のら猫の三文小説

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香奈とコシロの子供たち No.162

2013-11-17 00:00:21 | 香奈とコシロの子供たち
敷地内と私鉄の駅との間の土地


俊子は頭は冴えていたが、大きな豪華な高層マンションも建ち、行きたい人はそこに引っ越すなどの騒動が続いていたので、頼んだ事など、忘れていた。冶部東京不動産もいけなかった。年次報告書には、記載するものの、俊子に直接報告にはこなかった。俊子がゆっくり報告書を読んでいると、ジブの里とあの私鉄の駅との間で、保有する土地が増えていた。


俊子
「なぜ、こんな土地を一杯買っているの、何かあるの。」
冶部東京不動産の人
「ひどいですね、会長がジブの里の近くに土地が買えるのなら、買っておけと言ったでしょう。苦労して買っているのですよ。」
俊子

「それなら、もういいわ、高層マンションも建ったから、当分はいらないわ。」
冶部東京不動産の人
「もう遅いですよ、駅とジブの里との間の土地は大体買ってしまいました。この頃買ってくれと言う人が増えたのですよ。」
俊子
「そうなの、お金は大丈夫なの。」
冶部東京不動産の人
「それは大丈夫ですよ、この間の研究センターの買収で仲介料を沢山貰いました。元々その程度のお金は持ってますよ。でも使い道はなんとかしないといけませんね。私たちも考えてみます。」

俊子

「冶部の里にも近くし、変な建物建てるのもなんだし、十分検討してよ。」




ジブ交通



ジブシティー、研究所と大学院大学そして香奈たちの新しい家が相前後して出来た。ジブシティーは中心部と既に立っていた工場群が完成し、周辺部の工場建設はまだ続いていた。


ジブシティーはまだ道路でしか外部に繋がっていなかった。ジブ交通は作ったものの、バスで最寄の私鉄やJRの駅に行くだけだった。ジブ交通としての鉄道計画は線路の用地買収が難しかった。




神二郎が、神太郎や神一に頭を下げて、鉄道に詳しい人を紹介してもらえれば、簡単だったのに、それはしなかった。神二郎は案外頑固だったし、神一や神太朗に頭を下げて頼みに行く事を嫌ったのだった。


自分の同志みたいな不動グループだけで処理したかった。不動総合や不動財団から派遣して勤めていた素人連中が、町づくりが進んでいる時から考えていた。素人連中なので、計画は遅々として進まず、ジブシティーは拡大して、今はジブシティーからジブの里まで、そして例の私鉄の駅まで、土地が繋がっていた。用地買収なんぞなどしなくても今は線路も引ける状態だった。もっと考えみると遺伝子研究センターまで繋がっている。


この近くにもジブ系列の食品会社の工場が建つので、駅も建てようと検討していた。モノレールスタイルで高架型の新しい電車で、鉄道を作ろうと思った。免許とかなんとか面倒な事もあった。