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No1432『BALLET アメリカン・バレエ・シアターの世界』~日常を染め直してくれるワイズマンの魔法~

ワイズマン監督の1995年の作品。
映画でとらえられたのは、アメリカの一流バレエ団。

かろやかに羽のように跳んだり、舞うダンサーたちの姿に、
帰り道、思わず、用もないのに走ってみた。

自分の体重が10キロくらい軽くなって、
跳んだりできるような気がした。
イメージだけだけど。

通り過ぎる車、明滅する信号、
散歩する人たち、
コンビニで働く人たち、
自分の住んでる日常の街の光景が、映画の続きのように見えて、
日常と新しい関係を切り結ぶことができるような気がした。
いい意味で、日常を染め直してくれるような
ワイズマンの魔法…。

もう10年以上も前、マキノ雅弘監督の次郎長シリーズがおもしろくて、
毎晩、せっせと高槻の映画館まで通った。
次郎長一家のすてきな彼らに会えるのがうれしくて、
夜遅くなっても、高揚した気持ちで帰った。
その楽しさを思い出した。

ワイズマン監督の世界は、
作品ごとに、世界は全く変わる。
いろんな世界、いろんな人がとらえられる。

映画が終わって、
ひと晩、ふた晩、経つと、
延々と3時間以上あったのに、
具体的に何がとらえられていたのか、
あまり思い出せなかったりする。

心ときめき、おもしろかったことと、
いい出会いをしたことだけは覚えている。

それでいいのかもしれない。
映画にとらえられたのは、
とある世界の日常なのだから。。。

今回、バレエをみて、
BALLETという丸っこいタイトルの字を見て、
観たことがある映画だと思い出した。

電話で、バレエ団の公演の交渉をしながら、
怒っている女性を観て、
この人、会ったことがあると思った。
バレエを教えるおばあちゃんも。

しあわせな記憶に包まれている。

ダンサーに、先生が振付や指導しているのが、
何度も丁寧にとらえられる。

どうだめなのか、どういけないのか、
脚の角度がだめとか、内側が問題だと言われても、
教えられる言葉が、
理解できないと、直したくても直せない。
悩みながらも、やり直して、
よくなったと言われるダンサーたちはすごい。

何事も、上手くなるには、
わずかな違いが理解できないといけない。
そんなことを考えた。

ワイズマン監督の世界に通う道が当分続きそうです。
さびしい日常を少し夕陽の色に染めてもらおう。

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