありがとう」という言葉に本当も嘘もある訳ではないのですが、言葉だけで言う「ありがとう」と心からいう「ありがとう」は少しニュアンスが違うように私は思っています。
その「本当のありがとう」を沢山いただける仕事だから、どんな状況だってやりがいがあるのです。