ヌマンタの書斎

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軽自動車の安全性

2024-01-04 13:26:59 | 社会・政治・一般

敢えて暴論を書き散らかします。

昨年末から大騒ぎになっている軽自動車製造会社のダイハツのコンプライアンス違反です。そりゃ決まりを守らないのは悪い。法令違反は罰せられるのは当然だが、気持ち悪いぐらいに一方的な記事が多い。

別にダイハツとは縁もゆかりもないが、いささか不愉快なので書きたいことを、書きたい時に、書き散らかすヌマンタ流大原則に従い書きます。

まず軽自動車とは、日本独自の規格です。道路が狭い日本の事情に合わせて作られた便宜上の規格でした。実際、軽自動車でなければ走れない狭くて細い道路が今も日本各地にあります。自動車という機械を考えた時に、限界を超えて小さく設計されたのが軽自動車です。

このいびつな形状ではあっても、日本の道路事情では必要な小ささです。ですが、元々無理のある規格なので、エンジン出力も低く、スピードも遅く、積載量も少ない、それが軽自動車です。しかし、60年代にアメリカでの自動車交通事故の多発により、今まで以上に車の安全設計が求められるようになりました。

特に衝突安全性やエアバックの装着義務などは、自動車メーカーに多大な負担となりました。特に利益率の低い軽自動車は、この新しい安全基準により多大な負担を負うことになりました。あまり知られていませんが、軽自動車は製造が非常に難しいのです。

単に作るだけならともかく、必要な安全基準を満たし、なおかつ消費者が満足する性能を持ち、そのうえで利益を出せるのは至難の業。トヨタや日産は、自社開発を諦めてスズキやダイハツからのOEM供給により軽自動車を販売しています。ドイツのダイムラー社でさえ諦め、アメリカのBIG3に至っては、軽自動車規格を廃止しろと言い出す始末。

一方、日本の軽自動車を徹底的に研究し、臆面もなくパクったのがインドとインドネシアです。政治問題化するのを避けるため、スズキもダイハツも法的措置には出ませんでしたけどね。

今回のダイハツのコンプライアンス違反で特に目立ったのは、安全基準の確認検査ですが、改めて思い返して欲しい。ダイハツの軽自動車で事故が起きた時、その安全装置が不完全であったことはありましたか。30年前から違反していたようですが、私の記憶にある限り、ダイハツの製造上の欠陥が事故の問題になった報道はないのです。

身もふたもない云い様ですけど、軽自動車はその構造ゆえに事故が起きると死傷事故になることが多い。それでも糞真面目に安全を守る努力をした結果、相当に安全度は上がっている。だからこそ改めて問いたい。軽自動車に求められている安全基準の検査は、それ自体本当に有効ですか、と。

盛んに批難される検査の不正ですけれど、ダイハツの軽自動車が安全基準に満たないが故に死傷率が増えたといった具体的なデーターはあるのですか。

更に云いますと、これらのダイハツの軽自動車は車検制度を問題なく通過していますが、いったい車検制度は何のためにあるのですか。安全基準の検査に不正があったのならば、その不正を見抜けなかった車検制度及び運輸省の責任はどうなのでしょうか。

数年前ですが、三菱のトラックの車輪が外れて死傷者が出た際、車検制度及び運輸省の責任を追及する自動車評論家の故・三本氏は、その発言故にTV番組から干されましたよね。今回のダイハツの不正も、一方的にメーカーだけを責めて終えるつもりですか。

官庁の記者クラブでの公式発表や大企業の広報室から配布される資料だけで報道するマスコミ様は、あまりに安直な報道をしていませんかね。

過去に私はダイハツの車に乗ったことはありませんし、特段所縁がある訳でもありませんが、一方的で検証不足のマスコミ報道には辟易します。


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