presented by hanamura
暖かな日がつづいていますね。
ここ、東京でも桜が満開になりました。
これからの季節は、桜のほかにもさまざまな花を楽しむことができます。
今回はもう少しで花開く藤のお話しをします。
藤の花は、牡丹のような華やかさはありませんが、
垂れ下がる花の形に風情があり、
ふるくから日本人に愛されてきました。
平安時代には藤原家が藤の花をシンボルとしたこともあり、
さまざまな「藤文」が生まれ、
衣服や陶磁器などにもちいられました。
また、江戸時代の大津絵(※1)の題材には
藤の衣装をまとった華やかな遊女が描かれ、
「藤娘」として人気になりました。
大津絵の藤娘は歌舞伎にも取り入れられました。
おなじ「藤娘」でも歌舞伎の「藤娘」は藤の花の精とされているので、
遊女として描かれた大津絵の「藤娘」とは印象が変わりますが、
どちらもきれいな女性の姿を表すのに「藤」が用いられているのです。
もちろん、着物や帯の文様にも藤はモチーフになっています。
上の写真は藤の花の刺繍に文字の刺繍を施した帯です。
藤の花と文字の組み合わせに風情があります。
この藤の花の美しさを楽しむために、
現代では藤棚などがつくられている場合も多いのですが、
野生に自生する藤の花の木はとても力強く、
その蔓はとても長く太いのです。
むかしはその強く、長く伸びる蔓から、
長寿、繁栄、強運を表すと考えられていたようです。
また、この蔓を繊維状にして、撚りをかけ糸にし、
織ったものが「藤布」という「布」になり、
衣服の材料としても用いられていました。
下の写真は藤の蔓を糸にして織り上げたものです。
花邑のブログ、「花邑の帯あそび」
次回の更新は4月14日(火)予定です。
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