敷地内の治部ホテルは、元々 敷地内の治部一族のために建てられたようなホテルで レストランは治部一族の食堂でもあった。
そして治部ホテルは、顧客の細かい所まで気配りできるようにしていたホテル、俊子はそういう風に治部ホテルを作り上げていた。ホテルのどんな業務であっても、すべて顧客が満足できるようにしていたし、スタッフはどんな業務であっても、業務をこなせると報酬は上げた。ベルボーイのオッサンがフロントのエライさんより報酬が高いのはザラだった。
このオッサンの会社は、どこどこ系、ビールを出すなら、どのビール、ビールが好きか、お酒が好きか、どの銘柄にするかなどは、全て担当の客室係は知っていた。
敷地内の治部一族についてはこんな料理が好き、家族構成はどうたらは全て頭に入っていた
ただ あの法律ゴロと二人の会長については何も判らないので、どんな家族、奥様の好みとかお電話してもいいですか とさり気なく聞いていた。三人は気配りしてアッチコッチと動いていて、自然な会話で出てきたので、聞かれた事すら忘れていた。
大体の騒ぎが収まった時に、徹が三人に対して、御苦労さまでした。世話役にした、正人はボーとしていただけなのに、君たちはよくやってくれたと労いの言葉をかけていた。
徹は追加して、
君たちの働き方を見ていると、瑠璃は案外よくやっていたと実感したよ、香奈もそう言っていたよ、人間ある程度のホジションにつくと、その人の評価は、部下がどう育っているかで評価される、部下に対する評価がその人の評価になる。この一件で瑠璃の評価は上がったよ。
三人は素直に喜んでいたが、瑠璃はイラン事を言った。
要するに、お前らの評価はお前らの部下に対する評価の結果となるワケだ、そういう視点で部下を そして部下の仕事をお前ら自身が見ているかを考えろと云う事だ。ココはお前らの会社の実態をお前らの評価としただろう、世間はそういうものだ。