のら猫の三文小説

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香奈とコシロの子供たち Ni.175

2013-11-30 00:00:13 | 香奈とコシロの子供たち



ジブトラストも



カミカミファイナンシャルも海外の香奈ファイナンシャルも個人ではなく、多くのディラーが動き出して儲けるようになり、取引の頻度は増えたが、取引の利益は減り、配当収入も増えてきた。



ジブトラストでは、実際に運用する金額も減ってきた。取引するディラーは増えているのに、動いている金額や利益は減ってきた。


多くのディラーは感応したとは云え、実際の取引は、人間がするので、もう人間ではないような儲け方はもう出来なくなった。損切りも増えてきた。ただ収入や利益は、事業会社からの配当による部分も増え、より安定度も高くなってきた。



ヨーロッパでは、日本とよく似た財団が、各国に出来ていた。アメリカではエンジェルホープ財団が医療援助して、ジブアメリカが支援するチルドレンファンドとの連携も深めて、活動していた。


南米でもより大きくなった快適のインフラ整備とブラジルジブ財団が共同して、運動を進めていた。


アフリカでは、マリア財団が、マリア記念病院を始め、カミカミの持つ二つの病院と快適が持つ病院も併せて、マリア財団の活動を支え、快適農園の農作物とヨーロッパの食品会社からの食品も安く入手でき、運動にも幅が出来た。


アジアと中東では、快適のインフラ整備とジブ現地法人からの寄付では、そんなに十分な資金でもなかったが、みどりの組織したアジアの財団を辺朗の妻のケイが運営しながら、運動していた。養成したり、奨学資金を出したりして、活動してくれる人も増えてきた。



そして資金力が豊かになった日本の財団が協力して、運動を進める事が出来た。不動財団は、倒産した会社やつぶれた筈の人たちを再生してきた。


治部食品の一角に入ったり、ごきげんソフトでソフトを作ったり、麻田エンジニアリングや機械に部品を売ったりした。菊子金属に特殊な金属を作って貰って、不動総合団地で産業用の機械部品を作ってもらったりした。


再生マンションも新しく潰れた人が入り、不動ファイナンシャルが新しく倒産した会社の面倒を見る事になった。不動財団は再生ファンドではなかったので、再生資金は不動ファイナンシャルが全額出した。


成功して金が出来れば、ある時期まで、買戻しに応じる事にしていた。成功した人の報酬は利益比例にしてあげていた。それでもみんな慎重だった。一部だけの買戻しに応じて、後は利益からの報酬で納得した。配当は利益の三分の一、働いている人の報酬も三分の一、内部保留も三分の一と云うジブの原則に従っていたので、その方がリスクが少ないと思った。



結果として、不動ファイナンシャルは多くの企業を保有するようになっていた。不動ファイナンシャルの利益は回りまわって不動財団に入っていた。不動財団の基金は増えていた。不動ファイナンシャルと香奈ファイナンシャルからの寄付も高水準だった。


それだけでもなかった。寄付も増えてきた。すべて上手くいったわけではないが、つぶれた企業とつぶれた人も再生する事もできそうだった。もうすぐ陽太がジブの里に帰り、不動財団の責任者になる日も近づいてきた。神子は陽太のためと云うより、神子たちのファミリーの大きな家を建てて、準備していた。




香奈とコシロの子供たち No.174

2013-11-29 00:22:52 | 香奈とコシロの子供たち
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歴史的な大儲けの後、

体制を作り直す各地のジブ




アメリカのジブカヨコトラストは、ファイナンシャルの資金として株式比重を高めたが、トラストとしても株式の保有が増えていた。その上、配当準備金を増やした。トラストにも元々保有していた株もあり、管理は、本体に報告し、指図も受けていた。


