のら猫の三文小説

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香奈とコシロの子供たち No.171

2013-11-26 00:00:34 | 香奈とコシロの子供たち





香奈の家も猫ハウスに







香奈は引越して、徹と香奈は一階に住んだ。広い家だったので、猫の部屋も広い部屋にしていた。大きなお不動さんの絵やもう一つのお不動さんの絵は、今度はちゃんと架けた。猫たちの守り本尊だった。

















香奈は猫の世話はお手伝いさん任せではあったが、ある時覗くと、お腹が大きい猫や知らない猫が心配そうにお腹の大きな猫をみていた。色々な猫がいた。


チャやココは日本猫だが、やっぱり雑種だった。コシロも尾っぽは長く、日本三毛猫では雑種だと思われた。それが、ロシアンブルー、メインクーン、ヒメラニン、アメリカンショートヘアーなどの特徴のある猫も混じっていた。猫は一挙に30匹を超えて、猫の展覧会みたいになった。

















この事は、香奈の家の猫たちが質的に変貌する切っ掛けとなった。香奈は、相場とか取引だけの人でもなかったが、チャやココにとっては、香奈は相場とか取引の人のように見えた、なんとか香奈の期待通りにしようと思い、努力に努力を重ねて、相場猫になった。子供たち、いや子猫たちもそういう風に育てた。いわば相場猫の集団が、香奈の家の猫たちだった。取引適性と言うよりは、生まれながらの相場猫が、香奈の家の猫たちだった。

















子猫たちの配偶猫は、色々な経歴や才能も持っていた。単に取引だけ、相場だけの猫ではなかった。敷地内の、分岐状の水やリング状の水を飲み、急速に賢くなったとしても、取引や相場だけに興味がある訳ではなかった。ただ、生まれた子猫の子猫たちは、株屋の猫みたいなものなので、取引に関心がある子猫たちもやはり出て来て、線は細いものの、取引には天才的と言える猫たちが出てきたが、それはもう少し先の話である。

















ココの娘のココハナコが好きになったのは、どちらと言えば、引っ込み屋のラッセルだった。ラッセルは猫のくせに手先が器用だった。ココジュンは、賢そうなプレイボーイみたいなプーチンを好きになった。プーチンはなんでも知っているような賢い猫だった。ココタロウは、ハキハキとした賢い猫であるクリスが好きになった。チャタロウは家族的なステラが好きになり、リトルチャは賢いテレサが好きになった。

















配偶猫たちは、より賢くなったとは言え、相場猫ではなかった。それぞれに興味は違っていた。この時期にジブ総合研究所や大学院大学が出来たのは、まったくの偶然であったが、配偶猫たちにとっては、自分たちの興味を持つそれぞれの分野に才能や適性を伸ばす事が出来た。

















ただ、ステラとラッセルは違った。ステラは、チャタロウと子供たちに囲まれていれば、それで幸せだった。ラッセルは、引っ込み屋だったので、ジブ総合研究所や大学院大学には、行けなかった。香奈以外の人を見ても逃げるし、知らない猫を見ても逃げる猫だった。小百合と道之助が、香奈の家に遊びに来た、道之助には、何故か懐いた。道之助のレンズ研究所は、ジブ総合研究所にも入らず、依然として香奈工業団地にいる地味な研究所だったが、そこに遊びに行った。

















レンズには興味があり、色々な作業を興味深く見ていた。ココハナコは、ラッセルの事が気がかりで、猫チャンネルがありそうでなかった小百合に、ラッセルの事をそれとなく頼んでいた。小百合もそれとなく分かり、道之助にも言った。道之助も、ラッセルには何故か親近感が出て、色々とレンズの事を話した。ラッセルも大人しく、聞いていた。


レンズを研磨する作業には、強い関心をラッセルは示したが、猫の手は、レンズを研磨するのには、適性があるとは言えなかった。それでも、手振りで、レンズを研磨するような格好をしていた。道之助は、それを見て、益々ラッセルに親近感を抱いた。道之助とラッセルの間には、猫チャンネルが出来た。

















