思想信条を旨とし又は標榜する如何なる団体でも“原理原則”は貫くべき
である。時と場合によっては固執すべきではない、と主張する、又は解説する、
向きもあるが、私は、そうは思はない。原理原則あっての全てである。党内にも
前回は「財政と金融の分離」と「天下り」禁止の錦の御旗をかざし反対を打ち出
した急先鋒が、その原理原則を無視して“人物本位”という耳触りの良い御旗
を掲げて日銀副総裁人事に同意する賛成にまわった。前回と今回の賛否の整
合性はどうするのか、疑問とせざるを得ない。でも、さすが党員、党決定(検討
委員会等では日銀副総裁に渡辺氏に同意する、が過半数で是認する事になっ
ていたが最終的には執行部に一任した、役員会で全会一致で不同意が決定)
が決まると最終的には党の結論に従って反対した。あっ晴れ!・・・党綱領、党
是、党の基本理念を同一にする同志が集って結成したのが政党であるはず
だ。党内での論議や賛成、反対、意見の相違はあって当然である(主流、反主
流、派閥等の跋扈はいただけないが・・・)。その過程が大切だ。喧喧諤諤、議
論して、ある一定の結論に達する。党員としての自覚で行動するなら結論に至
る過程では反対でも最終的には党の結論に従うのが党員だ。それが民主主義
である。底上げ、下からの盛り上げボトムアップだけが民主主義ではない。時
と場合によってはトップダウンだって是認しなければならない時がある(他党と
の論争で党内の意思統一する場合とか・・・)。・・・今回の日銀副総裁人事に党
の結論を無視して賛成にまわった造反組は党員としての資格・資質に疑問が
残る。党是からして潔く離党し新天地で初志を貫徹してはどうだろうか。その暁
には政治家としての自己の信念、信条に従って行動すればよい。以前にも党
の決定を反故にしてマスコミを賑わした方もいる。もう何をか言わん哉、であ
る。今回の日銀副総裁人事に紆余曲折はあったものの最終的に“財政と金融
の分離”と“天下り禁止”の2本柱を貫いた民主党の結論に敬意を表する。・・・
蛇足:昨今は右顧左眄する政治家が跋扈している風潮に嫌気がさしてい
る。・・・
付記:「財政と金融の分離」と「天下り」の相互関係と、その是非。 「人物本位」
という“人物の人柄、財政・金融の専門的知見、資質、技量 と 国際感覚・人
脈、対内的・対外的統率技量等々”・・・も論じたい。