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No185「天使」宮坂まゆみ監督

~天使、深田恭子の不思議な魅力~

そっと大切に心の底にしまいこんでおきたいような作品。
大竹佑季が歌う主題歌がとてもすてきなファンタジー。

必要とするとき
いつでも、天使は、心のそばにそっと寄り添ってくれる。
まるで守護神のよう。

(以下、ねたばれぎみです)

白いドレスを着た、深田恭子演じる天使は、一言もしゃべらない。
でも、すねたり、ふくれっつらになったり、にこにこしたり、表情はくるくる変わる。
誰かのそばを、いつもふわふわしている。
この存在感がたまらなくいい。
天使なんてありえない話なのだが、
深キョンの天使は、とびきりかわいらしくて、
どこかユーモアもあって、とても自然。
ジンライムが好きな天使という設定からしてユニーク。
冒頭とラストで、ビルの屋上の給水塔に座って、遠くを見つめる表情もすばらしい。

天使は、何かすごいことをするわけでもなく、
何もしていないようにみえるのに、
登場人物たちが、少しずついい方向に変わっていくところがいい。

オムニバスのような映画。
シングルファーザー役の永瀬正敏も恋人の永作博美も自然体で好演。
永瀬のプロポーズに答える永作のセリフがいい。
永瀬の娘ちい役の森迫永依が、父を気づかう優しい少女で、とてもかわいらしい。
ちいと天使の会話もユーモアがあり、
一緒に歌いだすシーンは、いきなりミュージカルになったようで楽しかった。

ほかに、天使につきまとわれて少し困ったりするコンビニ店員の内田朝陽、
いじめにあう女子中学生の小出早織も好演。

それぞれのエピソードがなんとなくうまくいきそうにみえるのも、
天使のおかげかなと、妙に納得。
アルコール依存症のようにみえる西田尚美と小林明実の姉妹を、もう少し
描きこんでほしかった気もする。

ラストは、雪の降る街全体の風景。
屋上の給水塔に座って、見下ろしている天使。
雲の合い間から光が差し込む。
上から差し込んでいるように見えた光は、
実は、飛行機雲のように、ぐんぐん上に伸びているようにもみえる。
あれは、天使が天に帰っていく姿だったのかなと、あとで気づいた。

観終わって、こんな天使がいたらいいな、と楽しく心暖かく思える佳作。

満足度 ★★★1/2(星5個で満点)
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