のら猫の三文小説

のら猫が書いている、小説です。
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新しい子猫たち No.342

2014-12-29 00:10:21 | 新しい子猫たち 

リトルチャエメラルド





リトルチャが小石蹴って、見つかったエメラルドは、大きなエメラルドはオーションにかけて、高額の値がついていた。リトルチャエメラルドと呼ばれ、通常のエメラルドの数倍もした。しかし、普通のエメラルドの数倍の値がつくとホイホイと買える人は限られていた。





リトルキャット貴金属は、通常の宝石は毛利貴金属に納入して販売してもらっていた。クズのような宝石は、猫野がネックレスなどに使い、リトルキャット本店などの限られた直営店で販売していた。





リトルチャエメラルドはあんまり高すぎる値が一度ついてしまって、需要があまりなかった。金気にせずに買う奴は流石に少なかった。毛利貴金属でもそんなには売れなかったので注文制にしていた。リトルキャット貴金属もこれだけで飯の種としていなかったので、安くもせず、益々売れなかった、それに猫たちは気に入っていたので、かなりのリトルチャエメラルドは香奈の家の猫たちの部屋にあった。





最後にあの大きなエメラルドは高すぎて、宝石としてではなくて、大金の換わりに、金の亡者みたいな奴らを変遷して、結局はジブトラストが購入すると云うか、借金のカタとして、結構安い値で買う事になって、金庫代わりに使っていた香奈の会長室に置いてあった








このエメラルドは、普通の宝石ではなかった事は後で判明するがこの時点では誰も知らなかった。








そしてこの魔法の宝石はジブトラストと香奈の家、そして洋太郎の家の仏壇においてあり、個人として所有していたのは香奈、瑠璃、恵とリトルチャとココとチャ程度に加えて、高くてもいいと毛利貴金属から買っていった少数の人だけだった。





ブラジルとイギリスからきたジイサンたちは、金はあるし、老い先も短いと思っていたので、自分の会社に奴らにちゃんと買わせて、自分でネックレスにしてかけていた。リトルチャがかけていたので、欲しくなったのだった。


新しい子猫たち No.341

2014-12-28 00:12:45 | 新しい子猫たち 

金で埋まる、ジブ本体と香奈の家



金をジブ本体に集めたけど、香奈は銀行をそんなには信用していなかった。ジブは一族の銀行の大株主で、香奈ファイナンシャルは、もう一つの大きな銀行の大株主であり、莫大な金を銀行に預けていたが、これ以上の金を預ける積もりはなかった、キャッシュでジブトラストに保管する事にした。



大きな金庫はあったが、それには入りきらず、会長室が金庫代わりになった。





香奈はオフィスビル内に、会長別室をつくりそこに入る事が多かった。守り本尊の青不動さんも別室に掲げていた。香奈は守り本尊の青不動さんに見守られて、仕事をずっとしてきた。青不動さんのいない会長室には行く筈もなかった。



会長室と云うものの、香奈はいなかった。結構大きな部屋だったので、そこに札束が積んであった。会長室の前には警備の人もいて、完全な警備体制も取られていた。



香奈オーバーシーズ、香奈特別会計、リトルキャット運用会社から神之助に預けていた金も整理された。利子も元金に加えて運用していたのが、元々の元金だけ預かるようにしたいと神之助が言ったので、正人はもう一つの大きな銀行に預けようと最初思ったが、リトルキャット運用会社の金は、お宝銀行にも預けろとリトルチャが言うのは目に見えていた。それに香奈特別会計は本来、猫たちの今後の生活資金だった。その金もどこに預けるとかのリトルチャとのバトルは避けたかった。



仕方なしに、その金は正人の部屋に積んでいた。正人が猫たちから預かっていたエメラルドのネックレスもそこにあった。正人はもう一つの大きな銀行の敷地支店に相談役の部屋もあったし、香奈ファイナンシャルの幹部たちの部屋もあって、正人個人のオフィスはほとんんど使っていなかったのも原因だった。



