のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

クリスティ忌

2009-01-12 | 忌日
本日は
アガサ・クリスティの忌日でございます。

のろは10代の折に『そして誰もいなくなった』『アクロイド殺し』『ABC殺人事件』『オリエント急行殺人事件』『ビッグ4』およびその他のポワロものをいくつか読んだのでございますが、とりわけクリスティファンになることもなく今に至っております。
思うにのろの頭は、上記の代表作に見られる反則技的なトリックを是とするには固すぎたのでございましょう。『アクロイド~』『オリエント~』などは,ラストでどちらかといえば腹が立ったということを告白せねばなりません。
また、のろはなんたってホームズ御大が好きでございましたから、ポワロ氏が御大を小馬鹿にするような発言をお吐きんなるたびに憤慨していたものでございます。

と言ってポワロさんが嫌いというわけでは決してございません。NHKで放送されていたドラマ「名探偵ポアロ』は欠かさず見ておりましたし。『シャーロック・ホームズの冒険』のように録画して何度も見たりはいたしませんでしたけどね、そこはそれ、愛情の差と言うもの。
ただ、ポワロさんがマントルピースの上のものを整頓するのやら、運転手のハンドルの持ち方にケチをつけるのやら、そういった細かいシーンは覚えておりますくせに、話の内容やトリックを全く覚えておりませんでね。どうもミステリードラマを楽しむというよりも、ただただデヴィッド・スーシェ氏のみごとなポワロっぷりに惹かれて見ていたというフシがあるような気がいたします。
スーシェ氏のポワロさんは風貌だけでなく、気取っているくせにどこかコミカルな物腰、ちょこちょことした歩き方などまさしくイメージぴったりでございまして、本当に小説の中から現実の世界へとトコトコ歩いて出て来たようでございましたっけ。



ちょっと鼻につく言動のあるポワロさんのこと、下手をするとずいぶん嫌味な人物になりかねません。実際、1974年の映画『オリエント急行殺人事件』のアルバート・フィニー演じるポワロさんなどはちと嫌味が強うございまして、ワタクシはあんまり好きではございません。翻ってスーシェ氏のポワロさんはと申しますと実に愛嬌がございまして、神経質さや気取り屋な所までも魅力のひとつという感じがいたします。「原作ファンからも愛されるポワロ像」という評も大いにうなずけるではございませんか。

スーシェ氏といえば京都では近日公開の映画『バンク・ジョブ]にご出演とのことでございますね。
有名スターが出ていないせいかあまり大々的に宣伝されてはいないようでございますが、『世界最速のインディアン』のロジャー・ドナルドソン監督がメガホンをとった作品ということで、のろはけっこう期待しているんでございます。

と、どうも話がだんだんアガサ・クリスティから離れて行ってしまいました。
思い入れがないとこんなもんでございます。