ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

パクリの戦後史 日名子暁

2010-11-19 12:38:00 | 
舐めんなよ!

昨今、流行のメイド喫茶と言う奴が嫌いだ。なにが「お帰りなさいませ、ご主人様」だ。手前なんぞからご主人様呼ばわりされる覚えはないわい。

ついでだから言っておくと、コスプレという奴も嫌いだ。せいぜい温泉旅館での帯グルグルで十分だ。え?似たようなものじゃないかって。うぅ~、まあ、あれはあれで後のお楽しいがあるし・・・

なに?銀座のクラブや新宿のキャバクラ遊びとどう違うのかって・・・うぅ~、あまり大差はないかもしれない。困った、段々弱気になってきたぞ。

と、とにかくだ。メイド喫茶は嫌いだ。なにが嫌いだって、あの人の弱みにつけこむ厭らしさが嫌いだ。

そりゃ、誰だって他人からリスペクトされたい。でも、現実には安い給与でこき使われ、頭ごなしに指示されて不満を溜め込むばかりだ。

だからメイド喫茶に行って、可愛いメイドさんたちから「ご主人様~」と呼ばれて自尊心を回復したい気持ちも分らないでもない。行ったことがないので良くは知らないが、千円札数枚で楽しめる癒しの時間なのだろう。

高級クラブやキャバクラで数万円を散財することを思えば、はるかに健全な(あくまで財政的にだが)遊びなのかもしれない。

だとしても、やっぱり私は行く気になれない。小娘たちの小細工に奔走されるよりも、熟練の妖婦たちの手管にこそほだされたい。同じ騙されるのなら、レベルの高いほうがいい。

ヘンかな?

まァ、そんな訳で随分と痛い授業料をお姉さま方に払ってきたのは事実だ。この十数年の散財を計算すると、高級外車ぐらい買えたかもしれない。

もっとも最近は、夜はしずかに休みたい気持ちが強く、夜のお店に行ってもマッサージや指圧だったりする。医療費控除の対象にならないのが辛いが、体調をベストコンディションに保つための必要経費だと割り切っている。

表題の書は、裏社会のルモセ意とする著者の詐欺事件をまとめたものだ。光クラブから投資ジャーナル、ココ山岡、豊田商事と現在も絶えることなく続く詐欺事件を、時系列的にコンパクトにまとめている。

読みながら、つくづく思うのは騙される側の心の弱さだ。詐欺事件の特徴の一つに、騙された被害者の側が事件後に負うのは経済的損失だけではなく、精神的損失が大きいことだ。被害者であるのに、同情されるよりも侮蔑を受けることが少なくないのが詐欺事件なのだ。

嘘を付き合うのが人間の本質だと言えばそれまでだが、それにしたって罰則が甘すぎる。詐欺に関しては、なぜか日本の刑法は加害者に甘い。詐欺の被害は、まずほとんどが補填されないことを思えば、もう少し罰則を厳しくしたほうがいいと思う。

ところで、私が散財してきた夜遊びだが、あれは詐欺のうちにはいるのだろうか。いや、そうではあるまい。好きでもない男に媚売っていた御姐さんたちの心労は決して軽くないと思う。本気で結婚する気もない癖に、空ろな愛を口にした私とて嘘つきであることも間違いない。

互いに了解の上での騙し合いが、夜遊びの仁義ってものだ。そう思い込むことにしよう。

まぁ、冷静に思えば騙した相手に騙されたとの思いを抱かせないことこそ、最高の詐欺だとも思いますがね。
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1 コメント

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Unknown (セレンディピティ)
2010-11-25 12:51:05
豊田商事事件については、以前中坊公平さんの「私の事件簿」で読んだことがあります。
世間の人は、欲にかられたお年寄りがだまされた、と被害者を批判的な目で見ていたけれど、実際には孤独なお年寄りが情に負けてだまされたのだと…。

ところで私は先日、生まれて初めて「食い逃げ」の現場に遭いました。
景気が悪いと、こうした詐欺事件がますます増えそうですね。
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