ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

ストロベリーナイト

2013-03-08 11:59:00 | 映画

雨が好きかと問われると、いささか返答に窮する。

夏の豪雨はけっこう好きだ。ちょっと身震いするほどの激しい雨には、自然の強大さを思い知らされる気がして、敬意さえ抱いている。

梅雨のしとしと雨も、わりと好き。湿度が高すぎると嫌だが、少しひんやりする程度の優しい雨は、大地を潤す感がして落ち着いた気持ちになれる。

もっとも夏から秋にかけての変わり目の雨は、素直に好きとは言いかねる。夏の熱気が雨で消し去られるのは嬉しいが、秋雨前線はあんがいと居座りやすく、じとじとと降り続くのが嫌らしい。

でも秋に訪れる台風による大雨は好き。物騒な話だが、唸る風と叩きつける雨音を聴くとわくわくしてくる。そして台風が通り過ぎた後の朝の爽快さが嬉しい。

でも、冬の激しい雨は嫌いだ。コートを襟立てても、いつのまにやら冷たい雨がしみ込んでくる。身体ばかりか心まで冷やす気がして好きになれない。

そして春の雨。私にとっては確定申告を終えた安堵感を感じる雨であり、一雨ごとに寒さが薄れ、暖かさが近づいてくることを予感させる雨でもある。更に付け加えるのならば、花粉を流し去る雨でもある。

同じ空から降る雨ではあるが、季節により大きく違う雨でもある。

表題の映画では、この雨が上手に使われている。激しい雨、シトシト雨、霧雨といくつもの種類の雨がスクリーンを彩る。外での場面は、ほぼ9割方雨なのだから、撮影はさぞかし大変だったのだろう。

私は知らなかったのだが、女性刑事姫川を主人公とした警察ドラマはTVでは、けっこう人気であったらしい。その最終話にあたるらしいのだが、シリーズをまったく観ていない私でも十分楽しめた。

ちょっとだけケチをつけるとすれば、血の色は確かにイチゴの色に似ているかもしれないが、本当の血の色はもっと深く、もっと濁っている。鮮血の夜ではあるが、ストロベリーナイトってタイトルは、あまり似合わないと思うな。

コメント (2)
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