路の途中

35歳からジョギングを始め、今もゴールを目指してさまよい続ける市民ランナーの記録。

野辺山完走記9 71㎞から83㎞

2008年05月24日 05時19分49秒 | Weblog
○71㎞から83㎞
 71㎞を9時間30分程で走り、関門は遥か後の45分。膝が元気ならば余裕の旅。しかし、・・・。

 ここで、GTメールのご紹介。
 星の里野辺山ウルトラマラソンでは、主要チェックポイントの通過タイムと到着予想タイムを指定した携帯等にメール送信してくれるサービスがある。それが、GTメール。私はうめさんとかみさんと自分の携帯を指定しておいた。今、更新しているブログの通過タイムは自分の携帯に送られてきたGTメールを見ながら書いている次第である。

 この後このコース最大の難所、「馬越峠」がある。坂本さんや大会関係者の方は「野辺山のコースの醍醐味」というような表現をされるが、大半の選手からすれば「タイムをロスするだけの上り坂」となろう。事実私の回りの選手は98%ぐらいの方が歩いていた。
 「馬越峠」の前では71㎞から78㎞までの約7㎞で1130Mから1620Mまで490M上る。いわゆる7%の上り坂。これが71㎞でやってくるのだから、解っていることとはいえどうしようも出来なかった。痛めている右膝を引きずるようにして、腕を振って歩き続けた。前方に見える、追いつけそうな人を目標にひたすら上り続けた。
 前方にデカフォレスト発見。デカフォレストとは野辺山100㎞をデカ(10回)時間内完走した者に贈られる称号である。今回が14回大会であるのに10回完走ということは・・・大変なことである。
 そのデカフォレストを(何故解るかというとゼッケンの色が特別な色なのである)抜かそうと懸命に腕を振って歩く。しかし、敵もさるもの、簡単には抜かされてくれない。そうこうするうちに更に前方のデカフォレストを発見。こちらの方が失速気味に歩いている。よし、ターゲット変更。失速しているデカフォレストを目標に歩く。(歩きの戦いになってます。)・・・歩かねばならない環境(7%の上り)と実態(長く抱えた膝痛)だが、どんなことにせよ目標を持って取り組まなければ「時間内完走」という大きな目標に近づくことが出来ないと思った。
 長く続く続いた上り坂を歩き終わってほっとすると今度はそれを上回る急な下り坂。私の膝は、下りの方が痛い。既に、歩くだけでもかなりの痛みを感じるようになっていた。フラットな場所になっても走ることが出来ず延々と歩くような感じに感じられた。
 タイム的にはかなりのロス。79㎞のGTメールはないので正確には分らないが79㎞11時間40分の関門を15分前ぐらいに通過したのではないかと思う。この上りで45分程の貯金の30分を使ってしまった。15分ってキロ7分でも関門はもう2㎞程後まで迫っていた。

15:24に受信したGTメールでは、

495 路の途中

10㎞:1:04:18 実
42㎞:5:34:22 予(予定の表示だがたぶん実際のタイムの間違いではないか?)
50㎞:6:06:03 実
71㎞:9:30:41 実
90㎞:12:41:11 予
100㎞:14:19:24 予
となっている。
つまり、71㎞の通過タイムからすると、100㎞のゴールは制限時間の14時間を20分近く上回り完走は出来ない。という予想だ。
勿論この時点で私は携帯を持って走っているわけけではないので知るよしもないが、見通しが暗くなっていることは実感される。
 次は87㎞の着替えポイント12時間30分制限を目指す。
 しかし、緩やかな下り坂ではあるがもう右膝がいうことを聞かない。周りのランナーは緩やかな下り坂になっていることもありここぞと快調なペースで下り下りる。私から見える限り、回りに歩いているランナーはいない。どんどん抜かされていく。絶望感に押しつぶされそうになりながらも腕を振って歩く。すると後から、神奈川さんが快調な足取りで駆け抜けていく。「復活したんですね。頑張って下さい。」と声をかけると「絶対完走しましょうね。」と振り向いて元気な声をかけてくれた。しかし、既に完走するぞ!という気力はなくなりかけていた。緩やかな下りで走ろうと試みては痛みに耐えかねて歩く。歩いても痛い。でも、走ってみては痛みが大きくなることにだんだんと気力が奪われていく。ここで頑張って走れなくなってしまったらそれは勇気ではなく暴挙なのではないだろうか。頑張って鍛えてきたつもりだったが自分の膝はまだ野辺山を完走する力はなかったのではないだろうか。と諦めムードに支配されそうになっていたその時。

「うめさん」が登場した。

えっ!

と思ったが、GTメールのゴール予想タイム14時間19分を見て87㎞地点から上り坂を上って(逆走して)応援に来てくれたのだ。(完走記10に続く)

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