のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

「夢の美術館 大阪コレクションズ」1

2007-03-08 | 展覧会
夢の美術館 大阪コレクションズ」国立国際美術館 へ行ってまいりました。



前半はセザンヌから未来派、シュルレアリスムなどへ至る戦前の美術
後半は戦後のいわゆる現代美術が展示されており、量的には半々といったところでございます。



チラシには前半の展示作品ばかりがフィーチャーされております。
うがった見方をしますれば、これは
モディリアーニやクレーやマグリットを撒き餌にして
やって来たひとびとにフォンタナフォートリエステラなどなどを
否が応でも見せちまえヒッヒッヒ、というナイスな企画でございますね。
うがちすぎ。

さておき。
「ミニマル、さもなくば過剰」なものに心魅かれがちなワタクシとしては
前半においてとりわけ印象深かった作品は、ブランクーシの眠れるミューズでございました。
一見、 尖りぎみの卵型オブジェ なんでございますが
接近して見ますと最小限にまで抑えられた凹凸で、眠る女神の目鼻だちが表現されております。
風雨に削られた古代の大理石像、あるいは
長い年月、川底で洗われた小石のようなやさしい凹凸、
あるか無いかわからぬほどうっすらと刻まれた目蓋や鼻すじは、
鑑賞者をして無限の美しさを想像せしめるではございませんか。
サモトラケのニケやミロのヴィーナスが、失われた頭部や腕に
無限の美を宿しているごとくに。

次回に続きます。