フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

4月27日(水) 曇り

2016-04-28 09:39:20 | Weblog

8時、起床。

トースト(葡萄パン)、炒り卵、サラダ、紅茶の朝食。

10時半に家を出て、大学へ。

研究室のドアの前に和服の女性が立っていた。11時半のお約束だったが、ほんの少し早く着かれたようである。

女性の名は澤田瞳子さん。歴史小説・時代小説を読まれる方はご存じだと思うが、デビュー作の『弧鷹の天』(2010年)で中山義秀文学賞、『満つる月の如し 仏師・定朝』(2012年)で新田次郎文学賞を受賞され、昨年は『若冲』で直木賞の候補になった作家さんである。

京都にお住まいだが、今夜、大隈講堂で「 『螺旋』メンバーが早稲田大学にやって来る!」というイベントがあり、伊坂幸太郎、朝井リョウ、吉田篤弘といった作家さんたちと一緒にトークショーのお仕事があり、東京に来られたのである。*「螺旋」というのは文芸誌『小説BOC』(中央公論新社)の創刊を記念して、8組9人の作家が古代から未来の日本を舞台にして「海族」と「山族」の戦いを描くという競作(同時進行の連載小説)企画である。

いただいた『小説BOC』創刊号の目次を見ると、以下のようなラインナップになっている。

 大森兄弟 「ウナノハテノガタ」 *原始

 澤田瞳子 「月人壮士」 *古代

 天野純希 「もののふの国」 *中世近世

 薬丸岳 「蒼色の大地」 *明治

 乾ルカ 「コイコワレ」 *昭和前期

 伊坂幸太郎 「シーソーモンスター」 *昭和後期

 朝井リョウ 「死にがいを求めて生きているの」 *平成

 吉田篤弘 「天使も怪物も眠る夜」 *未来 

昼食は「たかはし」に食べに行く。澤田さんは昨晩は居酒屋の食事、今夜は中華になるでしょうとのことだったので、和食の店にお連れすることにした。「すぎうら」も考えたが、「私、けっこうしっかり食べる方です」とのことだったので、「たかはし」に決定。

私は肉豆腐定食、澤田さんは刺身定食(カツオ)。

食事中に澤田さんからうかがったお話はとても興味深いものだったが、ここで書くわけにはいかない。

食後のお茶は「SKIPA」で、私はアイスチャイ、澤田さんはシークワ―サー。

のんちゃんが「素敵なお着物ですね。先生の教え子さんですか?」と聞いてきた。そうではない。彼女は同志社大学の卒業生である。

では、何かということ、澤田さんは私のブログの読者なのである。私も彼女の小説の読者なのだが、それは最近の話で、彼女はずっと前から(2010年ころからだろうか)私のブログを愛読されているのである。

私の文章から多くを学び、作家としてデビューした・・・ということではなく、東京の甘味処についてネットで検索していて、たまたま私のブログ(池上の「甘味あらい」の記事)を読まれて、それがきっかけで常連の読者になったということである。ほどなくしてブログにたまに登場する京都在住の教え子Uさんが澤田さんの中学・高校時代の友人であることに気づき、バーチャルな世界であった「フィールドノート」とご自身のリアルな世界がリンクして、びっくりされたそうだ。2年前の私の還暦の祝いの会のとき、Uさんを通じて彼女からのご本(『関越えの夜 東海道浮世語り』)をちょうだいし、私も返礼に『日常生活の探究』をさしあげ、メールを交わした。そういう間柄である。「甘味あらい」に行けず仕舞いだったのは残念でしたが、「まやんち」のピーチメルバはぜひ食べてみたいです、とのことだった。今夏、お連れしましょう。

2時半から大手町の中央公論新社でイベントの打ち合わせがあるとのことなので、「SKIPA」を2時に出た。

 『若冲』にサインをしていただいた。

宙太さんは澤田さんはご存じなかったが、時代小説・歴史小悦は好きなので、今度ぜひ読ませていただきますとのことだった。

大学に戻り、3時からOさんの卒業研究指導。

澤田さんからお土産にいただいた京都のお菓子を食べながら。

同僚の竹中先生から新著をいただいた。

 竹中仁『自閉症とラノベの社会学』(晃洋書房)

ユニークな視点で面白そうだ。ありがとうございます。

卒研指導を終わり6時に大学を出る。

7時、帰宅。

夕食は鶏肉と野菜のレンジ蒸し。

デザートは苺。

明日の授業(大学院の演習と学部の講義)の準備をして、2時半に就寝。