路の途中

35歳からジョギングを始め、今もゴールを目指してさまよい続ける市民ランナーの記録。

野辺山完走記10 83㎞から87㎞

2008年05月24日 18時06分56秒 | Weblog
○83㎞から87㎞
 下り坂での膝の痛みに耐えかねて「完走」を諦めかけようとしていた時に、「うめさん」がやってきた。うめさんは自分の膝痛のためにこの大会の出場を断念し、ゴールで待っていたはずだった。そのうめさんが私のピンチをGTメールで察知して激励に来てくれたのだ。
 「ここは何㎞地点ですか?」逆走してきたのでよく分らないのですね。
 「83㎞ぐらいです。」
 「えーと、残りが17㎞で・・・、キロ8分で何とかなりますよ。」
 キロ8分というのは、普通だったら「そんなゆっくりなペースでは走れません。」という位に遅いペースだ。しかし、競歩のペースはキロ9分ぐらい。つまり、頑張って歩いても完走は出来ないと言うことだ。完走するためには「走る」しかないのだ。覚悟を決めて走り出す。しかし、右膝は悲鳴をあげている。うめさんは私を激励しながら併走してくれる。
「ひでちゃんなら出来るよ!」
下り坂は膝の痛みが更に大きい。でも、こんなに応援してくれるうめさんの期待に応えられるなら「膝が壊れてもいい」とさえ思った。

 「もう少し。この坂を下りきったら河川敷のフラットコース2㎞ぐらいで87㎞の関門だよ。」とコースの見通しを教えてくれる。「もう少し」と言われても長いんだなぁこの痛い下り坂が。たぶんこれだけ痛ければ昨年ならここでリタイアしていただろう。
 フラットな河川敷に出た。フラットならばさっきまでの激痛に比べれば痛くないのも同然だ。でも、小さな橋を越えるためのほんの小さな上り下りでも右膝に激痛が走る。涙が出そうになりながらもこらえ、フラットなコースを走り続ける。
 前方に別のデカフォレスト発見。「抜かしちゃいましょう。デカフォレスト。」とうめさん。「よっしゃぁ」と走る。体感ではキロ5分ペース。(実際はキロ6分を超えているかもしれないけれど)みるみる、デカフォレストの背中は大きくなり一気に抜き去る。
「平地なら負けない。」
 坂道を歩きながらこのポジションをキープしてきたのだ。(野辺山はほとんどが上りか下りの坂道ですからね。)膝の痛みを無視して走れるところに来たら周りの人には負けない。どんどん抜かして87㎞の関門をクリアーした。
87㎞の関門の制限時間は、12時間半。GTメールによると私は90㎞を12時間30分37秒で通過している。つまり、関門は3㎞後方まで下がった。(3㎞後方に迫っているという見方も出来るが、先ほどの関門よりも少しだけ貯金を復活させた。ただし、90㎞の通過タイムから計算されたゴールタイムは14時間7分29秒。制限時間に7分29秒間に合わないという予想なのだ。(勿論この時点では知るよしもない)
 87㎞の着替えポイントで着替えようとすると、「着替える時間はないよ。」とうめさんから。給水しようとすると「歩きながら!」と叱咤。着替えはせず、荷物に忍ばせていた「ウィダーインゼリー エナジー」を補食し残りの13㎞に完走の可能性をかけて走り出した。(制限時間までおよそ1時間50分ぐらい。このへんは正確には記憶していません。)

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1 コメント

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一気に読みました (うめさん)
2008-05-24 20:47:58
さすがです。文章うまいですね。
一気に読みました。結果は知っているのにゴールが楽しみです。
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