のら猫の三文小説

のら猫が書いている、小説です。
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新しい子猫たち No.862

2016-07-31 00:00:11 | 新しい子猫たち 




ただ 又しても 変更が起きて 小夜が最初に言ったよりも話は大かがりになってしまった





小夜にしても敷地の外には出られないので 治部ビルの小夜側近をリーダーとする調査チームを出した


一応 瑠璃興業系のアメリカのファーストフードやレストランも使いたいので 瑠璃には 頼むよと小夜が言っていた。瑠璃は奈津美にも当然声をかけた。アメリカの香奈オフィスのトップは瑠璃興業系の人だったが、ソイツは奈津美さんにも一応声かけてくださいというので、 瑠璃も従った。





奈津美はアメリカは瑠璃興業系の強い国である事は知っていたが、一応 香奈オフィスで動くのに、資源探査チームを出さないとオカシイと思い、資源探査チームも出す事にした。





香奈オフィスはファーストフードのチェーン展開したり、レストランを展開している会社ではないのだという自負もあった。あれはアメリカの瑠璃興業がしているビジネスに過ぎんという思いもあった





この時の資源探査チームには、かなりの技術屋も加わっていた














新しい子猫たち No.861

2016-07-30 00:00:04 | 新しい子猫たち 

正人は 社会保障関係の一つを会社内部に取り組み、儲けはないだろうが ビジネスのような形にして大部分 は 外部の社会福祉財団に残し 資産管理会社として 寄付する事を考えていて、香奈ファイナンシャルの海外部門にも 同じようにいった









正人にとっては 恰好の体裁作りとして考えていた














財団の海外部 と 香奈ファイナンシャルの海外部 だけの話なら その方向でまとまっただろう









ただここで 小夜が入ってきたので まったく予想もつかない事になった









小夜はタックス・ヘイブン 内に いわばジブシティーのようなものを作ろうと提案していた。




ビルの中核は治部ビルが用意して そこにいくつかの企業部門と社会福祉施設を集約して入れる









瑠璃興業系のファーストフードやレストランまで入れて全体としての活性化を図るというものだった









ただジブシティーといっても 小さいもので ビルもそんなに大きくはなかった。









香奈ファイナンシャルとしての出費は大きくなって慌てた海外部門は正人に聞いたが、さすが正人であった。




小夜からの提案と聞いて 仕方ないね といっただけだった









小夜は当初結構大きな計画を立てて かなりの金額をタックスヘイブンに持ち出し、そこで資産管理会社を作り、ジブシティー計画を詳細に詰めるとやっぱり 無理とかにして ビルも小さくして、使う金も少なくして、単に資産管理会社を作った事になって、使わなかった金は 例の地域公益法人への寄付として、その金を無税償却で海外の形だけの運用会社に運用を委託してもらい、実際には神之助グループに運用してもらい 運用手数料として海外に秘匿する事を心の底では考えていた。



















新しい子猫たち No.860

2016-07-29 00:26:35 | 新しい子猫たち 



タックス・ヘイブンの社会保障団体 は 大体年間で必要な不足分を明示していた。正人は例の地域公益法人の運用でごっそりと金を貯めて しかもスイスカナキャットとの株式交換で得た 世界の一流企業で配当の高い株式を ナンダカンダの工作で タックス・ヘイブンの資産管理会社の保有にしてしまっていた。放置していても自然と資産は増えた。思ったよりもこの必要額は少なかったのであっさりと認め、後は香奈ファイナンシャルの海外部門に 財団と協力してやりな と命じた。正人の興味はそれで終わった。正人は忙しかった。



正人と恵の話は 小夜も聞いていた。小夜は治部ビルとしてタックス・ヘイブンに 資産管理会社を作りたかったが、恵がタックス・ヘイブンを使った資産隠しのような姑息な考えには批判的だったので、黙っていた。



正人と恵の話が終わった時に 治部ビルとしても協力できる所は協力したいと恵に言った。恵はそれはアカンとは言えないので、そうしなさいと言った。



香奈ファイナンシャルの海外部門と財団の海外部との話に治部ビルが同席するようになったが、なんと小夜自身が側近をつれて出席した。他の海外部門の担当者程度では 日本の不動産王と言われた 小夜の企画力、発言力にはとても太刀打ちはできなかった。
















