のら猫の三文小説

のら猫が書いている、小説です。
質問があれば
gmailのnaosukikan
まで連絡ください

香奈とコシロの子供たち No.166

2013-11-21 00:00:00 | 香奈とコシロの子供たち

金を作る細菌ではなく、

金を食べる細菌が見つかった






ホラフキーは、博打で借金を作り、借金の返済を迫られ、研究所の事務所の金庫から運営費の金を持って逃げた。逃げられたスイスコインの年寄り運用チームはホラフキーの残した細菌を残った研究所の人たちに取りあえず調べて貰い研究を続けさせ、持ち逃げされた運営費を取り戻すために、運用で稼ぐ事になった。


ホラフキーは逃げたが、幾つの新種の細菌は残っていた。研究所の人は、これらの菌について調べた。すると変わり種の細菌もいて、ごくわずかしか含まれない土壌の中の金を食べ、体内に金を蓄積する、金の好きな菌がいた。


廃鉱の中の鉱石を粉砕して、この菌の培養液を振りかけると細菌が勝手に金を食べ、細胞内に金を蓄積して、細胞内に金を蓄積しすぎて死に、あちらこちらに金が出来た。人と同じように金に取り憑かれた、金の好きな菌は繁殖力が強く、そころ中の金を食べ、おまけに情け容赦もなく、死んだ仲間の細胞まで食べ、金はドンドン細胞内に蓄積し、食い過ぎて死に、又それをエサにして金に取り憑かれた菌が増えていくと云う循環を繰り返した。


金の廃鉱は金の山に変わった。ホラフキーのほらは、現実に変わった。それを聞いた遺伝子研究センターは、この菌の遺伝子を調べた。するとこの金好きの菌の遺伝子を組み替えると、レアメタル好きの菌も出来る可能性もあり、レアメタルの採掘も画期的に革新する可能性があった。



スイスカナコイン微生物研究所が、ついに金を食べる菌を見つけたのは、まったくの偶然だった。執念の研究の結果と香奈には報告していたが、実は全くの偶然だった。ホラフキーの研究室を片付けているとunknownと書かれたシャーレーがあり、どんな細菌かと興味を持った人が培養するとうまくいかない。


躍起になって条件を変えて培養していた。性質を調べようと大量培養し、そのフラスコを本研究所に持って帰ろうとしたら、フラスコを廃坑の壁に当てて、割ってしまった。



仕方ないので、もう一度大量培養していた。次にホラフキーの研究室に来ると、廃坑が金色に光っていた。それだけの事を脚色して香奈に伝えていた。



屑拾いの瑠璃は、金の旧鉱山で早速試してみた。すると枯れた筈の金の旧鉱山は、金がきらきら光る鉱山に変わっていた。瑠璃は、至る所の金の旧鉱山を快適を通して集めた。



スイスカナコイン微生物研究所は、ワインや乳製品の研究をしたいと云う変人を残して、鉱山関係の有用微生物研究に特化してきた。変人は、研究チームの人数が少ないので、仕方なく、ワイン工場、牧場、乳業会社と連絡を取り、ブラジルの総合食品研究所、快適農作物研究所などとも連絡を取りながら、研究を進めた。


金を作る細菌を探す事が、研究所の建前だったのに、それも知ろうとしない変人だった。それでも腐りかけたようなワイン工場のワインは美味しくなったし、ワイン用のブドウもいいものになっていった。それぞれ研究所と云っても指導料とか言って金を取り、少しずつ研究チームも増えてきた。



スイスカナコインは、金の保管所を買う時に思い切り広く買い、ワイン工場やぶどう畑まで買い、山間部にエンジェルスターを栽培し、小さい池の周りにパワースターを栽培していた。


これらの薬草を製薬に売ろうとセコイ考えも持っていたが、その場しのぎの株屋の考えなので、すぐに忘れ、手入れもしなかった。エンジェルスターは、やたらと繁殖する薬草なのに、収穫しないと、やたらと繁殖する薬草でもあり、パワースターもそれこそ竹のように勝手に根を張る植物だった。結局、メッタヤタラと繁殖していた。


分岐状の水が地下にしみ込み、葉からも空中に分岐状の水やリング状の水が放出され、そして、ぶどうの中に入り、ワインになった。牧場の乳牛も分岐状の水やリング状の水を飲み、牛乳の中にも当然あった。



乳業会社の牛乳は美味しくなり、牧場も工場も大きくなり、乳製品も作り出した。イタリアの食品会社の牧場や養豚場にも、エンジェルスターもパワースターも栽培して、チーズも生ハムも美味しくなっていた。スイスコインの運用チームは年寄りだったが、ワインは好きで良く飲んだ。牧場で取れた牛乳もコーヒーに入れて飲んだ。イタリアのチーズや生ハムそしてドイツのチーズペーストはみんなの大好物だった。