日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

iPhone5「au独占販売!」が本当なら、ドコモが一番賢い?

2011-10-04 | ビジネス
今BLOGOSのトップ見て驚いた!

「iPhone5はauのみ販売の可能性も」ってかなりショッキングな見出し!
「米国ではSprintが当面の間、iPhone5を独占販売するとWSJが報道した。Sprintは合計3050万台のiPhoneをAppleから買い切るという。」(本文のまま)
えっ?どうなんだろう?ホント?

アップルとして、対アンドロイド包囲網を考えるなら当然、従来のソフトバンク+auで利用者を増やすのが常套とは思いますが・・・。Sprintは買い切り約束をして一定期間の独占権を得た訳だとすると、auが独占するには相当な買い切りを約束しないといけないわけでしょう。常識的には、ソフトのiPhone4以前の利用者で5への“買い増し”見込数も上乗せした台数の買い切りをauが約束しないことには、例え期間限定独占でもアップルはYESとは言わないでしょうから。もし本当なら、auは社運をかけた大バクチに出ることになる訳です。

そうなれば、ソフトバンクも相当苦しくなります。秋冬の新製品発表会でアンドロイド新機種をいつになく力を入れ語っていたという孫さん、心中穏やかではないでしょう。au独占になるのならソフトは当然、一定期間後のiPhone取扱呼び戻しを強力に進めるでしょうから、ここでまたアップルから相当な買い切りあるいはノルマを課されるのは確実です。つまりソフトとauは消耗戦に突入する訳で、アップルの“一人儲け”っていう構図は誰の目にも明らかなのかなと・・・。結局、吹っかけの“やりたい放題”商法に乗っからない根っからの官僚体質ドコモが、一番賢かったりするのかもしれません。

いずれにしても本当に「au独占販売」なのか、公式発表に注目です。

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役人はなぜ嫌われる?~朝霞公務員宿舎問題の顛末に思う「役人白書」の必要性~

2011-10-04 | その他あれこれ
朝霞の公務員宿舎建設問題は国民的猛反対の前に、とりあえず5年間凍結という野田総理の決断を余儀なくされ、一件落着といった様相です。この問題を積極的に取り上げてきた当ブログとしては、これで問題の全てが解決したわけではありませんが、とりあえずは“民の声”が届く余地がありそうな我が国は、まだまだ捨てたものでもないと少しだけ安堵感を感じさせていただきました。

さて、この朝霞公務員宿舎問題がここまで注目を集め批判にさらされた理由ですが、もちろん震災復興の財源不足に苦しむ状況下での多大な出費はいかがなものかと言う論点がその直接的なもの。しかし根底には私も含め我が国に根強く蔓延している“役人嫌い”の風潮と言うものがあり、それが世論を動かしたのではないかと思っています。この“役人嫌い”の風潮はどこから湧き起こるものなのでしょうか。

過去、公務員改革問題や官僚批判的記事掲載の際に拙ブログにいただく賛同コメント等を見ると、どうやら「つぶれない」前提にあぐらをかいた“親方日の丸体質”、「俺たちが国を動かしているんだ」という“上から目線”、日本の大多数を占める中小企業従事者から見た“恵まれた処遇”などが、“役人嫌い”を巻き起こしている原因なのかもしれないと思えてきました。今回の件でも、これらの観点から「そもそも論」的に追い打ち批判を浴びる形になり、思いがけないほど世論が盛り上がって事態は急展開したように思っています。

今回の件では、拙ブログにも国家公務員の知られざる実態を吐露し、ことの正当性を訴えかけられる方も沢山いらっしゃいました。落ち着いて考えてみると、本当のところは小職はじめ批判的論調を展開してきた書き手たちも十分には全体像を把握していません。自己の感覚だけで言わせてもらうなら、十分に分からない事が多すぎる中で問題が噴出すると、ようやく「こういう内情があることを知らずにアレコレ批判して欲しくない」とか、挙句に今回は本当に頭の悪そうな財務大臣が「朝霞だけを取り上げて、全体感も知らずにワイドショー的に盛り上げるな」とか言ったりする訳で、それなら官庁および官僚はもっと普段からあらゆる面でガラス張りの運営をしなさいよと、言いたくなります。

役人の文化として、昔からどうも秘密主義が多すぎると思うのです。国民生活を支える仕事をしている立場でありながら、すべてを明らかにせず不透明な印象ばかりが強いから、“役人嫌い”が起きるのではないかとも思えます。役人が国民に知って欲しい事実、例えば自分たちがどれだけ沢山働いて、どれだけ苦労して、どれだけ身銭を切っているのか、「役人白書」を作って独自基準でデータを集めて毎年開示をしたらいいのです。当然併せて国民が知りたい「官僚の処遇」「官舎家賃の実態」「退職後の待遇」「天下り実態」等、すべての既得権益も明らかにし掲載することは必須ではありますが。

“見える化”を仕事で手掛ける立場上申し上げれば、「見えない」事ほど人に不快感や疑心を及ぼすモノはないのです。いいモノも悪いモノも“見える化”されるなら、あらゆる問題は解決に向かい正しい答えに導かれるハズなのです。現在は、攻める側も守る側も都合のいい一部分だけが意図的あるいは戦略的に開示され、攻められればまたそれを守るために都合のいい一部分だけが開示される・・・。この繰り返しでは根本的な問題は何も解決しないのです。

役人がなぜ嫌われるのかは、あらゆる問題における“見える化”不足に尽きると思います。戦時中に身に着いた官僚文化であるか、あるいは明治政府時代からの根深い文化であるのでしょうか。役人が秘密主義を捨て徹底した“見える化”はかるならば、嫌われ者から脱却し今回のようなつまらない事態を未然に回避させることにもなるでしょう。であるなら、転じて政治や行政の無駄を削減させるもっとも有効な手段でなるのではないかと、朝霞公務員宿舎の顛末を通して強く感じさせられた次第です。「役人白書」、ぜひとも作っていただきたい。

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