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No491山中貞雄監督特集~何回観ても~

30日まで開催のシネ・ヌーヴォでの山中貞雄監督特集。
『丹下左膳余話 百万両の壷』は、もう何度観たことだろう。何回観てもすばらしいと思う。省略の話術の見事さ。壷を売りに行った子どもを引止めに、左膳が一目散に走っていくのを映しておいて、行列に並んでいる子どもを連れて帰るところなんぞは、ロングショットで短くはしょる。まさに省略の美学。
セリフのやりとりもテンポよく、リズミカルで、思わずまねして言ってみたくなる。
ユーモアにあふれ、情にあふれ、観た人を皆、笑わせながらも、ほっこり心温めてくれる。お正月前に観れば、きっといい一年が待っていると思えるのでは。

『河内山宗俊』では、映画評論家が激賞する、原節子の立ち姿や、ほろほろ降ってくる雪を観たくて、今日も勇んで観にいったが、昨日、友人に誘われ5年ぶりくらいで六甲山に登った疲れがでて、中盤、少し居眠りしてしまい、肝心の雪のシーンを見逃してしまった。無念…。
縁がないというか、なかなかたどりつけない。
とはいえ、用心棒を演じる、中村翫右衛門のくわえ楊枝が粋で、本当にいい味を出していて、ますます好きになった。

山中貞雄脚本の『右門捕物帖六番手柄』はむっつり右門とおしゃべりな相棒との
やりとりが楽しくて、サイレントの上に全く字幕がなく、本当に映像だけなのだが、それがかえって、どこまでも想像に委ねられていて、単純に子どもに帰った気分で楽しめた。若き嵐寛壽郎さんの顔が美しくみとれてしまったし、あごをさするという癖が、悪役との着物の取替えシーンでも出ていて、おもしろかった。
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