神帥の部門は、ファイナンシャルで多くの会社を作りだして、一部をトラストが保有する事にして、トラストの利益を底上げした。


 
ヨーロッパのジブカミも、儲けたお金の一部をトラストとしても株式を保有していった。ジブカミは、ヨーロッパでは貴金属や食品会社では大きな会社群を保有しており、資源関係の会社でも大量の株を保有していた。



そうすると不思議な事に向こうから、市場外で出資を頼みにくる企業まで出てくるようになった。増資や出資の相談や判断は、本来海外子会社の仕事だったが、保有している会社の業務に関係する事なので、貴金属では、毛利貴金属に頼み、資源や鉱山会社では、香奈オフィスに頼んだが、食品会社にはジブトラストの現地法人の人が役員になっていた。大きな出資の判断は手に余ったので、切人に頼んで食品会社の役員になって貰った。切人も忙しかったが、取引は段々切人チーム任せ、食品会社を大きくして、ヨーロッパやアフリカの役に立てようと考えている事が多くなった。



他の孫会社も、儲けの一部は保有する社の株式を上積みしたり、配当準備金を本体に依頼して、従来の出資金の2倍でなく積み増した。そうした組織的な充実はあるものの、今回の歴史的な儲けは息切れし、取引利益も減少していく事になった。



それにジブトラストもこの歴史的儲けによる利益は、ジブシティーや研究所の建設費用とか、基金用に別に置いておく必要もあったので日本に送金させて、更に税金も払い、これらの出費も必要になり、結局いつもの年より少し多い程度の金額しか、ジブ本体や金融センターに残らなかった。



陽太が、再チャレンジ社会とか言い出して、再チャレンジ基金なども作ったので、無料診察制度も安定して、折角国債の発行残高が少し減っていっていたのに、国債発行残高が又増えてくると思っていた人たちが円を売って、円安傾向が高まっていた時だったので、神之助は、加代子からのお金とか、各地のジブ子会社からの配当を日本に送る必要だったので、この円安の流れの中で、円安が進めば、円に替えるなどの作業を長期間続けていく事になった。



「正子さんや聖子ちゃんまでもがお腹が大きくなったのに驚いたね。」、

香奈「流石に、あれには吃驚したね。驚くほど成績が上がったのでなんかあると思ったよ。どこまで儲けるかと思ったけど、あれが限界だったみたいだったよ。今はもう利益は減っているよ。


子会社と孫会社から、配当準備金を積みましたいと言ってきたけど、正解だったね、株も相当保有しているよ。本体でも保有する会社の配当は多くなったけど、取引での儲けは減っているから、段々利益は減っていくよ。海外でも会社からの配当は増えているけど、取引の儲けよりは少ないからね。」、
「損したの。」、

香奈「もうマーケットがジブが動く方に動くので、滅多に損はしないけど、もうそんなに大きく儲けられないのよ。大きく買ったり売ったりする事が出来ないのよ。利益は売買差益だもの。ジブも大きくなりすぎたね。


沙織さんや会長室は、元々小さい企業にも投資していたり、先物も細かく売買するからそんなに減らないと思うけどね。やがては年間で10兆近くまで落ちてきそうだよ。銀行なんて配当は低いのよ。」

「そんなもんかね。でも貰っている寄付は、凄い金額だよ。もうそんなに儲けても仕方ないよ。財団の基金も貯まる一方だよ。医療補助も減って、財団の基金も、貯まる一方なので、海外債券が利率高いから、海外債券なんかで運用しようと云う奴までいるのよ。


神太朗君の証券会社ではなくて、変な証券会社がナントカ債が儲かると言ってきたらしい。年10%以上も利子がつくと言っているよ。運用は大変なんだ、損する事もあるのよと怒ってやった。


香奈さんから聞いていたからね。アジアの関係する財団にも応援する事も増えたから、大切に使わないといけないと言っているんだよ。」

香奈「それは、止めておいたほうがいいよ。絶対確実なんて事はないのが運用だよ。債券と云っても利率の高い海外債券は、為替運用と同じなのよ。今はジブトラストで債券をしているのは、神之助君たちのように値動きの激しい市場を取り扱っている人たちだよ。怖いみたいだよ。結構値動きがあるのよ。


