瑠璃は頭が切れただけではなかった。語学の鬼才でもあった。東大の学生時代から語学はスバ抜けていた。英語だけではなく、フランス語とドイツ語に堪能だった。ネイティブに変わらぬ発音をしていた。行った事もない国なのに、その国の人と普通に話せた。元々フランス人だった先生のおかしな英語もなんなく判ったのはその所為だった。
香奈もアメリカでMBAを収得したが、英語は特に深く勉強しないでも話せていたが、瑠璃は特別だった。香奈の家系でも瑠璃と性格が似ると語学の鬼才の才能も遺伝していた。珠実も則人も語学の鬼才と云う点では似ていた。瑠璃に近ければ、近い程語学は堪能だった。瑠璃と性格が異なる、奈津美や正人は英語は自然と話せるが、語学の鬼才と云う感じではなかった。
それは兎も角、瑠璃はドイツの女性政治家を経由させて、欧州の多くの国の首脳と秘密のコンタクトがあってうるさ型のロシアの大統領とも話ができた。
瑠璃は資源とエネルギーの世界では有名なハゲタカとして知られていたので、瑠璃との交流は秘密の内に行われ、瑠璃も権力を利用する直接的な対応は避け、それでも利用できるものは利用していた。
瑠璃興業の各国の頭の切れた奴らの資源に対する知見も各国の指導者は密かに聞く機会を作っていた。
香奈オフィスとしては、各国で公明正大なビジネスを心がけるようにしていたのも、彼らには好都合だった。裏では、かなり深く繫がりながりながも、表向きは、奈津美の云う公明正大なビジネスを貫いていた。
ぼろ儲けは、瑠璃興業の幹部たちの個人会社がキーとなり、そこに瑠璃興業として絡みながら、利益を瑠璃興業にも渡し、実際のビジネスになるといつの間にか香奈オフィスが行っていたと云う事が多かった。
各国で出来ていた、新しいレアメタルの国際条約のための各国の組織にも、こうしたた奴らは、顧問とか色々な肩書きできっちりと参加していた。エネルギー問題では有名な奴らは、瑠璃興業の人間か、瑠璃興業と裏でツルンデイル奴らばっかだった。