のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.447

2015-04-30 00:00:39 | 新しい子猫たち 

ジブトラストの

遺伝子研究センター その4






ジブトラストの遺伝子研究センターは、大儲けしていたので、研究者の報酬は高かった。研究している部門が儲けているかは関係なかった、元々難病奇病の子供や胎児の遺伝性疾患を研究するための研究センターで、育種とか植物の方が付けたしとは云えた。



ただ研究センターの責任者が初期の頃から、収入がないと寂しいと云って、始めた育種の部門だった。そして植物へと波及したが、研究の結果どれほど儲けたかによって、報酬はカワランシステムだった。



特許取った時は、いくらか還元する約束だったが。特許をあえて取らないものもあって、そんな事は関係なしに高額の報酬を約束されていた。どんな大学、研究機関の報酬の軽く倍はあった。



研究者の約束は、部外者に研究を漏らさないと云うものでエンジェルホープ病院の研究センターは、元の冶部産科婦人科小児科病院の時代から、このシステムはよく知っていて、臨床の結果だけを報告するのだった。



薬の効能のシステムなどを知るよりも難病奇病のどれにどれだけ効能があるかを研究するので手が一杯とも言えた





遺伝子研究センターの種子ビジネスは、数多くの子会社を作り、合弁会社も作ったが、出資比率は、半分以上として、利益の処分を自由にできるようにした。利益分散のシステムだった



香奈も遺伝子研究センターの子会社群をまとめた利益を当然みていた。ジブ総研の企業分析センターは、そんな分析のプロとも云えた。ただ利益処分権が弱い、出資比率が50%以下の会社は除いた、なにしろ子会社の数は多かった。そしてそんな会社の利益はそれほどたいした事もなかった。



利益分散は図るためのシステムだったので、利益の処分権がない会社に多くの利益を渡す必要もなかったからだ



この時大儲けがあったので、遺伝子分析センターのビジネス部門は、リトルチャグループのアニマルクリニックと育種部門で提携していたが、合弁子会社の出資比率はアニマルクリニックの方が多かった。



リトルチャグループのアニマルクリニックは、結局は資本としては、香奈ファイナンシャルに属するもので、いわば香奈と香奈一族の会社とも言えた





ビジネス部門の奴らは考えた、アニマルクリニックとも話して、利益の回収にも相談に乗る事をアニマルクリニックの奴らも約束して、急増していた利益の相当部分は、この合弁会社に流れる事になった


新しい子猫たち No.446

2015-04-29 00:00:05 | 新しい子猫たち 

ジブトラストの


遺伝子研究センター その3






ジブトラストの遺伝子分析センターには香奈は実は不信の気持ちを持っていた





理由は単純だった。儲けすぎているからだった。





香奈はゼニは好きだったが、母の和子から、人を苦しめてゼニ稼いでもアブク銭になると言われ続けていた





香奈が投機で稼いだのを苦々しく思っていた和子だった





元々、遺伝子分析センターは、難病奇病で困っている人たち、子供たちそして遺伝子関係の問題で、この世に生まれる事ができない胎児を何とかしようと作ったセンターの筈だった








種子の研究をするのも、世界の人に食料の不安をさせないようにするのが目的だった筈だったのに、種子ビジネスで大儲けするためではなかった。





食い物の恨みをかうような事をしていないだろうねと香奈はいつも云っていた。セコク金儲けようと作ったセンターではないのだから。そんなゼニ儲けしていると、ジブトラスト全体に影響が出てくると云っていた





遺伝子分析センターのビジネス部門は、必死になって反論していた。





安い価格で世界の種子ビジネスを独占して、値段設定を自由にすれば、儲かりますけど、それではイカンと思って、業界を育成するために、他の業者も儲かるように価格設定しているのです。香奈オフィスの奈津美さんも、エネルギー独占はイカンといって、他の業者も儲けられる価格設定しているでしょう





香奈は理屈はそうだろうけど、食い物で人の恨みかうような事はしないでね。


天知る地知る人ぞ知る、結局それはジブトラスト全体へ跳ね返り、影響が出てくるからね
とクドイ程言っていた





ところが新しいレアメタル効果は絶大だった。種子ビジネスでは種子の品質は上がり、処理する価格は減った。





オマケにリトルチャグループと組んだ動物グループでも育種が飛躍的にすすみ、儲けが増えてきた





ビジネス部門は却って、焦った、又香奈からナンダカンダと言われかねない。 


新しい子猫たち No.445

2015-04-28 00:00:41 | 新しい子猫たち 

ジブトラストの


遺伝子研究センター その2






新しいレアメタルの効果は絶大だった。人間への応用は、元々根治が難しい難病や奇病そして遺伝子欠損などが対象だったので、製薬と共に、純度の高い、新しいレアメタルで研究していた。