神帥君は実業に力を入れだして、そんなリスクの高いものをしないのよ。神之助君、神元君そして加代子ちゃんのグループが今まで運用利益が高すぎたから、他で儲けようとして、研究している程なのよ。下落する時のカラ売りは鬼のようなのよ。株式より債券が安定と言うのは、長い間、日本の国債が安定していた時の名残なのよ。


神太朗君が新宿にいた時には、慎重に運用していたみたいだけど、神二郎君は、社債程度しか関係していないわよ。激動期には凄く動くのよ。みんな気楽そうに稼いでいるみたいに見えるかもしれないけど、専門の人も入れて、細かく取引しているんだよ。神之助君たちでもそうなのよ。大変なんだよ。


それぞれで現金を確保している以外にジブトラストもカミカミも香奈ファイナンシャルでもほとんど運用しないオーバーシーズファイナンシャルを作っているのよ。香奈オーバーシーズは少しお金を貸しているけどね、正人が債権なんかでも返すから、仕方ないのよ。ジブもカミカミも神太朗君が株なんかでも返すから、神子ちゃんが調整しているけど仕方ないのよ。オーバーシーズの金の半分程度は、神之助君が管理しているから、多少は為替ヘッジはしてもらっているけどね。」


運用会社からドーンと寄付をくれる状況が続いているから、最近の奴らは、運用は簡単に儲かると考えているのよ。
香奈「運用よりは実業が安定だけどそれでも簡単でもないよ。神帥君も、会社を幾つか作り、それの方が忙しくなってきたみたいだけど、そんなに大きく儲けている訳でもないのよ。儲けは、昔より減っているのよ。」

「でも結構姫子ちゃんとアメリカに行っているね。」、

香奈「あの二人はアメリカ大陸での仕事は、多いからね。それに税金もアメリカの方が安いのよ。アメリカに半分以上住んでいると、アメリカで税金を払えばいいみたいなのよ。加代子ちゃんはそんな事は気にしないみたいなのよ。」、

「神元君たちは相変わらずだろうね。」、

香奈「そうでもないのよ。結局大きな会社を持っているのは、神元君たちなのよ。みんな任せているけどね。今いつも自分で細かくても取引しているのは、沙織ちゃんと聡美ちゃんそして加代子ちゃんぐらいになったよ。マリアさんも取引は少し減っているのよ。神元君は会社を買ったけど、人を任せているくせに、そんなに自分では取引しないようになったよ。切人までそんなに取引しないのよ。神元君と聡美ちゃん達の食品会社の運営にも口を入れているのよ。切人たちも少しは株を持って、聡美ちゃんと管理会社を作っているんだよ。」、


「神元君たちは、真理さんや瑠璃さんたちにも任せているよね。」、
香奈「知らない事に口を出すよりも、信頼できる人に任せるのが賢いかもしれないね。」

それが聡美ちゃんの戦略かね。あの格好からは想像できないけどね。」

香奈「そうかも知れないよ。格好も計算しているのかもしれないよ。」

「そうかね。それは考えすぎみたいな気もするよ。ところでこのワイン美味しいね。どこのワインなの。」

香奈「スイスコインが山間部を、思い切り広く買うから、ブドウ畑からワイン工場まで買ったのよ。快適にぶどうを選んで貰ったワインなのよ。限定品だよ。チーズと生ハムは、聡美さんが買ったイタリアの食品会社の製品なの。これも美味しいわよ。私は好きだよ。」

