のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.2251

2022-07-13 00:53:56 | 新しい子猫たち 
あの子の将棋は 天才肌 才能だけではなくて効率よく努力する事が出来る。ただ人を馬鹿にするとは言い過ぎだったが 努力もしない 才能も感じない奴らには ある程度距離を置くのだ。真摯に努力している あの棋士にはあの子も真摯に答えるが 世の中はそんなに真摯に努力する奴は少ない。結局 あの子には近寄り難い雰囲気が出来てしまった

どうしたら 効率よく努力できるかが本当は重要なんだったが あの子は自然とそれが出来てしまっていた。

それにもう一つ あの子には生活の苦労がそもそもなかった。曽祖父のジイサンは家系がそもそも資産家の家系、株だ 土地だ 山だ と持っている。資産家の家系だから ジブトラスト とか 神之助の組織とも近く、ジブシティーに越してこられたのだ

しかもあの家系は代々 子供が少ない家系なので 早く結婚させるのが続いていた。エンゼルホープ病院の大阪の院長代行になっている息子、あの子にとっては祖父も 大学生の時に結婚し 子供も出来ていた。みんな早く結婚するのが普通、生活の面倒は親がみる、資産家だから出来る事ではあったが 曽祖父と言っても 若く しかも魔法の里に近づいているジブシティーに住んで 益々若く元気になっていた。

あの子のためとは云え、持ち山からレアメタルが取れた。これは医療目的のレアメタルの元祖とは言われていて 使用量は少なくてもよく効く、単なる腰痛なら 一回飲めば治ってしまう。いつしか有名になって世界に向けて輸出していた。しかも当時日中で貿易問題が起こったが 中国のエライさんが腰痛になって、その薬を一回 飲んで直ぐに治った。香奈オフィスは関税がナンダカンダと騒いでいたが気にせずに中国に輸出した、そのエライさんも考える事があって 医療目的の物品には関税を撤廃しようと 日本の陽太の後継のオッサンとも話し合って解決していた。

そしてあの薬と云うかレアメタルは世界に輸出されていた。良く効くレアメタルなので 副作用は報告されていないが 使用量は少なくしよう、こんなに良く効くレアメタルは大切な資源という意識が強かった。事実レアメタルは世界中で採れたが 医療目的のレアメタルはそんなには出てこない。普通のレアメタルを加工していくのは物凄く大変なのだった。

あの山のレアメタルは豊富だったが 世界の人たちが大切に使い、いまだに採れているレアメタルで世界の需要をケアしている。つまり まだ あの曽祖父のジイサンにはがっぽりと入っていた

あのジイサンはあの子を可愛がった。新しくできた高層マンションの ワンフロワーを買い切ってしまった。あの子だけではなく ひ孫たちをそこに住まわせた。あの子と言っても今は大学院の博士課程なんだったが 神之助の組織の社員でもあって 報酬は軽く 憶を超えていたが、あのジイサンのマンションのワンフロワーの一室に住んで 生活の面倒と云うか生活するための金は全てジイサンが出していた。しかもあの子だけでなく ひ孫たちすべて その親たちも一部ここに住んでいる

あの子は 浮世離れしている人なのだ。生活の苦労なんぞは経験した事がそもそもない。しかもみんなはあの子の難病が気持ちの根底にあった。それが治って みんなほっとしていた。資産家だったし、金の意識はそもそもない、それに治ったといっても今後の注意も大切と主治医もいい、祖父にあたる院長代行もいっていた。金は一杯あるし、あの子も含めて周囲の注意は全てそこに向かっていた

そして将棋の才能は飛び切りだった。エラソーにはしないが真摯に努力しない人がいるなんて そもそも考えられないタイプだった。

人に教えるのに これほど不向きな人はいないのだ。

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