小百合とココハナコとの間には、猫チャンネルとは言えないももの、なんとなく相手の言う事が分かるような関係になっていた。小百合と道之助は、旧敷地内に家があったが、真理が新しい家に引越したので、高層マンションの大きな部屋に引っ越していた。真理も歳になり、家の中にも会長室みたいなものを作り、そにで仕事をする事も増えた。高層マンションに住む方が、毛利貴金属としての仕事にも便利だった。それに小百合も眺望が好きだったので、高層マンションの高層階に部屋を借りていた。今までの家は息子に譲っていた。こうして香奈の家の猫たちと毛利貴金属グループの真理や小百合ともそれなりの関係が出来ていた。

















一階は香奈と徹の部屋があり、徹は自分の部屋で、森の香りとかナンダカンダの芳香剤を置き、本を読んでいれば何にも言わないが、猫で溢れる家になった。お手伝いさんの手間は大変になり、お手伝いさんも猫好きのお手伝いさんを増員する事になった。香奈の猫好きはみんなに知られており、誰も何にも言わなかった。

















子猫の子猫も水や牛乳を良く飲んだ。そしてどんどん大きくなっていた。ねずみ算ならぬ猫算で猫が増え、コシロのように長生きをするとどうなると思う人も出てきた。


瑠璃もそう思った、何か言おうとしたが、猫の事になるとムキになる香奈の性格を知っていたので、黙っていた。そんな事を言えるのは恵しかいないと言う事でみんなで恵に頼みにいった。



















「本当に猫だらけね、猫も手術しないと一杯増えるわよ。」



香奈「猫も一杯いると楽しいわよ。瑠璃にも言ったんだよ。私は猫を飼うぐらいのお金は持っていると思うけど、お前はどう思う。瑠璃も奈津美も黙っていたよ。



まあ香奈さんにそう言われれば、誰もなんにも言えないよ。でもどんどん増えるよ。」



香奈 「いいわよ。いくら増えてもその程度のお金はあるわよ。庭も広いし、庭に猫はなれでもつくろうと思っているのよ。」



それを言われると誰も反論できない事は事実だろうね。



















結局、恵でも駄目と判り、香奈ファミリーは豪華高層マンションにプライベートスペースも欲しいとか言って部屋を借りる人が増えた。子猫の子猫もパソコンが好きでパソコンはやたらと増え、小さいネットカフェよりもパソコンが増えた。大きな広い部屋を猫用にしたのに、もう一部屋 大きな部屋を、猫の部屋にしてそれぞれ10台以上パソコンが並んでいた。

















ごきげんソフトも香奈のご機嫌を損なうと怖いので、高性能のパソコンとタッチパネル式のキーボートにして、そのまま置いた。しかもそれぞれの部屋には、香奈ファイナンシャルのホーム香奈とスイスカナコインの社長用が起動すると、直ぐにブートメニューになるようにセットし、それぞれの部屋にプリンターも数台セットした。要するに、スイスカナコインの別室と香奈ファイナンシャルの別室が、香奈の家に出来たようなものだった。

















大きなお不動さんの絵はスイス組の部屋に架け、もう一つのお不動さんの絵は、ちゃんと国内組の部屋に架けた。猫たちは、にゃーにゃーと、右が上、もっと高くとか色々と言った。色々と注文が煩かった。香奈も猫たちが自分たちで、取引している事が漸く判って来た。ごきげんソフトに命じて、特別仕様のパソコンにしていた。

















猫たちが取引しやすいように、パソコンにも工夫された。メインのメモリーは大きく、ごきげんソフトのジブトラスト専用のソフトがサクサク動くようにした。マウスは、猫仕様の大きなマウスになった。タッチパネル式のキーボードも大きく、猫が押しやすいように改良された。ディスプレーも猫の目にも優しいディスプレーにした。