香奈は昔から、銀行ではなくて、キャッシュをそのまま持っていたい人だったので、いつの間にか、香奈ファミリーはみんな自分の部屋に現金を置いておく傾向が強かった。





冷静な奈津美まで、自分の部屋にキャッシュが積み上げていた。ただ、警備とか火災には注意しないといけないと思って、ジブ専属ともいえた警備保障に警備を特別に頼んでいた。



リトルチャとかの香奈の家の猫も、当然香奈に影響を受けた。なんといっても香奈の飼い猫なのだ。猫の部屋にも大きな金庫があって、猫たちの金が積んであった。リトルキャット貴金属担当の猫たちは、気に入った宝石もそこに入れ、時々は眺めていた。


新しい子猫たち No.340

2014-12-27 00:00:40 | 新しい子猫たち 

意外な展開



それとはまったく別の動機で、こうした特定社会保障財団の規定見直しのための審議会が作られていた。悪徳は審議会の委員に、金抱かせ、女抱かせて、リトルチャ財団の格上げを工作しようと思っていたが、あっと云う間に審議会ができて、あっと云う間に、答申が出された、裏工作しようにも出来なかった。



この新しい特定社会保障財団と認められれば、税法的な便宜は大きくなって、基金の上限廃止もそのままだった。そしてリトルチャ財団も格上げになったが、不動財団も同時に格上げになっていた。もうひとつ意外な財団が、あっと云う間にできて、あっと云う間に格上げされていた。ジブ総研の社会福祉研究所が作った、香奈記念財団だった。





実は、政権内部で、陽太対策の一つとして、密かに検討されていた、陽太親衛隊が大きくなり、陽太の影響力が強まり、それにおべんちゃらする必要もあった。



不動だけ格上げしては目立つ、ナントカしろといわれた厚生労働省は、元々公的福祉をしているような社会福祉研究所に、土下座まがいの頼み方をして財団を作らせた。それに正義の評判も使えるリトルチャ財団も入れれば、正義の名前も使えると云う計算だった



ナンタラ記者会が、陽太を招いた講演が予定されていた。その前に処理する必要もあった。政府の福祉政策に注文でもつけられれば、ヤバイとの思いが強かった。



恵や陽太は、逆にほとんど動かなかった。むしろ最初、職員や理事の報酬制限の事項が入っていたので、それに難色を示した。



社会保障をしていても、その人たちにも生活がある。理事や幹部の報酬を下げれば、職員たちの報酬にも影響がある。そんな条項は排除しろ、でないとこんな新しい規定そのものを認めないぞと言ったので、直ちにそれは削除されていた。



恵も陽太も財団からの報酬は少なかったので、それを参考にして、条項を入れたのに、二人からヤイノヤイノといわれるとは意外だった。





恵は膨大なジブからの配当金、冶部ビル会長の報酬があるので、むりやり報酬は安くしていた。陽太も理事長としての報酬は少ないものの、ジブからの配当も入り、カミカミ事務局長、お元気レストランの取締役の報酬とか配当金がごっそりと入っていた。





ただ二人とも新しい人が理事長になれば報酬は上げないといけないと考えていた。



恵は、財団系の病院の医師の事も考えていた。医系職員は別の規定で対処するとの審議会の当初の規定は、誤魔化しにすぎない。医師も大切だが、他の職員も大切なのだ、仕事に差をつけるなといっていた。



陽太は、相談室の幹部の報酬を上げる事も考えていた。困っている人の相談に乗る人が生活に困っていては話にならない、それに陽太親衛隊の予備軍にも金を出さないと、選挙にも出られない。



社会保障研究所の所長も、ややこしい手続きは鬱陶しいと乗り気ではなかったが、半ば強制的に進められていた。報酬規定で言えば、今の所長の報酬は既に越えていた。役所も審議会の委員もたいした報酬はもらっていないと思って、この人の事はよく調べていなかった。恵と陽太の事だけ頭にあった。



ジブ総研自体の所長でもあった夢野は、社会保障研究所の所長の報酬は高くしていた。利益あるかどうかと学問は関係ないとも言っていた。社会保障研究所の所長は世界でも有名な学者だった。



