のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

『アクト・オブ・キリング』

2014-04-29 | 映画
なかなかきちんとした感想が書けそうにありませんが、ぜひ多くの人に見ていただきたい作品ですございまので、これだけは申し上げておこうかと。

すっ ごい映画でした。

映画「アクト・オブ・キリング」公式サイト

何がどうすごいのかを説明しないことには全く説得力がないのでございますが、ワタクシにはそう簡単に説明できそうにありません。
とにかく、少しでも興味を持たれた方はぜひ観に行っていただきたいと思います。興味をお持ちでない方も引っ張って観に行っていただきたい所です。
おぞましいのにコミカルで、緊張を強いられるかと思えばえらい脱力感に見舞われ、くらくらするほどシュールな一方、所々に既視感がございます。(例えばある殺人者が自分の行為を正当化するために持ち出す「自分たちだけが悪いのではない」「そういう時代だった」といった言い分は、戦争犯罪を正当化する歴史改竄主義者の言い分にそっくりです。)
これからパンフをじっくり読んだ上、人が加害者(傍観や見て見ぬ振りを含む)となる時、いかにして加害行為と「悪」や「罪」を切り離すのかといったことについて考えたいと思います。

なお4月18日付『週刊金曜日』「闘うアート」特集号には、ジョシュア・オッペンハイマー監督のインタヴューが掲載されておりました。『くるくる総理』の風間サチコさんや風刺漫画家ラルフ・ステッドマン氏のインタヴューなどもあり、なかなか面白かったです。まあ、STAP細胞騒動を茶化した面白くもない架空対談に1ページ割くくらいなら、そのスペースでアイ・ウェイウェイを取り上げろよな、とは思いましたけれど。