「本当に美味しいね。」

香奈「チャも生ハムは食べるんだよ。」

「変な猫だね。」

香奈「この間スイスから連絡があってね、金を作る細菌は、本当にいたんだよ。金を食べる菌だけどね。金の廃鉱が金がキラキラ光っているらしいよ。ホラフキーのほらは、本当になったよ。遺伝子研究センターは、レアメタルも食べる菌も作れると云ってるよ。毛利レアメタルのシステムも改良すると言ってるよ。分別した鉱石から直ぐにレアメタルが簡単に分離出来るらしいよ。」


「ほらから出た真だね。」




香奈とコシロの子供たち No.173

2013-11-28 00:00:39 | 香奈とコシロの子供たち


スイスカナコイン、コッソリートの証券会社を買収







コッソリートは牧場で隠居してから、急に元気になったが、コッソリートの子供も歳になり、コッソリートの子供の子供、つまり孫は証券に興味がなく、非上場であって株だけ持っても、失敗すればどうにもならないし、だれかに売ってしまう事も考えた。それなら、証券会社を売って信託財産でもした方がいいと思った。

















香奈はコッソリート一族もできるだけ株を持ったらといってきたが、普通に持たせれば、結局売るかもしれない。そこで、議決権なしの株を持つ管理会社にして、死亡や脱退時は、管理会社又はスイスカナコインに額面金額で買取りを請求できる事にして、子孫たちが株を持ちたいなら、管理会社に申請を行う事にした規約を作った。それをスイスカナコインも承諾して出来る限りの便宜を行うとする確認書を交わした。

















コッソリートとその子供たちは、思い切った安値でスイスカナコインに、ほとんどの証券会社株を売り、その証券会社は、コッソリート一族の管理会社に30%程度の議決権なしの株を更に安値で割り当て増資を行う事になった。議決権なしの株には、通常の株よりも、少し高い配当にするようにしていた。コッソリート一族への財政支援の意味が強いシステムだった。弁護士や税理士たちがなんだかんだと考えて、この方法を考えついた。最終的には、香奈とコッソリート一族を代表するコッソリートの子供が日本で正式な書類に署名する事になっていた。

















コッソリートの証券会社も資本金は小さいけれども、保有株も相当あった。スイスカナコインとの結びつきも強く、自己売買と同様だったが一般顧客へのコンサルティングサービスも充実していた。顧客たちに損をさせないようにする対面販売を心がけていた。






香奈とコシロの子供たち No.172

2013-11-27 00:00:36 | 香奈とコシロの子供たち






スイスカナコイン

は年寄り運用チームと証券会社からの若者チームとに分かれ、それに猫たちも加わり、ありとあらゆる運用をしていた。香奈は運用枠を一定にして運用している積もりだったが、運用利益の25%づつ運用枠が増えていく設定となり、運用利益の15%が運用手数料となり、運用利益の数%をシステム使用料としてごきげんソフトに支払い、運用利益の25%を運用枠拡大に使用して、税処理して、会社経費そして、寄付、少しの配当などを引いた残りを会社保留に回していた。
















運用部門だけでなく、ビル部門、実業部門も別に保留していた。香奈の猫たちの上げた利益は、最初のオタスケーの時には、年寄り運用チームの運用利益と見なしていたが、年寄り運用チームも個人別の成績がはっきりとして、若い連中も入るようになるにつれて、香奈の猫たちの運用手数料部分は別勘定の変動準備金としておき、必要な時に運用部門以外の部門が貸りる形で使用できる事にした。もう運用枠は利益の25%拡大していったので、猫用の運用枠から借りる事もなくなった。

















証券研究所、微生物研究所も指導料などで利益を貰い、スイスカナコインとしては特に運用費補填もしていなかった。計上利益の10%をスイス財団に寄付し、5%をマリア財団に寄付していたが、それ以外では、従来から金を中心として、貴金属を購入するためと云って、計上利益の一部を貴金属準備金に回していた。元々スイスカナコインは、金、つまりゴールドを保管するための組織である筈だった。香奈の隠し金庫の会社の筈だったので、当然だった。しかし、ゴールドもたまり、いつも格安の値段でもなく、価格の上がり下がりも当然あるので、それを保全するためとか云って、金の先物にも金を使いだしていた。

