一応リスク制限として、ココ用の口座残高が年度始めの半分になれば、一旦取引停止になるようにもした。運用はいつもいつも儲かる事はないと知っていた香奈でもあった。しかし猫たちには、自由に運用させて、国内香奈では、運用枠なんぞは決めなかった。元々猫たちが稼いだ金だった。スイスカナコインは年寄り運用チームも枠制限もあり、人間達と同様にしていた。

















元々セキュリティーはうるさい、ごきげんソフトではあるが、香奈は怖く、何も言えなかった。ただ一応対策は取った。猫の部屋のパソコンは、それぞれIDを取り、同時ログインはできるが、香奈ファイナンシャルではホーム香奈は独立した口座として、取引ログや情報ページアクセスログも独立して保管させた。



スイスカナコインでも実は猫の部屋のスイスカナコインのパソコンは社長用とは言うが、社長Bと言う架空の存在を作り、取引ログや情報ページアクセスログなども独立して保管させた。そして香奈ファイナンシャルの香奈用のパソコンでは全ての香奈ファイナンシャルの成績、出資している会社の情報などが見れるようにしていたが、それは香奈の指紋認証のある香奈の部屋のパソコンに限定していた。スイスカナコインも、情報だけの時は普通メールにして、スイスカナコイン全体の成績の報告や社長宛に判断を求めるメールは親展メールとするように求めた。

















親展メールが届くのは、香奈の指紋認証のある香奈の部屋のパソコンに限定していた。しかも猫の部屋から出すメールについては追跡プログラムとリンクするようにしていた。香奈は全く知らなかったし、猫たちも知らなかった。


要するに猫の部屋のパソコンは取引は、運用枠内での運用は可能だし、情報もみれるが、外部へのアクセスはすべて監視され、組織全体の成績は判らないように設定していた。要するに猫たちの取引は、まったく独立しているようなシステムになっていた。

















香奈が何か言ってくればその時考えようとしていた。スイスカナコインに、情報以外の判断を求めるメールは、トップシークレットの親展メールで出すように求めていた。香奈にもトップシークレットの親展メールは読んでくださいと言っていた。

















そして香奈宛の親展メールが届いた。コッソリートの作った証券会社を買収したいと言うものだった。「これはコッソリートさんからの依頼に基づくもので、スイスカナコインからの提案ではない。買収はスイスカナコインの余剰金で行えるが、各方面への影響、今後のスイスカナコインの体制等については添付ファイルをご参照ください。」と云う内容だった。

















香奈は添付ファイルなんか見ずに、直ぐに返信した。


「いいけどコッソリートは元気なの、なんか金が要る事があるの、必要なら金かすよ」と返事した。


翌日、


「コッソリートさんは元気で、牧場の近くに隠居しています。コッソリートさん自身、かなりの運用手数料を稼いでいます。何か相続問題が気がかりで、スイスカナコインに運営を見て欲しいとの事でした。」との返事があった。



香奈は、「それならいいけどコッソリート一族にも株を持ってもらうようにしなさいよ、コッソリートの作った会社なんだからどの方法かいいか、弁護士や税理士もよんで検討しなさい。連中はそんな事を考えて、金取るプロだよ。」と返信し、暫く経って、スイスカナコインから、コッソリートさんのお子さんで現社長をつれて、日本に行ってご説明してサインをいただきますと連絡があった。



そして参考資料として本にもなりそうなファイルが添付されていた。印刷したら、インク切れになりそうな厚い資料だった。香奈はとても読む気にならず、スイスカナコインはなんとかやってるのと聞いた。スイスカナコインからは順調です、詳しくはお会してご説明しますと言ってきた。







香奈は今までスイスカナコインからの情報だけは、神子に参考になればと渡していた。香奈は今度も本のような資料を印刷もせず、メモリースティックにファイルを取り、神子に渡した。









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