植物と動物チームはその研究結果を聞きながら、価格が安い、つまり純度の低い、新しいレアメタルで研究していた








遺伝子研究センターは、純度の違いによる効能は知りうる立場だったが、研究対象も違い、研究チームも違うので、深く認識はしていなかった





ただクリスだけには、一応研究成果は報告していた。クリスは単に報告受けるだけではなくて。鋭い指摘もして、研究は進むのだった








杉山たちのエンジェルホープジャパン病院の遺伝子治療センターは、純品の新しいレアメタルではなくて、葉緑素と結合して化合物での研究だった。





研究センターも同じ病院ではあるが、やはり部署が違うと、杉山には詳しくは判らなかった





もう一つ、クリス研究所とは違うものの、製薬からサンプルの提供を受けて、天野も精神病、とくにうつ病の患者への研究を進めていた。これは葉緑素との結合体ではあった。天野は学会発表もしたが、学会も違い、倣岸不遜の東大卒の天野と地方大学卒業の杉山とは肌合いも違い、親しくはなかった。





研究はリトルホワイトも関与していて、リトルホワイト経由で、クリスには連絡があった








クリスだけは、全ての研究成果が判る立場だった。 


新しい子猫たち No.444

2015-04-27 00:00:42 | 新しい子猫たち 

ジブトラストの


遺伝子研究センター






ここは知財対策がもっとも進んでいるセンターでそれがこのセンターの命ともいえた





莫大な研究費が負担できたのは、主に植物チームの種子についての研究成果だった。





動物と人間への応用を考えるグループは別の筈だったが、まず最初に知財対策をする事がセンターの掟ともいえた





人間への応用は、エンジェルホープジャパン病院の研究センターの医師たちと共同して行っていて、臨床関係のデータについては、研究センターは臨床報告はするものの、効用メカニズムとか遺伝子への影響なぞは、遺伝子研究センターの研究者が考え、研究していた








このセンターの研究者の報酬は高く、研究整備は整っているが、部外には話をしない契約だった。余程の事がないと学会発表もしない。知財対策で必要となる時だけ、学会発表するだけだった。





新しいレアメタルの遺伝子改良効果は凄まじいものがあって、人間だけでなく、他の動物と植物チームも刺激を受けていた








種子ビジネスは、ほとんど、ジブトラストの遺伝子研究センター系の種苗会社が実質的には独占していたが、完全独占するとビジネス環境としてはかえって不利益になるので、周辺特許はゼニもらって公開して、一番安くできるのに、業界考えて、そこそこの値段で売っていた





結局は大儲けしていた。


新しい子猫たち No.443

2015-04-26 00:00:35 | 新しい子猫たち 

新しいレアメタル  


そのニ





クリスたちの医療担当の猫たちは、いわば複雑な体系であった。





スイスにも、ココとチャの兄弟と云うか姉妹の猫がいて、超高齢の猫がいた。やっぱり弱ってきて、子供、孫、ひ孫たちの猫はみんな心配していた。





クリスの薬でココが元気になった事を知って、クリスらにも接触があって、スイスカナコインの医学研究所で同様の薬を作ってもらい、高齢猫たちはみんな飲んだ。それは敷地内と同様だったが、スイスの猫たちもやっぱり医学に強い猫も必要と思って、育成していた。





スイスカナコイン医学研究所にも、別室を作ってもらっていた





スイスではコッソリートはやはり大物だったので、コッソリートたちも香奈たちと同様にクリスの薬を飲んで、元気になって、この別室創設に応援した。けっして猫たちのためだけの施設でもなかった。





スイスカナコイングループのスイスでの大物としてコッソリートは存在感があった、香奈と個人的に連絡を取れる人としてのコッソリートの影響力は強かった。そしてコッソリートは、香奈の意向を聞いて猫たちに甘かった。





スイスカナコイン医学研究所とクリスとの連絡ルートは、猫たちしか判らなかった





クリス側近の猫たちは、スイスともよく連絡を取って行われていた





クリスの下には猫たちだけのネットワークの他に





エンジェルホープジャパン病院の遺伝子治療センターのグループ





安倍製薬のグループ






ジブトラストの遺伝子研究センターからのグループ





などか並列していた





遺伝子治療センターのグループは、杉山にはなんでも報告するが、他のグループは肝心な所は報告しなかった。





安倍製薬は、杉山が発表をせかすので、前回発表後に、基本特許の幾つかは、スイスカナコイン医学研究所とフランスアベ製薬のグループに取られていた。それに懲りて、十分な知財対策しないで、発表しようとする杉山を警戒していた





遺伝子研究センターも実は同じような問題を抱えていたが、もっと話は複雑だった





要するに、杉山でさえ、研究の全貌はわからず、クリスは人間たちの研究もわかり


スイスの猫たち、それにつながるスイスカナコイン医学研究所の研究も判る立場だった





スイスとのやりとりも全部貰うだけではなくて、クリスはやっぱり見返りも渡していた





クリスにとっては知財よりも高度な研究をしたいと思う猫だったし、ぺらぺらと喋る猫でもなかった