新しい子猫たち No.859

2016-07-28 00:07:27 | 新しい子猫たち 

アイツとは別にして タックスヘイブンの資産管理会社に実態をつけるように、海外の一流といわれる会社の株を保有をさせるようにして 会社としての体裁を整えだしていた 正人ではあるが、 アイツが敷地内の若い奴らの間で信望ができてきた。しかも社会正義だとか社会道理だとか言い出した。タックス・ヘイブンの資産会社に資産を移動させる事は別に違法ではないけど、社会正義とか言われるとやっぱり問題もあると正人は思い出した







アイツは まだまだ香奈の家の資産構成 とか どんな形で資産があるかなどを知る立場ではないが、段々とアイツの意見が敷地内で認められると 少し厄介と 正人は憂慮していた







タックス・ヘイブンは 決して ヘイブンではないだろう。そこには貧しい人も困っている人もいる筈だ。そうした人たちを助ける事業をこれらの資産管理会社がやればいいのだ。会社の体裁もずっと真面なものになる。費用というかゼニが要るのはある程度はやむを得ないと正人は考えた。







正人は 恵に相談した。今や日本の財団は 世界の社会保障法人 財団と交渉している存在でもあった。







一方 恵の元に タックス・ヘイブンの社会福祉団体 から ヘルプのお願いが来ていた。財団として別の財団をタックス・ヘイブンに作ればいいのだが やはり どこか躊躇するものが恵にはあった。





日本の財団にはありあまる金があってそれをどうするかいつも検討しているグループも存在していた。そこからタックス・ヘイブンに金をプールさせて運用に回すというプランも出ていた。世界の信頼性の高い債権中心にして固い運用を行うと云うものの、恵は簡単にオーケーはしなかった。恵も永遠ではなく、いつしかタックス・ヘイブンの財団が運用するとかの事にもなりかない。







正人からの相談は渡りに船だったので早速紹介した。










新しい子猫たち No.858

2016-07-27 00:00:46 | 新しい子猫たち 





正人は アイツとは関係なしに 香奈ファイナンシャル関係の タックス・ヘイブンの資産管理会社の整理統合、そして実体をつける事を始めていた







香奈オフィスでは 奈津美は新しく資産管理会社を作る事には無関心であって、瑠璃興業系の奴らが、瑠璃が作りすぎた資産管理会社の整理を少しつづ始めていた。瑠璃は香奈に対抗して自分の資産管理会社を作りすぎていた。金は貯まるが使い勝手が悪いとみんな分かりだした。瑠璃も歳になって以前ほど 資産をこっそりと貯めるのに執着がなくなっていた。







正人は、ジブトラストの神子とも連絡を取って 少しづつ始めていた







ジブトラストは 初期の頃は 名実ともに 香奈のジブトラストであった。海外の運用資金は香奈名義の資産管理会社から調達していた。それは香奈オフィスでの香奈の運用実態から来ていた







ジブが資金的に大きくなっていくにつれて ジブ独自の資産管理会社も作り出したが、香奈名義の資産管理会社の持つ資産は多く、それが香奈のものか ジブのものかという難問を解決するよりもその金を利用しようとする気持が多かった。それにスキームを作った奴らへのご褒美も要った。遅々として進まなかったが、ジブトラスト独自の資産管理会社にも資産がたまりだしていた







神子は その過程で神子系列の奴らにも そこからエサを与えるようにはしていた







神太郎はそういう事には無頓着だった。香奈は神太郎系列に回るスキームをちゃんとつくっていた。ジブ系列では取引手数料は膨大なもので、しかも利益比例でジブ末端、ジブの関係する会社からちゃんと取った。





それは神太郎系列の会社に貯まるようになっていた。そこには香奈の家の猫たちにも少しは入るようにしていた。スイスカナキャットは 単にチャだけの取引運用で維持されているものではなかったのだ。ただ普通の人には香奈関係の会社に入ると思われて異議を唱えるバカはいなかった。







こうした複雑怪奇な 利益を吸収できる 仕組みがあった。





香奈ファイナンシャルは香奈の資産を法人化したような組織でもあって ジブトラストの仕組みと密接に関係していたのだった







ただこうした素晴らしいと云うか複雑怪奇なシステムを作り上げた奴らもなくなり、その子孫になると、今までのシステムを作り上げた奴らへの配慮はそうはいらなくなった。子孫たちにも幾分かは回るようにすればいいだけだった







それに正人とか神子には 単に節税だけはなくて、資金の効率的な回転が必要ではないかと思い始めていた