のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

パクシいただきました

2018-04-22 | 映画
あの……ちょっと聞いていただけます?
今日、山村浩二さんにサインしていただいちゃったんでございますよ。
そう、『パクシ』の、『頭山』の、『田舎医者』の、あの山村浩二さんでございますよ。
しかも、まったく思いがけなく。

いえね、昨日から京都シネマで『山村浩二 右目と左目でみる夢』と題して山村さんの短編をまとめて上映しているんですけれども、来週は行けそうにないので、これは絶対今日行かねばと家の用事もそこそこに出かけたわけでございます。京都シネマのHPには山村さん来場とはどこにも書いておらず、ただ「諸事情により、本編スタートとなります」とだけ但し書きがついておりました。ふーんまあいいけど諸事情ってなんだろうと思いつつ珍しく時間に余裕を持って到着。京都シネマの中でも一番小さな61席のスクリーン3の、半分弱が埋まった客席の最後列すみっこ(定位置)で上映を待っておりますと、ほどなく劇場のスタッフさんがやって来ておなじみの上映前の口上を述べられ、ついでのように「上映後に山村浩二監督と、山村監督作品の音楽を担当されてきた冷水(しみず)ひとみさんにお話をかがいます」とサラッとおっしゃるではございませんか。
のろさん内心「え?!?!』ですよ。
だって、山村浩二さんですよ。『年をとった鰐』の、『マイブリッジの糸』の…。こんな偶然みたいにお目にかかっていいものであろうか。
呆然としている間に場内が暗くなり、典雅なヘンデルの楽曲に乗ってヘンテコな奴らが次々登場する『怪物学抄』が始まりました。

ワタクシにとって山村アニメーションの魅力は、その独特な世界観もさることながら、アニメーションの根源とも言うべき「絵が動く」という不思議さと喜ばしさを感じさせてくれるという点も大きいんでございます。小学生の頃、教科書の隅にパラパラ漫画を描きましたでしょう。ええ、ワタクシ上中下三段&両面に描きましたとも。あの、自分の描いたただの絵がもじもじと動いていく楽しさと不思議さ、あれをものすごくグレードアップしたものを見ている感じと申しましょうか。
そんなこんなで短編9本の上映が終わった後、本当にというのも何ですが本当に、山村監督と冷水さんがご登場されました。口琴のようなテルミンのような不思議な音色を奏でる一弦の電子楽器ダン・バウの生演奏ののち、山村アニメーションと音楽の関係を巡って20分ほどトーク。「アニメーションにも音楽にも、がさがさしたものを入れたい」とおっしゃっていたのが印象的でした。

その後山村さん&冷水さん&観客一同ぞろぞろとロビーへと出て、パンフを買ったその場でお二人にサインしていただく流れに。のろさんの番が来た時、勇を鼓して「パクシの頃から大好きです」と申し上げたところ、何と「じゃあ、パクシ描きましょうか」と!



ふおおお!
のそのそ歩き!
ちっちゃな帽子!
おやつ大好き!
ぼくはパクシ!
ちなみにパクシのおかあさんの声をやってらしたのは冷水さんなのだそうです。「ほとんどセリフはありませんでしたが…」と。
ええ、あのアニメで一番しゃべってたのはバルタザールおじさんのような気がします。謎の歌を口ずさんでいただけではありますが。



ワタクシ、将来ホームレスになってもこれだけは手放したくないという品がいくつかあるんですけれども、これでまた増えてしまいました。
いやー困った。


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