この貴金属準備金は、保有する貴金属ヘッジと称して、商品相場チームが貴金属相場もしていた。商品相場チームは、この貴金属準備金も使っていた。本来の商品相場チームの利益から貴金属準備金にも繰り入れたので、準備金が利益を上げる変な準備金だった。

















従来のように全体の利益から貴金属準備金に入れるお金は、段々少なくなっていた。それ以外は、特に使用していなかった。配当は利益の5%程度しか出さず、資本準備金などの準備金も特段に大きな設定をせず、おまけに奈津美がひ孫たちから調整して出資を集め、出資金は増え、保留金は増え、運用枠は増え、色々な会社の株も保有し、売買差益以外の保有株からの配当を運用とはみなす事も止め、こっそりと運用部門で働く人の固定給を支えるように変更して、運用チームの報酬の安定化を図った。


スイスカナコインは香奈の個人資産なので、出資していると、自分たちの取り分が増えるので、みんな競って、出資していた。

















ビルも相当利益を稼いで、その金で色々と不動産投資までして、スイスカナコインのお店まで利益をだし、実業部門は税金や会社経費などを除いて、貯まってくる金を使って、事業を拡張し、その利益はちゃっかり実業部門の保留利益として、更に事業を拡大していた。

















コッソリートたちの年寄りも、株式投資以外にも、証券研究所の兄ちゃんや姉ちゃんと共に株先物やデリバティブに取り組み、証券研究所は実務的な取引の研究に取り組み、運用利益から情報料を貰い、微生物研究所はかなり高い指導料を取り、資源問題も研究して、金を貯めていた。スイスカナコインは、もはや小さいジブトラストになっていた。







各部門も運営していく上で、自然な形でリーダーを選び、自然に部門会議などを行い、運営していた。誰が統一して運営しているか判らない不思議な組織だった。

















もっとも香奈には詳細に報告していたが、香奈は無理せずにやれるなら、いいわよとか言ったので、それが承認と云う事になった。香奈の猫たちも高水準で利益を上げていたが、香奈つまり猫たちの運用手数料は、別個の勘定のままスイスカナコインの利益となり、それが変動準備金になり、各部門の新規事業に貸し出すようになっていた。なんやかやとこの変動準備金は使われ、当然、香奈にも許可を求めていたが、香奈は無理せずにやれるなら、いいわよとか言ったので、それが承認と云う事になった。

















運用部門以外の各部門も好調になって、みんなの報酬も高くなり、社長の香奈が無報酬と云うのも、各部門のチーフ、つまり役員の報酬を上げる事もできないので、一番高い部門のチーフよりも高くように内部で調整して、それを香奈の報酬と考えて、変動準備金に上乗せする事にしていた。このようにすれば、各部門のチーフも利益に応じて、報酬も貰えた。

















香奈は実際には報酬なんぞは貰わなかったが、香奈の報酬や取引での香奈つまり猫たちはいくら稼いでいる筈だと云うのも明確になっていた。これが無言のプレッシャーを与えてはいたが、香奈はなんにも言わなかった。香奈つまり猫たちは盛んに取引していたし、スイスカナコインも詳細に報告していた。当然報告は綿密に読んでいると思っていた。取引はそれを参考にしているものだったし、時には更に改良された方法で取引している時もあった。

















香奈はスイスカナコインの情報は、ざっくり呼んで、参考にしてねと神子に渡しているだけだった。香奈も取引が赤字にもならない限り、真剣に見なかった。それに桁数については読み違う癖は若い時からだった。香奈はスイスカナコインは古い小さいビルで、年寄りたちがのんびり取引しているイメージに基づいて判断していた。



