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アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

浦幌アイヌ協会に返還される遺骨

2017-08-18 09:18:49 | 日記

明日、十勝管内浦幌町に北海道大学の「アイヌ納骨堂」から返還される82箱におさめられているご遺骨が再埋葬されます。

82箱のうち、大箱が31、中箱は17、小箱34。

大半は「浦幌」と記され番号がつけられていますが、その他に「浦幌不明」と記されているのが31。「浦幌小児」が14あります。

さらに、「副葬品」の箱7.5*38*59cm が10箱  10*70*34cmが1箱。

北大が2013年に出した『北海道大学医学部アイヌ人骨収蔵経緯に関する調査報告書』(以下、『報告書』)には、1934(昭9)年10月27〜31日、同(帝国)大学医学部解剖学第二講座の児玉作左衛門教授らが町内愛牛(あいうし)地区から64体を持ち去ったと記されています。

そのため、浦幌アイヌ協会による返還請求訴訟では64体の返還を求めて来ました。

訴訟は今年3月22日に札幌地裁で和解となり、被告・北海道大学がこれらの遺骨を当協会に返還することになりました。その和解条項では12体が加わり、返還合計が76体となりました。

初回返還分として今回、63人分と人数不明の遺骨、合わせて82箱の返還を受け、再埋葬します。

『報告書』のアイヌ人骨一覧表の情報欄には「解剖学研究資料収集のため旧墓地を発掘」と記されています。出土時期は1934年10月27日から31日。今回の再埋葬は実に83年ぶりに帰って来るのです。

 

和解当日の原告記者会見で、差間正樹浦幌アイヌ協会会長は、こう述べています。

私たちは自分の土地から持って行かれた骨を自分の土地に戻したい。この思いでこの裁判に参加いたしました。祭祀承継者とか、そういった言葉は私たちの文化ではありません。私たちにはまったく馴染まない言葉です。私たちは先祖の骨は土の中に静かに眠っていただき、そのことによって、先祖は、神様の世界とわれわれの世界を行ったり来たりする。その静かな眠りを妨げるようなことはしてはならない。これが私たちの言い伝えです。北大の納骨堂の中に、まるで棚のようなところに、ずーっと放っておかれたこの遺骨を、これでやっと私たちの土地に返してもらう。私たちの土地に持って行って、安らかに眠っていただく。その道がこれでやっと開けました。 さまよえる遺骨blogより

 

この返還と慰霊の儀式の準備が浦幌アイヌ協会のみなさんによって進められて来ました。先住民族関連ニュース  また、多くの方たちの協力と祈りもありました。

当日、早朝から札幌に向かい、途中で小川隆吉さんをお乗せし、北大納骨堂で82箱のご遺骨と副葬品の11箱を霊柩車に乗せ、浦幌へ。

浦幌再埋葬の案内 さまよえる遺骨blog

かつて北大博物館内に展示されていた頭骨。模型だったとも聞いたことがありましたが。

 


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