超特大の大波乱が起きた!
ジブトラスト本体も好調で、子会社、孫会社も儲けて、直属の子会社も儲けて、お金が貯まり、金融センターにもお金が一杯になっていた。カミカミファイナンシャル、香奈ファイナンシャルそして不動ファイナンシャルまでも大きな現金を持ち、大きく稼いでいる時に、相場が変調をきたした。
始めは、簡単な調整下げのように見えた。神子や神代も下げが続くとお告げをだしていた。警戒レターが出て、各相場では売りのトーンを強めながら、みんなで注意していた。チャも売れ売れと云った表情をして、香奈もスイスコインに売りの指示を出した。
切人から、ヨーロッパの銀行が危ないと連絡が入り、神之助からどっかが大損しているとの連絡も入った。やたらと商品相場で損切りと思われる売りを出す、為替も円安基調なのに円を大幅に買っている所がある。よほど大損していると思うとの連絡があった。株式相場は軟調なのに先物の買残が増えているとの連絡もあった。神子や神代も協議して、暫く各相場とも大幅な下落が続くとお告げを出した。急遽、緊急レターがジブ社内で飛び交い、直属の子会社、子会社や孫会社にも連絡がいった。これはどこかの証券会社とか大きな運用会社が苦しいと思い、緊急処置として全力で売りの基調を強めた。売れる株は売ったし、信用でも売った。先物も売りが増えた。その相手は苦し紛れに無謀な買いをして、相場は時々上がり、そして少しずつ下がっていった。
ヨーロッパの銀行が突然破綻し、ヨーロッパの株式が大きく下げ、アメリカも日本も釣られて下げだした。ヨーロッパの銀行は元々放漫経営なので、影響は限定的だった筈が、もうひとつの大きな銀行の関連する証券会社の巨額損失が明るみになり、もう一つの大きな銀行のスキャンダルも出た。政界にも波及し、もう一つの大きな銀行と財務大臣との黒い約束まで明らかになり、とても政府支援も出来なくなった。関係会社も多く、流石に会社更生法の適用まではいかないとみんなが思っていたのが裏目に出て、20兆だ、30兆だと噂された損失を証券会社が抱えて、銀行も信じられない事に、証券会社が海外の銀行から融資して貰った時の債務保証をしていた。連立していた大きな政党からは、収賄の逮捕者が続いた。財務大臣と金融庁の大臣まで逮捕の噂が出た。
日本発の世界的な金融システムの不安もでた。国家と思える程大きな銀行の信用不安と証券会社の信用破綻で、株価を初め、各相場は10日間下げに下げた、まだ時々一瞬大きく上がる局面もあったが、その後はそれ以上に下がっていった。その証券会社の赤字は大きく増え、それが下げを加速していった。円も、70円台から久しぶりに90円を超えた。
ジブもカミカミも香奈ファイナンシャルそして不動ファイナンシャルも、子会社や孫会社などのジブ関連は揃って、回転売りを続けていたが、2週間ほどたってから、手じまいをはじめた。株価も各相場も峠を越えてきた。
証券会社は自主解散を予定し、もう一つの大きな銀行の動向も話題になってきた。解散を渋っていた内閣も、離党者が増えて新党を作りだし、大連立も分裂して、ついに解散になった。経済対策は、何も手を打てなくなっていた。ジブ関連の利益は、誰も分からなかった。
恵「昨日のテレビでは、ジブが動かないと国が危ないと言っていたよ。」
香奈「そんな事いっても動きようがないのよ。沙織さんは、不動ファイナンシャルとして、もう一つの大きな銀行の株を8円で買い支えしているけど、負債が分からないのよ。それに一族の銀行もあるし、手が出せないの。」
恵「ジブの儲けで債務保証をすれば、風向きは変わるとどこかのおっさんは言っていたよ。ジブの儲けは、30兆にもなっている筈とも言ってたよ。」
香奈「単なる憶測だよ。」
恵「いくらなんでもそんな事はないわね。」
香奈「私も良く分からないのよ。集計させているけど、動いているから、ジブで35兆、香奈で15兆程度だろう。不動で2兆程度、カミカミは神太朗君がまとめているけど、ジブと同じ程度じゃないの。」
恵「強烈な儲けだね。」
香奈「最後に苦し紛れに、あそこが無茶な買いをしたのよ。それを我々が、上がった所でみんなで売ったの。アメリカマーケットでの儲けも大きかったし、為替は驚異的だったわ。為替は値幅制限もないのよ。どうも俊司君が絡んでいるらしいわ。」