香奈とコシロの子供たち No.171

2013-11-26 00:00:34 | 香奈とコシロの子供たち





香奈の家も猫ハウスに







香奈は引越して、徹と香奈は一階に住んだ。広い家だったので、猫の部屋も広い部屋にしていた。大きなお不動さんの絵やもう一つのお不動さんの絵は、今度はちゃんと架けた。猫たちの守り本尊だった。

















香奈は猫の世話はお手伝いさん任せではあったが、ある時覗くと、お腹が大きい猫や知らない猫が心配そうにお腹の大きな猫をみていた。色々な猫がいた。


チャやココは日本猫だが、やっぱり雑種だった。コシロも尾っぽは長く、日本三毛猫では雑種だと思われた。それが、ロシアンブルー、メインクーン、ヒメラニン、アメリカンショートヘアーなどの特徴のある猫も混じっていた。猫は一挙に30匹を超えて、猫の展覧会みたいになった。

















この事は、香奈の家の猫たちが質的に変貌する切っ掛けとなった。香奈は、相場とか取引だけの人でもなかったが、チャやココにとっては、香奈は相場とか取引の人のように見えた、なんとか香奈の期待通りにしようと思い、努力に努力を重ねて、相場猫になった。子供たち、いや子猫たちもそういう風に育てた。いわば相場猫の集団が、香奈の家の猫たちだった。取引適性と言うよりは、生まれながらの相場猫が、香奈の家の猫たちだった。

















子猫たちの配偶猫は、色々な経歴や才能も持っていた。単に取引だけ、相場だけの猫ではなかった。敷地内の、分岐状の水やリング状の水を飲み、急速に賢くなったとしても、取引や相場だけに興味がある訳ではなかった。ただ、生まれた子猫の子猫たちは、株屋の猫みたいなものなので、取引に関心がある子猫たちもやはり出て来て、線は細いものの、取引には天才的と言える猫たちが出てきたが、それはもう少し先の話である。

















ココの娘のココハナコが好きになったのは、どちらと言えば、引っ込み屋のラッセルだった。ラッセルは猫のくせに手先が器用だった。ココジュンは、賢そうなプレイボーイみたいなプーチンを好きになった。プーチンはなんでも知っているような賢い猫だった。ココタロウは、ハキハキとした賢い猫であるクリスが好きになった。チャタロウは家族的なステラが好きになり、リトルチャは賢いテレサが好きになった。

















配偶猫たちは、より賢くなったとは言え、相場猫ではなかった。それぞれに興味は違っていた。この時期にジブ総合研究所や大学院大学が出来たのは、まったくの偶然であったが、配偶猫たちにとっては、自分たちの興味を持つそれぞれの分野に才能や適性を伸ばす事が出来た。

















ただ、ステラとラッセルは違った。ステラは、チャタロウと子供たちに囲まれていれば、それで幸せだった。ラッセルは、引っ込み屋だったので、ジブ総合研究所や大学院大学には、行けなかった。香奈以外の人を見ても逃げるし、知らない猫を見ても逃げる猫だった。小百合と道之助が、香奈の家に遊びに来た、道之助には、何故か懐いた。道之助のレンズ研究所は、ジブ総合研究所にも入らず、依然として香奈工業団地にいる地味な研究所だったが、そこに遊びに行った。

















レンズには興味があり、色々な作業を興味深く見ていた。ココハナコは、ラッセルの事が気がかりで、猫チャンネルがありそうでなかった小百合に、ラッセルの事をそれとなく頼んでいた。小百合もそれとなく分かり、道之助にも言った。道之助も、ラッセルには何故か親近感が出て、色々とレンズの事を話した。ラッセルも大人しく、聞いていた。


レンズを研磨する作業には、強い関心をラッセルは示したが、猫の手は、レンズを研磨するのには、適性があるとは言えなかった。それでも、手振りで、レンズを研磨するような格好をしていた。道之助は、それを見て、益々ラッセルに親近感を抱いた。道之助とラッセルの間には、猫チャンネルが出来た。

















