のら猫の三文小説

のら猫が書いている、小説です。
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新しい子猫たち No.1125

2017-04-30 00:11:11 | 新しい子猫たち 

中国の陶工のオッサンは、常務に 青不動さんから こう言われた、そんな気がすると言った。常務は、君も青不動さんの声が聞こえるか、それは凄い、見込みがある人たちにしか、青不動さんは声をかけない、頑張りなさい と返した


 


陶工は、正人のもう一つの大きな銀行の部屋に戻り。正人と話をしていた。正人の部屋には割ってくれと頼んていた、昔の陶工の作品が、割れた所を金で接着し、龍のデザインが付け加えられている茶碗かあった。正人がナンダカンダと釈明した。ただその茶碗は割れる前よりも格段に光り輝いているように見えた。


 


あの花瓶、そして茶碗の再生、人間国宝のジイサン、恐るべしと思った。陶工は中国での名声は高まっていて、ワシは天才と思い始めていた だけに、青不動さんからの言葉は身に染みた


 


正人と話をしていると、あの人間国宝のジイサンが作った龍の茶碗があるらしい。正人は香奈に取られたと言っていて。それで私に龍の茶碗を頼んでらしいという事も判った。


 


陶工は、もう一度、あの人間国宝のジイサンと龍の茶碗の競争がしたい。自由な発想で何点か作品を競い合い、香奈とか正人とかだけでなく、多くの人に比べて評価して欲しいと言った


 


正人は、香奈出入りの美術商とも話し合い、人間国宝のジイサンも弟子たちと一緒にその作品群を作ってみたい、そして多くの人に見て貰って、評価を受けたいとはワシも思っていたと言った


 


新しい子猫たち No.1124

2017-04-29 00:07:38 | 新しい子猫たち 

正人に龍のデザインの入った茶碗を渡して、香奈の特別室に飾られていた、日本の人間国宝のジイサンの花瓶を見たいと懇願した。正人はジブの常務と連絡を取って、見せてあげる事にした。香奈の特別室は秘密の書類、データが直ぐに見れる場所なので、常務同席で花瓶をみるだけという条件ではあった


 


その時香奈は香奈の家にいる筈だった


 


中国の陶工は自分の花瓶も生き生きとしてまるで魂を持っているかのようになっていた事にも驚いたが、日本のジイサンの花瓶にも感銘を受けた。無駄に歳はとっていない、なかなかの技法を持っていた。


 


その時、陶工の心に青不動さんからの声がした、


君の作品も見事だったが、あのジイサンもなかなかだよ、君も慢心せずに精進していく事だね。


新しい子猫たち No.1123

2017-04-28 00:03:51 | 新しい子猫たち 

ジブ系列内部の協力関係は進んでいた


 


香奈の特別室の花瓶の件で、人間国宝のジイサンは頑張った。弟子たちと一緒に会心の作を作り上げた。正人の割れた茶碗も金を使い、修復させて、龍の絵もそこに書いた。骨董品と見立てた茶碗だったのでそれなりの時代感のある龍の模様にした


 


香奈もこのジイサンの花瓶を気に入り、青不動さんも気に入った。日中の名品に囲まれるのは気分がいいと香奈に言った


 


香奈の特別室を訪問できるのは、とてつもなくエライ オッサンとオバはんに限られるがそんな人たちも褒めた。


 


すぐに話題になった。偶々挨拶に来ていた 中国の総書記も褒めた。


 


香奈が


本当は日中で協力関係を友好的に築いていくのが必要なんだろうね。無人島とか小さい海域の事で争っているよりも友好関係を築けば大きな果実が両国で得られるのにね。


 


総書記は


そんなには簡単にはいきませんが、日中で友好的に競い合う事で、優れた作品が出来ると云う事も判りました。


 


ただ総書記は国に帰っている時にポロっと漏らした。元々総書記が香奈と頻繁に会っているのは、秘密だったが、公然の秘密となっていて、その部分は言わないものの、中国の陶工の苦心の名品と日本の人間国宝のジイサンが、龍のデザインで競い合った名品が香奈の特別室にはあるそうなと云う話題があっと云う間に広がった


 


中国の陶工の耳にも入った。どんな花瓶なんだろうと思っていた。正人に頼まれていた、新しい、龍のデザインの入った茶碗を自ら届ける事にして見に行った。


新しい子猫たち No.1122

2017-04-27 00:00:44 | 新しい子猫たち 

ジブ系列、香奈系列、治部一族系列と分けていたが、実際には、今は相互関係が出来て、グループ以外の別の会社も絡んでいた


 


つまり政則ルートの就職説明会は、多くの企業への窓口に変わっていた、それは密かに大体みんなに判り、政則の講演会が注目されて、開催日も土曜、日曜に変更されるようになった


 


人気企業、業績の好調な企業が多く、多くの人が押し掛けた。


 


政則は昔は根性悪と知られていたが単に聞き手役のリトルキャットガールズの面倒をよく見た、歴代の卒業生も時折きた、後の食事会、単にパーティみたいなものになったが、こうして姉ちゃんが大体 歌も披露していた。ファンも集まってきて、このパーティーも有名になった。


 


元々の香奈特別保証で融資していた小企業の経営者のための講演だったが、その後のパーティーで個別企業に対する指導も当然あった。


 


単に政則シンパの若い兄ちゃんも当然いて、そうした人たちもいた。


 


色々と含みのある政則の講演会となっていた。


新しい子猫たち No.1121

2017-04-26 00:57:30 | 新しい子猫たち 

不十分な体制で、売上高を増やすとかえって 管理費が増えて利益そのものが下がる。まして、今まで有休完全消化を前提としていた、社員配置そのものを見直す必要も出てくると言っていた


 


チャタロウが初め、このシステムを導入する時は、懐疑的だった、チャタロウグループの幹部たちも今ではチャタロウの考え方にどっぷりとつかり、依然のチャタロウのような言い方をしていた


 


チャタロウグループはリトルキャット九州を除いて、それほど高利益の企業体質からは遠い存在だったが、利益はそこそこあるし、無理する事はないと云う雰囲気が強かった


 


ただチャタロウグループで取り扱ってもらえない製品は、どこかオカシイ所があるのではないかと疑う人たちも出てきて、要望に応えて、販売体制を整えるのは必要ではあった


 


そのため、政則ルートで入ってきた社員を教育していく事にしていた。


 


政則ルートで社員が入ってくるのが少ないのはジブ本体、リトルチャグループ、瑠璃興業くらいのものだった。元々ジブ本体はいわば頭脳部門、そして政府との付き合いの関係上ある程度の官僚の受け入れはしないといけなかった。


 


リトルチャグループは何と云ってもゼニの亡者、どうすればゼニが儲かるかについて、天才とも云える才覚がないとそもそもやっていけない。瑠璃興業は、獲物が見つかった時の対応、獲物を探す才覚がそもそも必要、誰もが、ハゲタカにはなれない、ハゲタカ適性はそんなにはいないのだった。但し シックステン事業本部は、瑠璃興業と云っても別世界なので、大体人材の採用はあのオッサンに任されている独自の部門で、この部門はそこそこの人は採用していた。