元々ジブ総研は、レアメタル関係の特許、技術指導料でごっそりと金が入っていた。社会保障研究所の所長の報酬は、恵や陽太よりも高くなっていた。所長は、私にやめろと云う積もりなのかともいった。所長はこんな規定を考え付く奴らに、強い不信感を持った。



社会保障関係の中央官庁の公務員の報酬は他の公務員の報酬は変わらないのに、実際に社会保障をする人の報酬が高いとナゼ問題になるのか、おかゆをすすって、社会保障しろといっているのか、アイツラの魂胆見えたと思っていた。



報酬規定は、そもそも社会保障関係の財団を作って、アホを理事にしたてて、多大な報酬を渡すような金持ち一族の企みを防ぐ意図があったのが、自分と同じようなズルイ連中しか考えない、今の政府に、所長は怒っていた。



金抱かせ、女抱かせての交渉ではなくて、恵、陽太そして社会保障研究所の所長の意見や要望に沿って、規定を修正し、それを単に答申とするための審議会にすぎなかった。



リトルチャ財団は、表面を飾るために格上げにしたのにすぎなかった。恵は生きているのが不思議な年寄りだったし、陽太もクダラン用件ではまずこない。社会保障研究所の所長も報酬規定が議論された事に強い不信感があってこない、華々しく記者会見しても、ノーベル賞にも輝いた恵もいない。有名人だった陽太もいない、学者として世界的に有名になっていた社会保障研究所の所長までこず、地味な連中が代理では、パンチにかけた。正義弁護士は名前は売れていた。



正義弁護士の正義面で、正義ぶったコメントが記者会見では花を添えた。





リトルチャ財団は、正義が運営したが、やはり財団を運営するには、正義の正義ずらだけでは上手くいかなかったが、悪徳の運営サポートもあって、なんとか運営していた。



それにお宝銀行の秘書室長は、法務部長の助言もあって、財団設立の金は少なくして、毎年に回る寄付を少し大きくしていた。この方が税金が安くついた。お宝銀行のあげる収益自体も多くなっていて、税法上の便宜は大きかった、しかし他の財団は結局、もっと大きな金を手に入れていた。





もっとも一番大きく税法上の特典を生かしたのは、ジブトラストだった。ジブが支払う税金はとても大きく、財務省が今年納付される予定の税金をチェックしていた。





あの特定社会保障財団の話は、ジブトラストの収益見通しが順調で、税法上の便宜を図っても税収が減らないから、考え出された面もあった





ジブトラストそのものは、もう大きく伸びる事はなかったが、香奈は意識的に本体へ入れる金を増やしていこうとしていたのだった。





香奈も生きているのが不思議な歳になって、ジブの組織は色々と考えて変更していた。ただ、世界各地の金融センターそして財産管理会社に金を貯めすぎていた、税金安くするためには有効だったが、香奈は税金の事があるのに、本体に金を集めようと思ったのには理由があった。





香奈亡き後、ジブの財産を金融センターにおいておく事は、神之助管理下の金の比重が高くなりすぎると思っていた、本体と各地のジブ現地法人、金融センターなどの比率を修正しておく事が必要と考えていた。





財産管理会社の金はジブそのもの金ではあるが、今までの経緯もあって、香奈個人の財産管理会社をベースにした会社もあって、その整理が必要だった。



香奈は、ジブ単独の財産管理会社の金は神子の管理下におき、ジブ本体と海外ジブの金は神太郎の管理下、金融センターの金は神之助管理下におき、その比率が大体イコールになるようにしようとしていた、ジブ本体が保管している現金は他と比較すると少なかった。





こうした修正を行うためにも、一度本体に金を集める必要があって、本体の利益が増えていたのだった。一度に大きく比率は変えれないので、この作業は少しつづ進んでいた。





神之助も協力していた、ナンタラミクスは、円安を招いていた、神之助の長期的な予測ではこれは一時的なものだと考えていた。一時的といっても数年は続く、この時期に海外資産を円に換えておけば、資産価値は増えるのだった。





