ヌマンタの書斎

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森友学園の民事再生法申請

2017-04-26 12:00:00 | 社会・政治・一般

人間、追いつめられると本性が出る。

会社などが梼Yした場合、基本的に二つの道がある。一つは文字通り潰してしまうことだ。会社の資産を整理して、債権者に支払い、残ったものがあれば、それは株主に配当される。まァ、滅多に配当はない。

もう一つの方法は、資産の整理などで会社を立て直す道筋を示し、大口債権者への支払いを猶予、減額してもらうことだ。これを再建型倒産という。

ところで、先月から盛んにニュースを賑わしてきた森友学園という学校法人が民事再生法を申請したとの報道を目にした。この民亊再生法は、後者の再建型梼Yに使用される。つまりあの籠池理事長は、まだ学園経営を諦めていないわけだ。

再建型倒産には大別して二種類ある。その再建を裁判所の任命した管財人(大半が弁護士だ)に任せるケースと、経営を傾けた社長がそのまま留任して再建を目指すケースだ。森友学園は当然、後者である。

具体的には再生計画を立てて、裁判所の監督下で経営再建を目指し、代わりに大口債権者には債権を減額してもらう。これを甘いのではないかと思う人は多いと思うが、これには理由がある。

どんな経営者でも倒産はしたくない。しかし、様々な理由から経営が行き詰まった場合、上手く債務の減額等を受ければ、会社が再建されることは珍しくない。ただ、以前は第三者の管財人以外には、その役割を認めることはなかった。

しかし、多くの梼Y予備軍の経営者は、倒産を嫌がり、手遅れになってから渋々倒産に同意する。これでは間に合わないことが多い。それゆえに、民事再生法が立案された。病気と同じで、早めに対処すれば、治ることは決して珍しくない。

最大のポイントは、経営者をそのまま残すことであり、面子を気にして梼Yの法的処理を嫌がる心理的要因を軽くしていることだ。法的な保護を受けない倒産の悲惨さを幾度となくみている私は、この民亊再生法をけっこう評価している。

ただし、失敗例が多いことも知っている。民亊再生法が成功するには、大口の債権者の同意が必要不可欠だ。つまりスポンサー役が必要となる。この役割は銀行は嫌がる。むしろ業務をある程度知っている債権者が協力する以外、民事再生は成功しない。

はたして、あの籠池理事長を信用し、スポンサーになってくれる大口債権者はいるのだろうか?

勘ですが、多分いないと思う。おそらく半年以内に民事再生法から会社更生法、もしくは破産法に切り替わるのではないだろうか。私がスポンサーはいないと思うのは、あの理事長を信頼する人が、そうそういるように思えないからです。

幼稚園に通う子供たちを思うのならば、最初から会社更生法でいくべきだと思います。その場合、籠池氏は経営から退けられる。それが嫌で、民事再生法を選んだのでしょうけど、その甘い姿勢が倒産の原因だと思います。

コメント (3)
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