恵「子猫は、やっぱり可愛いね。神太朗君は、リトルホワイトやリトルチャたちと話をして感心していたけど、こんな猫たちもいるのね。」
香奈「そうだね。こんな猫もいなくてはね。リトルチャやリトルホワイトは難しい事を言い過ぎるよ。この頃リトルホワイトも時々話をしてくるよ。やたらと難しい話をするんだよ。リトルチャは複雑な取引をしているのよ。チャもよく判らないとこぼしていたよ。チャタロウたちのチームの取引はわかり易いけど、リトルチャたちのチームの取引は、リスク管理しているのか、往復で儲けようとしているのかよく判らないらしい。
神之助君には、よく狙いが判るらしいよ。加代子ちゃんのアメリカでも大体判るようだよ。神之助君たちのグループと加代子ちゃんの取引グループとそれなりに話をしていると大体、狙いがわかるらしいよ。波長が合んだろうね。
聡美ちゃんのグループは、よく判らないし、やり方が複雑すぎるから、むしろコッソリートたちと色々と意見交換しているらしい。スイスカナコインのグループの取引方法が性に合うらしいのよ。
リトルチャも少しは話をするようになったけど、あんな複雑な方法をよく考えるよ、正人が説明しないのも判るよ。正人なんかでは、なぜ利益が出ているかも判らないと思うよ。私も神之助君に説明して貰ってやっと判ったけど、あんな取引は、私には、気に入らないね。どっちに大きく動いても、それで儲けようとする取引手法だよ。いわば一種のトリックだよ。あるキッカケを契機に相場の動きを一瞬加速させ、みんなの上前をはねるやり方だよ。昔のような吊り上げが可愛いとさえ思う取引だよ。取引も大変な時代になったね。」
恵「安い時に買って、高くなったら売ると言う事ではないの。」
香奈「基本はそうだけどね。リトルチャなんかのやり方は、自分たちで一瞬の隙に、ナンダカンダと理由をつけて、高値に上げて、一挙に売って、大きく値を下げて、また買い戻すなんかの複雑な事をしているのよ。失敗しても自分達でも売り買いをするから、大きな損はしないけど、成功すると大きく儲けるのよ、まさに経済戦争みたいな取引だよ。値段は大きく変動させ、怯んで狼狽して売買する人たちを食い物にするみたいな方法だよ。あんな仕掛けを聞くと、相場は怖いと思うよ。」
恵「大変な猫だね。でも子供が出来た後はのんびりしていたのでしょう。」
香奈「ちょっとの間だけはね。でも又、昔のように戻ってきたよ。リトルキャット運用会社の新しい事業資金を出す必要があると思ったらしいよ。チャタロウが猫たちに慕われているから、猫たちの取りまとめはチャタロウに頼み、事業計画はリトルホワイトが、研究担当と技術担当の猫たちと調整しているよ。
神帥君なんかは、実業なんだか運用なんだか訳が分からないようにて取引しているから、そんな仕掛けには加わらないよ。
神元君はまだ少しは神之助君達と協力して運用しているらしいけどね、神元君たちのグループでも実業比率が高くなってね。相場関係は、少人数で取引しているらしいよ。昔のように少人数で取引するのは、もう限界があるのよ。今は取引も一種の団体プレーなのよ。リトルチャや神之助君たちそして加代子ちゃんの所は、複雑な子会社システムの組織になってね。組織として取引しているから大きく儲けられるのよ。難しくなったのよ。」
恵「大変な時代だね。でも正子さん、マリアさんや沙織ちゃんは一人で取引しているのでしょう。」
香奈「あの三人はそうだね。正子さんやマリアさんは何回も止めるといいながらも、ペースは落ちたけど、自分のリズムで先物を細かく取引しているよ。儲けてはいるけど、みんなの儲け方が大きくなったから、目立たなくなったのも知れないね。昔のジブでは年間で一千億以上も儲ければ、大変な事だったからね。沙織ちゃんは、不動ファイナンシャルとしても会長室としても株式保有が増えたから、その保有リスクも考えての先物取引がほとんどだからね。取引する時間も減ってきているよ。株式投資は、やっぱり大きな会社よりは、将来性のある小さい会社を新宿から連絡を受けて細かく、少しずつ安い時に買うのがほとんどだからね。まあ昔のジブの新宿がそうしたやり方をしていたのよ。昔のジブも少しはまだ残っているのよ。
今は、組織的に取引主体で荒っぽく儲けているのは、子猫たちと神之助君たち、加代子ちゃんのグループ位になったね。
スイスカナコインもコッソリートたちの年寄りグループと聡美ちゃんのグループと連携を取りながら、取引をしているけど、それぞれ実業も大きくなってね。聡美ちゃんのグループもスイスカナコインも実業分野に、若い人を中心に、それなりに人も取られるし、制約もあるらしいよ。昔のようには行かないらしい。
神元君でもぼやいていたよ。相場師なのに、実需がドーダコーダと言って、調整しているのは、相場師じゃなしに、単なる購買部みたいになっていると。まあ仕方がないよ。」