ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

「ピンポン」 松本大洋

2007-01-08 14:19:08 | 
凄いガチャ目だから困る。

私の視力は、ひどいガチャ目だ。十代の頃は、右が0.06の弱視。そして左が1.5であった。眼鏡なしでも日常生活に不自由はない。ないけれど、小さいボールを使う球技が、えらく下手になった。

野球は、小学生の頃から自分達でチームを自主的に作るほど好きだった。ところが視力の低下とともに打てなくなり、守れなくなった。左右の視力があまりに違いすぎて、ボールの位置が微妙にずれるのが原因だった。更にボールの小さい卓球は、さらに下手になった。

小学生の頃は、近所の福祉会館の卓球場は、大のお気に入りの遊び場だった。ピンボンという軽い響きの名称とは裏腹に、激しく苛烈な球技だと思う。ボールの回転を読み、立ち位置を常に最適に保ち、相手との心理戦が醍醐味のスポーツだと思う。好きだったが、下手になり、止めてしまった。

元々は右目が効き目だったが、あまりの視力の低下にいつの間にか左目が効き目に変わっていた。そりゃ、バランス崩れるはずだ。高校に入る頃には、球技は諦めた。眼鏡で矯正しても、完全には治せなかったからだ。そのかわり山登りをWV部で始めたのだが、これはまた別の話。

好きだった野球も卓球も、自分がやらなくなったら、途端に関心が薄れた。いや、見たくなかったからだと思う。妬ましく、羨ましく、疎ましいからだったと思う。

そんな私だが、表題の漫画には参った。卓球をテーマにした漫画は多くはないが、これほどの深みと迫力を持つ作品は皆無だと思う。試合の場面だけでなく、思春期の少年の微妙な心の揺れ動きや、周囲の大人たちの視線も見事に描いている。

自分がやらなくなったスポーツゆえに、敬遠しがちだったが、この漫画を読むと今更ながら視力の低下が疎ましくなる。ちなみに、現在は右が0.03、左が0.4でバランスが取れてきた・・・全然嬉しくない。しかも、乱視まで加わっている。難儀なことだと思う。まあ、見えるだけで良しとしましょうか。
コメント (6)
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