神之助管理下のジブオーシーズなどのオーバーシーズ関係の資産、香奈特別会計もそしてリトルチャット運用会社などの海外運用分も少しつづ、円転換をしていた、一度に変えると為替に影響が出てくるので、円安が進んだ時にすこしつづ進められていた。





社会保障研究所の作った、香奈記念基金財団も赤字の事業は財団との分担比率を調整して、組織をいじった、そして税金を考えて、寄付を財団に対してした。そうするとジブ総研としては大きく税金が下がっていた、



恵の財団は、ジブトラストの利益の一定割合が寄付となるのが原則だったが、税金との調整もあった、ジブの会計を預かる事務所と恵の財団の会計責任者との間で調整が行われていた。



今回の変更で恵の財団がジブから受け取る金額はかなり増えた、香奈は恵に一時的なジブ内部の会計調整によるものだから、増えた分はためておいてねと話していた。





不動財団は、不動総合とカミカミからの寄付がメインだったが、不動総合も税法上の便宜を受け、カミカミも同様だった。便宜をうけた利益の半分程度は、寄付を増やしていた。





文句たれていた。恵の財団、不動財団そしてジブ総研がもっとも大きく金に余裕が出来たのは皮肉だった。


新しい子猫たち No.339

2014-12-26 00:39:21 | 新しい子猫たち 

リトルチャ財団誕生へ





お宝銀行の秘書室長は、頭取から怒られ、法務部長は秘書室長から怒られた。秘書室長は副頭取兼務の銀行の管理一般の責任者でもあった、それにリトルキャットファイナンシャルの社長はリトルチャから命令を受けていた。








悪徳をリトルキャトファイナンシャルの法務部の相談役みたいなポストに招け、今の仕事は若い奴らに順次任せるようにしてもらえといわれていた








リトルキャットファイナンシャルの社長とお宝銀行の法務部長は相談して、清香の事務所とも相談をして、悪徳に頼んだ





悪徳の法律相談のスタッフに正義弁護士のスタッフを追加して、恵の財団、不動財団の相談室とも連携を取りながら、新しい法律相談体制、人生相談も含めて、金の面倒から色々な面倒を見るサポート体制を築いて欲しい。そして月に一回程度でいいから、リトルキャットファイナンシャルの法務部の会議に出て、気づいた事を話して欲しい





ゼニも当然出した





悪徳は清香からも頼まれていた事でもあるし、元々報酬も増えていたので承諾した。それに月一回の出席でくれる金額も多かった。





正義弁護士は、悪徳弁護士と協力して仕事を進める筈だったが、個人融資の法律相談はあくまで悪徳とその側近のサポートにすぎなかった、そこで正義は考えた。





今はお宝銀行の個人融資は多少だが、利益は出ていた。そしてリトルチャ基金は、新しいレアメタルの採掘量も入り、元々のレアメタルの採掘もあって、金が入り、むしろリトルチャ基金は増えていた。





正義とその側近たちも、悪徳グループと付き合う内に、朱に染まった。金を横領して、キレイな姉ちゃんと遊んだのではなくて、銀行内のリトルチャ基金ではなくて、リトルチャ財団が困っている人の支援を行い、その一環で個人融資の保証人になり、返せない時は銀行に返済する。銀行からも保証料ではなくて、そこそこの寄付を貰う、レアメタルの採掘料の半分はリトルチャ基金に入れる内規もしっていたので、それは寄付として合算する方法を考えだった。その財団では正義が自分のやり方で、しかも他人の金で支援事業ができると考えた。





社会福祉目的の財団と認められれば、銀行の税金圧縮もできた。法務部長も秘書室長も喜んだ。悪徳もそれはナカナカの考えだと思った。





こうしてリトルチャ財団は、お宝銀行のリトルチャ基金を元に設立された。このリトルチャ財団の理事長には正義が就任し、悪徳は副理事長になって、個人融資担当の法律相談のチーフには悪徳の側近がついた。





社会福祉目的の財団であっても、税金の控除対象には、利益のどの部分までとの細かい既定もあって、又財団の基金の上限にも細かい既定があった。社会福祉目的の財団を、実質的に金持ち一族の無税扱いの財産管理会社にした奴がいたので、そうなっていた。





