のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.2245

2022-06-30 00:35:58 | 新しい子猫たち 
二人のジイサン達と棋士が作った会社 実質運用会社なんだったが 将棋関係のイベントとか ジブシティーの将棋道場の顧客 つまりジイサンバアサンの将棋指導と云うか話し相手に 若い棋士とか棋士の卵の奨励会員を紹介する 部門も当然出来た。そして意外な事に 二人のジイサン達が大きくした会社から 頭キレキレの社員たちが派遣されてきて 管理室みたいなものが出来て ここが近接の中小企業への投資 経営指導なんかをするようになった。あの将棋の強い子のAIに基づく運用は当然していた。ただAI運用の場合は 年間利益は顧客に渡す、それを投資資金に更に充当する事は原則しない。神之助系統の証券会社の鉄則 神之助自身の鉄則といってもいい。この利益がほぼ運用金額に匹敵していた。

二人のジイサン達は この会社の利益の2割は配当に回す事を決めていた。配当を出すまでに、ある程度経過していたので 配当金額は多い。初めの経緯から あの棋士が筆頭株主になっていて 配当は当然一番多いのだった

ゼニの部分はさておいて 敷地内の将棋道場に来ていたジイサンバアサン達もヒマなので この管理室の頼みに応じて 自分の知っている分野でのアドバイスなんかするようになった。元々 ジブトラストと治部一族に近い人たちが当初のジブシティーには多く、後継者に任せて 楽隠居の積りでジブシティーに越してきた。体元気で頭は冴える しかし ジブシティーの 呪い と云うか この地域から離れると 魔法の効果は無くなるので旅行といっても 一泊二日程度しか出来ない。一週間程度旅行してヨレヨレになって帰ってきた人がいて、元に戻るのに1年以上かかった。それを見ていた人たちは簡単にはココから離れられない。する事もない。飯はこうしたクラブに行けば食える。そして配達サービスもある。家の掃除等とかはニコニコサービスがやってくれる。買物も同じ。する事がない。要するにヒマなのだった。

二人の息子たちが 管理室に社員を派遣した狙いはこうした人たちの蓄積したビジネス経験を聞いて自分のものにしろと云うものだった。あのジイサンたちが仲が悪いのに息子を後継者に指名せざるを得ないのは 息子たちは若い時の自分に似て、いやもっと人使いは巧いのだった。親子喧嘩もゼニ勘定になると別になるのは 皮肉な事に親子共通だった。まあこれが治部一族に共通していた事でもあった。

新しい子猫たち No.2244

2022-06-29 00:32:49 | 新しい子猫たち 
二人のジイサン達は ジブトラストと云うよりは治部一族に近い人たち。そして治部一族は日本の軽工業重工業の勃興期には既に多くの分野に関与していて、二人のジイサン達もその中で仕事してきた。そして治部一族の家風は 人は活かして使うのが大切と云う家風が 身に沁みついている。中小企業振興がドーダとは全く別の問題だった。

棋士の奥さんのスモールビジネスが大きくなっていくのであるが 天下り官僚たちの小細工とは別の次元のアドバイスが出来た。ジイサンたちは隠居の身なんだが 元々の資産家で隠居金が神之助の組織で金を儲けて とても隠居金では無くなっていた。あの棋士を助けるための金が 棋士との間で投資会社を作る事になり、あの子のAI運用で金は何倍にもなり そしてその会社はジブトラストとは別の次元での投資やアドバイスをしていく事になった。

そして二人のジイサン達の息子たちは 親のジイサンたちとの仲直りを模索していた。親子仲良くの気持ちもあるんだが 結局はジイサンたちの膨れ上がった隠居金目当ても当然 心の奥にはある。ジイサンたちが助けている中小企業を助けると自分達にも都合がいい。管理に調べさせるとそれなりに利用しても面白い企業群と判り、そして親の隠居金目当ての筈が それぞれの企業にとっても仕事のパートナーと変わっていった。そうなると単にジブの管理だけではなく、本体の神子グループも注目するようになり ジブトラストがこれをネタに儲ける、いや手助けするようになっていった。

新しい子猫たち No.2243

2022-06-28 00:30:16 | 新しい子猫たち 
ジブトラストはある時期から 官僚の天下りを受け入れてきた。当初 総理していた陽太の頼みもあった。官僚の天下りは毎年あるので、一定期間経つと 辞めていくのが普通だった。ただジブトラストの社員福祉環境は凄まじく、辞めたくない人が多かった。それにジブトラストに勤務すると 体は元気に頭は冴えるのだ

色々な不都合が起きて 香奈は決断した。毎年従来通り受け入れる。その人たちの仕事を見つければいい。金がドーダとは言わなかった

そうして出来たのはジブトラストの中小企業支援なのだった。ゼニ儲けは元々期待していない。

ただ魔法の里の敷地内に勤務してジブシティーとそれに近接している地域に住むと やはり魔法の里に近い。どうしてもこの付近の中小企業を応援する事になった。別に高邁な思想に基づいてはいない。ジブトラストの取り分は元々期待していない。大赤字にならない程度なら 金のあるジブは認めてくれると云う気持ちもあった。

