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No441おもちゃフィルム(玩具映画)が見つかった

山中貞雄監督の無声映画『鼠小僧次郎吉 道中の巻』(33年)』の一場面、
1分程度のおもちゃフィルムが見つかり、復元されたそうだ。
大河内伝次郎が鼠小僧に扮し、残っていたのはチャンバラの場面だとか。
写真のバックの空と雲もきれい。
関西では9月12日に京都文化博物館で上映予定で、とっても楽しみだ。

岡本喜八監督の『大誘拐』の中にも
身代金が100億円なんて高すぎるのでは、という言葉に
おばあちゃんが「びたいちもん、まからん」と啖呵を切るシーンがあった。
山中貞雄監督の『丹下左膳餘話 百万両の壷』で
道場破りの左膳役の大河内伝次郎が、道場主の澤村國太郎と
試合をしながら、
主の威厳を示すため「八百長で負けてくれ」と頼む澤村に
「幾ら出す?」「○十両!」
「まけてくれ」 「びたいちもん、まからん」なんて
大河内が言うシーンが思い出されて楽しかった。

映画を観て、いっぱい笑う人がいると嬉しい。
一緒に笑いを共有できるし、
ときに、こんなところで笑うんだと思ったり、
映画館ならではの得がたい体験。

『ダイナマイトどんどん』でも、アラカンさんが
「にんきょお!」と叫ぶシーンで
あのアラカンさんがと思ってるから、余計に笑えるのだけど
アラカンさんを知らなかったら、
ただのおもろいおじいさんになってしまう。
ちとさびしい。

そういう意味でも、脇役さんの俳優たちの顔を覚えれば覚えるほど、
岸田森を筆頭に、砂塚秀夫や沢村いき雄、中谷一郎と
今度はどんな役なのか、おもしろさも倍増する。
宝田明みたいな美男だけでなく、
いろんな癖のある顔、味のある顔があってこそ
映画は豊かになる。
そういえば、藤山寛美さんも、マキノ雅弘監督の映画で
よくラーメンかうどんか、屋台の親爺を演じていたような・・。
先月観た沢村忠監督の『いれずみ判官』('65)でも
兄妹で営む屋台のうどん屋だった。
妹役が藤純子で、
ほんのわずかなシーンでも、うどんがおいしそうに見えて
忘れられんとです。
(主役の鶴田浩二より記憶に残ってました)


※写真は「鼠小僧次郎吉」の一場面。京都文化博物館提供、読売新聞夕刊から
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