基金の設定がなかったのは、二つの財団しかなかった、国の寄付窓口の財団であるナンタラ十字と、恵の財団だけだった。





恵の財団は日本の保育所も幼稚園もかなりの部分を請け負い、安い金で運営していた。それに一般的な福祉、小児の難病、色々なサポートまでしていて、もはや公的な社会福祉の一部と言えたので、そこに入っていた。税法的な便宜もあった。





悪徳はリトルチャ財団をこの上の特定社会保障財団にしたいとも思っていた。色々な下工作も始めていた。


新しい子猫たち No.338

2014-12-25 00:10:48 | 新しい子猫たち 

悪徳と清香の面会



悪徳が清香の家に行くと、清香以外に二人の弁護士がいた、それぞれ清香の事務所のパートナーと呼ばれる幹部だったが、その一人はナント正義だった。



清香

ウチの事務所も、お宝銀行の顧問弁護士なので、一緒に連絡を取って、協力して仕事を進めていきたい。



悪徳

私は、個人融資の法律相談に専念する契約ですので、一般的な顧問弁護士ではないのです。契約にも、専任事項が設定されています。




清香

馬鹿な契約にしたんだね、あの法務部長は役人と付き合うようになって、度量が小さくなったね。お宝銀行の頭取に話して、ウチの事務所との協力関係も追加するように話してみるよ。今はあの頭取はリトルチャの事務所にいる事がおおいので、電話かけてみるよ




清香はリトルチャの事務所に電話した


清香

悪徳も顧問弁護士になったし、ウチも顧問弁護士だから、協力して進めるのは問題ないね、現に悪徳事務所にはウチからの知財や商法絡みの仕事は回しているからね。悪徳に、仕事を手伝ってもらう事もあるかもしれない。契約にはウチの事務所との協力も明記するように変更するようにして下さいね


お宝銀行の頭取


それは勿論です、アイツがそんな事を書いていたのは知りませんでした。


その時にリトルチャが清香さんからの電話なら、僕も話したい事があるから、電話代わってくれと云う声がかかった


リトルチャ

清香さん、何の話ですか、(清香が事情を説明すると)、クダラン専任事項なんぞいれたもんだ、それにリトルキャットファイナンシャルの事も書いていない、早速訂正させます。


清香さんもナニカ考えてますね。


清香

リトルチャも色々と考えているね。


リトルチャ

清香さんが彼に感じた事があったら、教えてください、彼はビジネスに向いている気もするのです、根性が腐っている感じは今はしないでしょう。


清香

しないから、電話しているんだよ。また、電話するね



リトルチャは、お宝銀行の頭取に言って、清香の事務所との協力とリトルキャットファイナンシャルの仕事を付け加え、なお且つ最後に等をつけるように言った


リトルチャ

君もグループ全体の事も考えて欲しいね。悪徳は使いようによって役に立つよ。今の仕事は若い奴らを育てて貰って、リトルキャットファイナンシャルの法務を見てもらおうと思っているのだよ。勝手に色々とやらせていたら、コアになる奴がいなくて、経営管理室長が兼任している組織だからね。チビタロウ、リトルキャットファイナンシャルの社長を呼んでくれ。






リトルチャの心の中



リトルキャットファイナンシャルの法務部は独特の組織であって、世界の各組織では余っている弁護士や会計士たちは、リトルキャット財団を作って、そこが支援事業といいながら新しいゼニ儲けの種を見つけ、本当にゼニ儲けになれば、各地の投資センターが投資してきた。


法律スレスレ、抜け穴探しのための人員だったが、各組織が体制内に入り込んでいき、そんな抜け道探しのために過剰に人員を抱える事は必要なくなってきたところが、日本には各地で猫の家を維持するためのリトルキャット財団は既にアリ、色々な支援事業を恵の財団そして不動財団が既にしていた。一番多く法律ゴロ、会計ゴロを抱える日本のリトルキャットファイナンシャルだったのに、それが出来なかった