ジブシティーとそれに近接する地域で中小企業が盛んになった理由だった。

あの棋士の奥さんは中小企業とも言えない程度のスモールビジネスをしていた。二人のジイサンたちは ジブの担当とも話をつけて、自分達も応援するからと云った。二人のジイサンたちは元々財界の大物と云われた人たちで 人を診て その人を活かすのが治部一族とその周辺なので、棋士の奥さん応援の筈が二人のジイサン達まで この事業に関与する事になってしまった。

新しい子猫たち No.2242

2022-06-27 00:27:09 | 新しい子猫たち 
あの子も 将棋は元々好きだったし AIも参考にして 趣味として今後も続けていきたいと云っていて そうしていた。ただ今でも同一姿勢を取る事はよくないと主治医に言われていたし 祖父にあたる院長代行も言っていた。あの子の看病のために医師になったような奥さんの監視の目は厳しい

AIとあの子との対局は将棋道場の特別対局場に行われるが あの子は 腰には優しい特別仕様の椅子を使用していたが 考慮に熱中して、同一姿勢を取っていると 奥さんが血相変えて怒鳴り込んできた。あの子の対局は香奈チャンネルの将棋チャンネルの目玉の一つなので、生放送される。

見ていた将棋道場のジイサン、バアサンたちも吃驚していた。ただそれ以降ジイサン、バアサン達もここらへんで柔軟体操の時間ですよとの声が掛かるようになった

ただあの子の棋譜は多くの将棋愛好家 棋士たちにとって注目の的ではあった。ただそれをアマ程度にも判るように伝える人が欠けていた

あの新人棋士は結婚は早く 既に子持ち。二人のジイサンが応援したろと思ったのは そういう背景もあった。ジブシティーは治部一族、ジブトラストに近い人たちが簡単に住めるのは 初期の段階でジブシティー株式会社から アホ程 権利を買っていたと云うか買わされたので、実は実際には空家も少なくないのだ。そして高層化したので実質的に部屋数は増えていた。治部一族に近い人たちとジブトラスに近い人たちには容易に住めるのだ。

ただ今は高級住宅地として有名になって 世話したろと云う二人のジイサン達の呼びかけにも遠慮していた。ただ近接して建っていたマンション群は若い人たち 若くして子供が出来て難儀している人たちには 低層階はタダと云うか低料金で住めるようにしていた。市当局とか外郭団体からの補助金が出た。高層階はジブシティーの高級マンションと同じなんだったが 低層階は違った。いわば二重構想のマンション群だった。

ここの高層階は今はむしろジブシティーの高級マンションよりも価格はむしろ高く しかも人気で空き室がなくて 二人のジイサンたちも容易には手が出ない。子供たちの声が聞こえる高級マンションで 静まり返ったジブシティーとは違うのだ。それが嫌いと云う人が初めは多かったが最近ではむしろ人気でそれがむしろ今は評価されていた。ところが二人のジイサンたちが ひょっこり出た三室を手に入れた。今までのジブシティーのマンションの権利も高く売れた。このマンション群は この市独特の児童保育の援助が行き届いていて、棋士の奥さんも憧れていた。そしてこの時まで生活を支えていたのはむしろ奥さん、棋士は頭が上がらない。


新しい子猫たち No.2241

2022-06-26 00:23:46 | 新しい子猫たち 
あの子は小さい時から 将棋の天才 コネコ研究所の将棋の好きな ネコ先生に可愛がれて ソフトの研究も幼い頃からしていた。骨格異常はまだそんなに顕在化はしていなかった。そして将棋道場のジイサン、バアサンたちにも可愛がれた。将棋の棋力とは別の次元、かわいい孫みたいなものだった。それに真摯に努力する姿勢は みんなには判った。金持ちのジイサン、バアサン達は ゴロみたいで 頭の切れる奴らは 見慣れていた。そんな真摯に 何事も取り組む あの子は新鮮でもあった。

あの子は ワシが 私が 育てたと 思い込んでいる人が多い。病気は心配していたが 折角の才能が と云う気持ちよりも元気で長生きしな と云う気持ちが強い

将棋道場にいってもジイサン バアサンたちは 将棋を教わると云うより 近況を知り あの子とはナンダカンダ話をする事の方が多い。まあ親戚のジイサン、バアサン達と話をするようなものだった

あの子も将棋を教えると云う事は考えた事もないし 機会もなかった。将棋の話は 宇宙の話をするようで 将棋道場の老人たちには実際にはよくワカラン。次元が違う事を考えている。それに将棋道場のジイサン、バアサンたちは 今から将棋を強くなろうと云う気持ちはサラサラない。楽しめればいいだけ。