75歳以上の高齢者の医療制度がスタートした。後期高齢者(長寿)医療
制度という。前回も問題点を指摘したが今回もせざるを得ない。都道府県・地
方の混乱ぶりは眼を覆いたくなる程、浅ましいものだ。消えた年金5000万件
の解決の見通しも立たないまま確実に収得出来る天引きを採用した。戦後一
貫して復興に努め今日の日本を築いてきた高齢者には、あまりにも無慈悲な
仕打ちである。保険証は届かない、ダイレクトメールと勘違いして破棄、保険料
の算定ミス、従来より、負担が増えた、75歳以上の うば捨て山、等々・・・。挙
げれば限がない。不評を通り越した愚策と言える。福田首相は「説明不足」と
いうが、そうではない。制度そのものの欠陥だ。<保険料の水準>そのものが
果たして適切・適額か、高齢者の平均収入(高齢者の高額所得者と低額所得
者との莫大な金額の相違・差額を無視して、一緒くた、に平均額を算出してい
る、つまり 平均の魔術 だ・・・)を基に課税して天引きする、それが適額か、適
法か、大いに疑問である。不満続出の原因も、そこにある。低所得者の反乱、
叛乱、造反だ。最低限度の生活さえ保障されない(憲法25条の生存権に違反
か・・・)実態を無視する遣り方が果たして適法なのか、疑問とせざるを得ない。
手続き上は準備不足であるにも関わらず見切り発車。周知徹底不足、連携ミ
ス・・・等々。今回のこの制度は06年6月の国会で与党の賛成多数で可決し
た。野党の反対を押し切って議論不足にまま成立した。あらゆる瑕疵が噴出し
ても可笑しくはない。そういう制度である。都道府県の「後期高齢者医療広域連
合」と<関係する自治体の関係者>との 連携ミス と 準備不足 とが二重三重
になって混乱した。その責任は当然、政府・与党にあるのは論をまたない。問
題点の解決策を早急に示して混乱を最小限に留めるべきだ。それが政府の責
任である。・・・
付記:憲法25条・・・生存権、国の社会的使命
(1)すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
(2)国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の
向上及び増進に努めなければならない。