小百合とココハナコとの間には、猫チャンネルとは言えないももの、なんとなく相手の言う事が分かるような関係になっていた。小百合と道之助は、旧敷地内に家があったが、真理が新しい家に引越したので、高層マンションの大きな部屋に引っ越していた。真理も歳になり、家の中にも会長室みたいなものを作り、そにで仕事をする事も増えた。高層マンションに住む方が、毛利貴金属としての仕事にも便利だった。それに小百合も眺望が好きだったので、高層マンションの高層階に部屋を借りていた。今までの家は息子に譲っていた。こうして香奈の家の猫たちと毛利貴金属グループの真理や小百合ともそれなりの関係が出来ていた。

















一階は香奈と徹の部屋があり、徹は自分の部屋で、森の香りとかナンダカンダの芳香剤を置き、本を読んでいれば何にも言わないが、猫で溢れる家になった。お手伝いさんの手間は大変になり、お手伝いさんも猫好きのお手伝いさんを増員する事になった。香奈の猫好きはみんなに知られており、誰も何にも言わなかった。

















子猫の子猫も水や牛乳を良く飲んだ。そしてどんどん大きくなっていた。ねずみ算ならぬ猫算で猫が増え、コシロのように長生きをするとどうなると思う人も出てきた。


瑠璃もそう思った、何か言おうとしたが、猫の事になるとムキになる香奈の性格を知っていたので、黙っていた。そんな事を言えるのは恵しかいないと言う事でみんなで恵に頼みにいった。



















「本当に猫だらけね、猫も手術しないと一杯増えるわよ。」



香奈「猫も一杯いると楽しいわよ。瑠璃にも言ったんだよ。私は猫を飼うぐらいのお金は持っていると思うけど、お前はどう思う。瑠璃も奈津美も黙っていたよ。



まあ香奈さんにそう言われれば、誰もなんにも言えないよ。でもどんどん増えるよ。」



香奈 「いいわよ。いくら増えてもその程度のお金はあるわよ。庭も広いし、庭に猫はなれでもつくろうと思っているのよ。」



それを言われると誰も反論できない事は事実だろうね。



















結局、恵でも駄目と判り、香奈ファミリーは豪華高層マンションにプライベートスペースも欲しいとか言って部屋を借りる人が増えた。子猫の子猫もパソコンが好きでパソコンはやたらと増え、小さいネットカフェよりもパソコンが増えた。大きな広い部屋を猫用にしたのに、もう一部屋 大きな部屋を、猫の部屋にしてそれぞれ10台以上パソコンが並んでいた。

















ごきげんソフトも香奈のご機嫌を損なうと怖いので、高性能のパソコンとタッチパネル式のキーボートにして、そのまま置いた。しかもそれぞれの部屋には、香奈ファイナンシャルのホーム香奈とスイスカナコインの社長用が起動すると、直ぐにブートメニューになるようにセットし、それぞれの部屋にプリンターも数台セットした。要するに、スイスカナコインの別室と香奈ファイナンシャルの別室が、香奈の家に出来たようなものだった。

















大きなお不動さんの絵はスイス組の部屋に架け、もう一つのお不動さんの絵は、ちゃんと国内組の部屋に架けた。猫たちは、にゃーにゃーと、右が上、もっと高くとか色々と言った。色々と注文が煩かった。香奈も猫たちが自分たちで、取引している事が漸く判って来た。ごきげんソフトに命じて、特別仕様のパソコンにしていた。

















猫たちが取引しやすいように、パソコンにも工夫された。メインのメモリーは大きく、ごきげんソフトのジブトラスト専用のソフトがサクサク動くようにした。マウスは、猫仕様の大きなマウスになった。タッチパネル式のキーボードも大きく、猫が押しやすいように改良された。ディスプレーも猫の目にも優しいディスプレーにした。