リトルキャットファイナンシャルの社長は、経営企画室が考えた新規事業を推進するためにこの法務部の余剰人員を使った。それは上手く行ったが、法務部といいながら子会社の事業に深く関与する奴らが増えた。


小さい城から出城、砦みたいなものまで色々とあったが、いわば一人一人が独立しているみたいなものでもあった。会計ゴロたちは出資した企業のゼニ勘定もあって、仕事には困らなかった。


それにビジネスには向いていない法律ゴロもやはりいて、そういう奴らには自社の法律問題だけでは仕事が足りないので、清香の事務所との兼任も認め、清香の事務所の商法関係のスタッフにも入っていた

要するに、訳のワカラン組織になって、経営管理室長が部長兼任といいながら放任されているような組織でもあった。

リトルキャットファイナンシャルの新規事業といっても多くは猫たちが考えて、それをチビタロウが整理して、リトルチャが面白いと言った事業をリトルキャットファイナンシャルの社長にやれと命じて、やり方はオマエ考えろといわれて、社長がアラアラ考えて、それを経営管理室長がスタップと共に肉付けし、実際に組織を作ったり、動かす時に法務部の連中を使った。



こいつらは人の考えのケチつけるのは上手だが、創造性はあまりない奴らだった。ただ頭は切れるので、実際の組織作り、運営にも有能だった。ただ協調性はあまりないので、オマエはオマエ、オレはオレだった。


法律ゴロたちを統制して、協調していれば、もっと儲かる筈と、リトルチャは考えていた。リトルチャの頭の中には、リトルチャ基金で名前残すより、ゼニ残したいと云う気持ちが強くなっていた。悪徳の組織運営も見事だった。法律家としても名前がある。アイツらも制御してくれるかもしれないと、思っていた。





清香の心の中








清香の事務所は、数多くの企業の顧問弁護士になっていて、黙っていても金が入る事務所になっていた。


初めは父親の洋之助が率先して、紡績の顧問弁護士にして、洋之助が関係する会社も、顧問弁護士にしていた。清香はそうした安定収入を基礎に、有能な弁護士、有能とは言えないまでも、検察崩れと云うか上がりというかは別にして、検察や元裁判官まで法律事務所に入れ、刑事でも民事でも活躍していた。


ジブトラストの驚異の成長で、ジブ関係の企業まで顧問弁護士にしたので、安定した収入がふえた。清香は、常勝とか必勝の事務所と言われるように努力していた。


飾りとはいわないまでも、国選弁護も受けたし、困っている人たちの相談にも乗った。単に正義感だけでは勿論なかった。いざとなったら、頼れる事務所だから、顧問弁護士にしてくれていた。無能な事務所を顧問弁護士にはしてくれない。

清香は事務所運営には危機感を持っていた。もし自分がいなくなれば、膨大になっていた事務所の運営費を稼いでいく必要があった。冶部一族は、単に一族だからで、金くれる、そんな甘い一族ではない事は百も承知していた。

金だすのは、それに対応した見返りがあるからなのだ。今は自分の名前で金出していても、役に立たないと判れば、契約は当然切られる。


幹部と言われる、パートナーたちは、そうした事務所運営に配慮してくれていた。ただ正義弁護士は、そうした配慮がなかった。ナニカといえば正義面していた。清香は期待していただけに、落胆していた。


悪徳は嫌っていたが、リトルチャ基金での法律相談の維持は見事だった。貸す相手に収入を維持していけるように配慮したし、悪質な金融業者相手に裁判したり、交渉して、返しやすい環境も作った。


根性腐っていると思っていたが、神太郎が見た感じではそうではないらしい。元々法律の理解や解釈にも優れている。

正義弁護士とそのスタッフを、悪徳のサポートとして支援するといいながら、正義弁護士には少し融通の気持ちが出てくれば、事務所としての今後も安定していける。

正義派、人権派の看板は
既にある事も強みだったし、正義面も魅力だった。売り物の強みを維持しながら、ゼニ儲けにも配慮してくれるようになっていく事を期待していた。