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No622-1『ANPO』~反戦、安保にかかわる絵画や、映画の断片を集めたコラージュ~

タイトルが風変わりで、なんのことかと思ったが
日米安保条約のアンポのこと。
在日のアメリカ人女性が監督したことで、こんなタイトルになった。

反戦映画であり、安保条約締結以降の日本とアメリカのありようについて
疑問を呈する。
と硬いことを書いたが、
反戦、安保にかかわる絵画や、映画の断片を集めたコラージュ。

NYで日本からのアーティストの通訳をやっていただけあって
豊富な人脈に支えられ、各界の作品を紹介していく。

画家の丸木位里、俊さんもとりあげられている。

印象的だったのは、
アメリカの赤と白のストライプのシャツを着た
佐藤栄作首相の似顔絵。
タイムの表紙になるはずが、
ネクタイを変えてほしいという編集部の要望に
横尾が納得できないため、採用されなかった。
まるでアメリカに首をしめられているようにみえるからで
そのとおりにみえる。

経済がいきづまっている日本、アメリカで
いまだに軍事費をどれだけ使っているというのだろう。
もう二度と戦争はしたくない、という人々の強いコメントを
監督は、自分なりの思いでコラージュしていく。

デフォルメされ、強烈なインパクトを残す絵画の数々。
アーティストたちのコメント。

アメリカは世界で50か国に730もの基地を持っているそうだ。
安保の姿は、沖縄や横須賀の米軍基地に行かない限りみえない。
見えないところで、日本の将来を脅かしている。
そんなことにも、思いを馳せてほしい問題作。

ちょうど神戸映画資料館で土本監督特集が開催されており
『はじけ鳳仙花 わが筑豊わが挑戦』という作品では
画家の富山妙子さんが登場。

戦時下の旧満州で過ごした植民地体験から、
朝鮮の人たちを強制連行し、炭鉱の最も危険な場所で働かせ、
多くの命が奪われ、今もその骨は、地底深くに埋まっているという。
そのことを、おどろおどろしい絵、リトグラフにして描く。
黒と白の世界。
黒の闇の中に白い骨が浮かび上がる。
ときに赤色も入る。
当時の日本人がいかにひどいことをしてきたかを描こうと、
日本兵のいがんだ顔を描くため
富山さんみずから変な顔をして、鏡でみてスケッチしたり。
日本人の姿が浮かび上がる。
絵画と映画って至近距離にあるとあらためて感じた。

※622-2の監督トークと少し内容が重複しますが、
9月に観てすぐ書いて、そのまま眠っていたもので、
なんか勢いがあって、一緒に投稿します。
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