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No1134『喜劇 女は男のふるさとヨ』~たんかを切るのは女たち~

昨年の見納めは森崎東、今年の頭の中での初映画(脚本を読んだ)は森崎東、
そして、スクリーンで観た本当の初映画も森崎東でした。

4日、帰省先の愛知から帰ったその足でそのままシネ・ヌーヴォへ。
森繁久弥特集の中に、幸運にも唯一入った森崎東監督作品。

倍賞美津子のさばさばした女っぷりがとてもすてきだし、
中村メイコに泣かされる。

たんかをきるのは、中村メイコ。
警察署で、山本麟一演じる、ごつくてコワモテの刑事を相手に
星子(緑魔子)を守ろうと語る言葉に込められた情に涙する。

東北からの家出娘の星子を演じる緑魔子の、
泣いてなくても、べそかいてるようにみえる顔。
寅さんを演じた渥美清のどんぐり目を思い出した。

100あるうち99が嘘でも、いちばん肝心の1が真実なら許せる。
でも、99が本当で、肝心の1が嘘だったら、許せない、
笠子(倍賞美津子)はそういう女だ、と
メイコが、笠子の気持ちを代弁するくだり。
とにかく、女たちがかっこいい。

笠子は、幼くして親に身売りされ、
東京で、お座敷ストリップの踊り子として、住み込みで共同生活を送る。
その家の主人と妻が、森繁久弥と中村メイコ。
笠子は、二人を、父さん、母さんと呼んで、慕う。
彼女の律義さがいい。

笠子にべた惚れの、まじめ青年の照夫を河原崎長一郎が演じ、
照夫が、ありったけの貯金をはたいて、笠子に尽くすくだり、
その真意にはたと気付いて、河原崎と結婚を決意する笠子に泣けるし、
その後のいきなりの展開もさすがだ。

最後は、笠子が運転するキャンピングカーに、
田舎のおばあちゃんたちを乗せて、軽快に去っていくという終わり方といい、
気持ちよく映画館を出れる、爽快さ。
こういう気持ちのよい女になりたいとあこがれる。

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