一応リスク制限として、ココ用の口座残高が年度始めの半分になれば、一旦取引停止になるようにもした。運用はいつもいつも儲かる事はないと知っていた香奈でもあった。しかし猫たちには、自由に運用させて、国内香奈では、運用枠なんぞは決めなかった。元々猫たちが稼いだ金だった。スイスカナコインは年寄り運用チームも枠制限もあり、人間達と同様にしていた。

















元々セキュリティーはうるさい、ごきげんソフトではあるが、香奈は怖く、何も言えなかった。ただ一応対策は取った。猫の部屋のパソコンは、それぞれIDを取り、同時ログインはできるが、香奈ファイナンシャルではホーム香奈は独立した口座として、取引ログや情報ページアクセスログも独立して保管させた。



スイスカナコインでも実は猫の部屋のスイスカナコインのパソコンは社長用とは言うが、社長Bと言う架空の存在を作り、取引ログや情報ページアクセスログなども独立して保管させた。そして香奈ファイナンシャルの香奈用のパソコンでは全ての香奈ファイナンシャルの成績、出資している会社の情報などが見れるようにしていたが、それは香奈の指紋認証のある香奈の部屋のパソコンに限定していた。スイスカナコインも、情報だけの時は普通メールにして、スイスカナコイン全体の成績の報告や社長宛に判断を求めるメールは親展メールとするように求めた。

















親展メールが届くのは、香奈の指紋認証のある香奈の部屋のパソコンに限定していた。しかも猫の部屋から出すメールについては追跡プログラムとリンクするようにしていた。香奈は全く知らなかったし、猫たちも知らなかった。


要するに猫の部屋のパソコンは取引は、運用枠内での運用は可能だし、情報もみれるが、外部へのアクセスはすべて監視され、組織全体の成績は判らないように設定していた。要するに猫たちの取引は、まったく独立しているようなシステムになっていた。

















香奈が何か言ってくればその時考えようとしていた。スイスカナコインに、情報以外の判断を求めるメールは、トップシークレットの親展メールで出すように求めていた。香奈にもトップシークレットの親展メールは読んでくださいと言っていた。

















そして香奈宛の親展メールが届いた。コッソリートの作った証券会社を買収したいと言うものだった。「これはコッソリートさんからの依頼に基づくもので、スイスカナコインからの提案ではない。買収はスイスカナコインの余剰金で行えるが、各方面への影響、今後のスイスカナコインの体制等については添付ファイルをご参照ください。」と云う内容だった。

















香奈は添付ファイルなんか見ずに、直ぐに返信した。


「いいけどコッソリートは元気なの、なんか金が要る事があるの、必要なら金かすよ」と返事した。


翌日、


「コッソリートさんは元気で、牧場の近くに隠居しています。コッソリートさん自身、かなりの運用手数料を稼いでいます。何か相続問題が気がかりで、スイスカナコインに運営を見て欲しいとの事でした。」との返事があった。



香奈は、「それならいいけどコッソリート一族にも株を持ってもらうようにしなさいよ、コッソリートの作った会社なんだからどの方法かいいか、弁護士や税理士もよんで検討しなさい。連中はそんな事を考えて、金取るプロだよ。」と返信し、暫く経って、スイスカナコインから、コッソリートさんのお子さんで現社長をつれて、日本に行ってご説明してサインをいただきますと連絡があった。



そして参考資料として本にもなりそうなファイルが添付されていた。印刷したら、インク切れになりそうな厚い資料だった。香奈はとても読む気にならず、スイスカナコインはなんとかやってるのと聞いた。スイスカナコインからは順調です、詳しくはお会してご説明しますと言ってきた。







香奈は今までスイスカナコインからの情報だけは、神子に参考になればと渡していた。香奈は今度も本のような資料を印刷もせず、メモリースティックにファイルを取り、神子に渡した。