食堂車の廃止は高速化が原因

　かつてＪＲ（旧国鉄）が運行する寝台特急や長距離の特急には食堂車が連結されていることが少なくなかった。７時間以上であれば、多くの場合、食事をする時間が運行時間にかかるケースが多い。また特急の場合、窓が開かないので、駅弁等の購入はいったん降車しなければならず、停車時間が長くないと購入は難しい。

　昔、航空機の運賃が当時の物価に比べて、かなり高く、庶民が航空機を利用するケースが少なかった。高速バスはほとんど運行されておらず、どうしても特急利用にならざるを得なかった。

　時代の経過とともに、新幹線の開業や夜間高速バスの登場、航空機の相対的な運賃値下げ、コンビニの増加などで状況が変化し、だんだん食堂車の必要性が低くなってきた。このことで食堂車の必要性が急激に低下し、現在のようにごく一部の特急にしか連結されなくなってきた。

　高速交通体系の充実は長距離の移動時間を短縮させ、同時に食堂車の必要性がなくなった。