8時半、起床。
トーストと紅茶のシンプルな朝食。パンは昨日妻が浅草橋での仕事の帰りに買ってきた「ミヤビ」のパン。
10時に家を出て、大学へ。
いまキャンパスではサークルの新人募集が盛んに行われている。
卒業生のHさん(論系ゼミ3期生、2013年卒)が研究室にやってくる。
少し話をしてから、食事に出る。
「水色のバッグが春の装いに合ってますね」と言うと、Hさんはニッコリして、「これ、彼からのプレゼントなんです」と答えた。そうだと思いました(笑)。
ランチは彼女の希望で「SKIPA」へ。研究室を出る前に電話を入れておいた。
二人とも定食を注文。
今日の主菜は鶏肉団子と大根のスープ煮。
「これです、これ」とHさん。彼女はたまに[SKIPA」の定食がとても食べたくなるのだそうだ。そのことを私からのんちゃんに伝えると、のんちゃんも嬉しそうであった。
食後のチャイは私はアイス、Hさんはホット。
「SKIPA」を出て、神楽坂を飯田橋の方へ歩く。
毘沙門天の境内の藤棚がこれからは日に日に美しくなるだろう。
「紀の善」の前まで来て店内をのぞいたら、なんと、並ばずにテーブルに案内された。混み始める直前の時間帯だったようである。
私は苺あんみつ。
Hさんは白玉あんみつ。
ここに来る途中で寄った毘沙門天にはアイドルグループ嵐のファンの絵馬がたくさん掛かっていたが(「コンサートのチケットが取れますように!」とか)、実は、Hさんは嵐の兄貴分にあたるV6のファンである。それも小学校6年生のとき以来の筋金入りのファンである。毎年、V6のコンサートに出かけて行って、ペンライトを振っている。とくに岡田准一のファンで、もし彼が結婚を発表したときは、その日は仕事にならないと思うので、(めったに取らない)有給休暇を取らしていただきますと職場で公言しているそうである。
へぇ、人は見かけによらないものである。Hさんの話を聞きながら、私は「アイドルとは何か」という社会学的テーマについて思いを巡らせていた。
「紀の善」は入口の横に地下鉄の駅の階段がある。東西線で早稲田に戻り、本日最後のカフェである「カフェゴト―」に行く。
二人ともブレンドコーヒーを注文。
今回は前回会ってから3か月ほどしか経っていないこともあって、彼女の「人生の物語」に大きな展開はなかった。ダニエル・レビンソンのライフコース理論は生活構造の変動期と安定期の反復として人間の一生を記述しているが、それに従えば彼女はいま生活構造の安定期にいるのであろう。ただし、ここでいう「安定」は構造に変化がないことを差す言葉で、精神的に安定しているかどうかとは関係がない。むしろ安定期は次なる変動期に向けて構造的なストレスが蓄積されつつある期間であると見ることもできる。生活構造の変動は外部からの不可抗力によっても生じるが、内部のストレスが許容量を超えるとそれをエネルギーに変換して主体的に起こることもあるのである。彼女の意志的な横顔を見ていると、次に会うときは「人生の物語」に何らかの展開があるのではないかという予感がするのである。
「カフェゴト―」を出て、Hさんはこれから新宿で買い物とのことである。
私は研究室に戻り、7時頃に大学を出る。
蒲田に着いて釜飯屋「梅Q」で夕食をとる。本日は妻は小学校の同窓会で出かけているのである。
特製五目釜飯(1600円)を注文。カニ、エビ、帆立、牛肉、椎茸、牛蒡などが見える。
茶わんに三杯はある。味噌汁は豆腐を注文。
テレビはずっと九州の地震のことを伝えている。 連続する余震による新たな被害が発生するだけでなく、避難所生活が長引くにつれ被災者の生活のストレスの問題がこれから大きくなっていくだろう。「命が助かってよかったですね」の次の段階(一定の生活の質の確保)に入って行くのである。