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アジアン映画祭終幕

アジアン映画祭が終わりました。
今年のグランプリは
なんと昨日観たばかりの『親愛』という中国映画。
今回のアジアンで世界初上映。本国でも未公開です。
監督は、本作が長編デビューとなる気鋭の女性若手監督リー・シンマン。
シネ・ヌーヴォでの上映では、中央通路に補助席が出るほどの人気ぶり。
ハルビン出身の監督はおしゃれで、ヌーヴォでは、とってもかわいい赤い靴下と
帽子がとってもお似合いでした。

私は、この作品を観た時、かなり難しいという印象を受けました。
凝ったつくり方をしていて、
でも、ひとつの家族を描きながら、
中国残留孤児など、日本と中国の歴史をも描きこんでいて、
みごたえのある力強い作品。

ヒロインの母(日本人、残留孤児)の死で始まり、
いきなり、実の母と名乗る女性が現れる。
母の母も回想シーンで登場。
ヒロインにも息子がいて・・という具合に、
母の愛というのが、二重にも三重にも重なっていく、
その重なりが最後にすとんと胸に落ちてきて、
静かな感動を呼ぶ。

長編初というわりには、奥行きのある脚本で、
物語としても完成されており、
小道具も生かし、映像から伝わるものがある。
観客の想像力を刺激する、
映画らしい映画。

何度も観れば観るほど、奥行きが深くなってくる一方で
一回観ただけで、どこまでわかるかというところもあって、
新人賞はとれても、グランプリはと思っていました。
ところが、今日のクロージングセレモニーで
見事グランプリ受賞を果たしたというわけです。
本当にすてきなことで、
驚きと喜びが両方迫ってきて、
壇上で花束を受け取る監督に心から拍手を送りました。

今年は、平日のレイトとかでたくさん作品を観る予定でしたが、
残業続きで、結局週末しか観られず、
ほかの作品をあまり観ていませんので、比較できませんが、
審査員の方々の勇気に拍手を送りたいと思います。

審査員の方々は、やはり、映画づくりについて
深く、細かく、丁寧に観ておられるのだと感じました。
『親愛』については、シネ・ヌーヴォでのトーク、質疑の内容を
また、追ってご紹介したいと思います。

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