日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

経営のトリセツ51~「量」が「質」をつくる→本は死ぬほど読むべし!

2009-01-29 | 経営
最近よく独立起業の相談やら、すぐれた経営者になる秘訣やらを尋ねられることがあります。そのたび偉そうにいろいろなお話をしておりますが、共通して言っている「成功」のカギは、「本を死ぬほど読むこと」です。とりあえずの目安は月20冊以上。そのココロは何か?どんなことでも基本は同じ、『「量」が「質」をつくる』からです。

実はこの『「量」が「質」をつくる』、「御社の営業がダメな理由」でおなじみ営業コンサルタントで当社のビジネス・パートナーでもある、藤本篤志氏の決め台詞なんですね。彼は、「営業力=営業量+営業能力」であるが持論で、これはまさに「力=量+質」と言う意味です。そして、これに続けて出てくるのが『「量」が「質」をつくる』の論理。すなわち、「量」をこなすうちに、知識や経験や感覚が身についてそれが「質」を高めると言う訳です。ですから、「営業力=営業量+営業能力」の方程式で、「営業力」を高めようと思うなら、まずは何より「営業量」を増やせと言う論理です。「量」を増やせば自然に「能力(=質)」も底上げされ、結果として「営業力」が高まるということなのです。

この「力=量+質」の関係は、実は「営業」に限った真理ではないと私は思っています。あらゆる「力」は「量」+「能力(=質)」で表せれられると思うのです。そして、「量」をこなすことは、すなわち「能力(=質)」を高めることになり、結果としてあらゆる「力」はこの流れで高めることができると確信しています。

そこで冒頭の、独立起業の相談やら、すぐれた経営者になる秘訣やらに対する私の「本を死ぬほど読め!」と言うアドバイス。まさにこの考え方です。成功する独立起業もすぐれた経営者になることも、言ってみれば「経営力」を高めることです。「力」ですよね。となれば、「量」が「質」をつくりますからまずは「量」。でも経営で「量」をこなすって何?自分で経験できない経営の「量」を増やすことは、先人の成功体験を数多く学ぶことでしょう。事業で大成功した人、企業コンサルタントで実績を上げている人、コーチングで数多くの経営者を開花させた人…、あらゆる成功者の成功体験を凝縮された本の中から学ぶこと、こんなに簡単な「量」の投資は他にありません。

成功者の本をとにかく「量」読むことで、必ず「能力(=質)」はついてくると思います。

ところでもうひとつ、「量」と「能力(=質)」の他に一般に「センス」と言われるものも、「力」を決定している大きな要因であるかのようによく言われています。でも先の藤本氏曰く、『「センス」がある人は世の中にほんの一握り、大半の人はほとんど目をみはる「センス」はなく、まずは「量」を増やす以外に「力」を増すことは期待できません』と。なるほど、世の大半を占める我々凡人は、「センス」に期待せず「量」で「質」をあげることに専念すべきなのです。もちろん飛躍的にではありませんが、本を「量」読むことで「センス」も少しはアップされるとは思いますが…。

さて本の選び方ですが、まあ数読む訳ですから本屋で目次や中身を少しめくってみて、「おもしろそうだ」と思ったビジネス書は手当たり次第に買うことです。アマゾンはじめネット・ショップでの本選びはおすすめしません。まずは、自分の目で中身を確かめて本を買う(重いので本屋で本を選んでアマゾンでまとめて買うのはいいですね)、当たりはずれに出会う中で徐々に自分にとって「質」をつくってくれる本を見分ける“選球眼”も備わってくると思います。本を選ぶ基準で売れているとか、売れていないとか、気にする人いますね。自分の「質」づくりには全然関係ないですから、それはごくごく参考程度に。まず自分の目で見て「今の自分に必要なものを選ぶ」が何より基本です。

最後に、「本を死ぬほど読む」のに「速読法はどうか?」と尋ねられることがありますが、私の答えは「お勧めしません」です。試してみましたが、基本的に画像で取り込むので、すべての情報をいったんインプットする形になります。これは人にもよりますけど、私はかえって非効率であると思いました。なぜなら、自分の読み方が固まれば、自然と欲しい部分だけを強調して取り込む独自の速読法が誰にでも身に着くと思うからです。もちろん、速読といってもそんなには早くありません。でも東京―熊谷往復でビジネス書1冊は読めますから、この程度でいいのではないかと思っています。