協議の前提が蔑(ないがしろ)にされ与野党協議に入ろうとする政府与党
の強引な手法は反感を買う。官邸主導であるにせよ、出身母体の党の了解な
しに進める遣り方は党内にも造反者を生む。党総裁としてのリーダーシップに
も悖る。党の決定機関である<総務会>に掛けて決定し、しかも「閣議決定」
を得てから野党との協議に臨むのが筋であり前提である。だから党首討論でも
小沢民主党代表は閣議決定したら、何時でも話し合い・協議に応じる、と福田
首相に詰め寄ったのである。国民に観える遣り取りでは尚更、筋を通して臨む
べきである。一説によると党内の道路族議員に配慮して「必要な道路は造る」
との一文を挿入したとの事である。・・・不可解なのは<必要>な道路の「必要」
とは誰が決めるのか不明にしている事である。協議している過程で、その一文
によって、<道路が継続して造り続けられる>事になる恐れがある。強引な手
法は国民の眼から観ても可笑しく映る。更に必要不可欠な協議の前提は、例
の暫定税率(失効している)の根拠となる「道路整備費財源特例法改正案」の
取り扱いである。それを廃止するか又は修正して1年の時限立法にするかして
協議に入るべきである。3月31日に<暫定税率は失効>し4月1日からガソリ
ンは値下げされている。それを不問にして「一般財源化」するという論理は筋が
通らない。政府・与党の強引な手法だけが目立つ。しかも衆院再可決(3分の
2)で成立させるという錦の御旗をチラつかせての遣り方は国民の反感を買うこ
と、間違いなし、である。今後の成り行きを見守りたい。・・・