のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.891

2016-08-31 00:15:43 | 新しい子猫たち 






香奈が大規模にジブとして 社会福祉に寄付をするようになって 恩恵を受けたのは









ジブ直結の企業 ジブ傘下の企業群だった









社会貢献している企業と見做されて 消費者好感度はぐーんとアップしたし 各国政府からもナンダカンダと優遇処置を受けた









ジブ関連企業もジブ本体 そして関連ファンドも タックス・ヘイブン に資産管理会社群を作っているとは 密かに知られていたが、今ではジブ自身が公言するようになっていた。その国でも利益の範囲内ではあるが、社会福祉に対する寄付をしだしたからだ。









実際 ジブとして出す 寄付の主体は 企業群は ほんの一部にしかすぎず、運用などのファンドからの寄付がもっとも多い、利益自身も大きいが 利益の中で設定している寄付に回す比率も大きかった









各国政府も ちゃんと知っていて、 ジブ関連へのファンドが有利になるように有形無形のサポートをしていた。









みんな 知っているが 各国の社会福祉のより一層の充実のためには必要なのだ との理屈が 強い影響力を持っていた。

















新しい子猫たち No.890

2016-08-30 02:11:38 | 新しい子猫たち 

ジブトラストが 莫大な寄付を恵の財団にしている事についてすら ほとんどの人が違和感を持っていた。税控除の対象なので あまり文句はいわなかったし、香奈に対して質問できる根性もなかった。












ジブトラストの初期のメンバーは 違和感はなかったが それ以外の人には違和感があった。













ただ香奈にそれを言える人がいなかっただけだった。ジブトラストの遺伝子分析センターについても 香奈が決めてジブトラスト内において研究を進めさせていたが なんで ファンドがそんな研究所を と云う思いがあった。





遺伝子分析センターは 責任者と云うかお世話係にさせた奴が儲けが少しでもないと寂しいと云って、遺伝子操作の実験も出来るしといって始めた育種で結局儲かり、植物の遺伝子分析では画期的な金儲けをしていたが 作った目的は 結構まじめなものだった。





香奈の慧眼とか言われても 香奈はゼニ儲けしろとは言ったこともなかった。遺伝子分析センター 内部では 香奈がもし亡くなったら、神太郎でさえ ゼニ儲けしなくてもいいとは絶対言わない、香奈だから 儲けよりも当初の遺伝子疾患の研究に精力を尽くして と云うか 神太郎なら 金食い虫となれば冷たいだろう との思いで分析センターとしての内部の留保に努めてきた













恵の財団とはいいながら 本当は真理が ほそぼそ と支援して、相場禁止令が出た香奈が手伝ってきた組織が本来の組織だった。











ただ香奈は俊子も誘っていたが 香奈も俊子も忙しいのもあるが 香奈も俊子も関与していた時は、ぱっとした活動は出来なかったが恵にはできた。恵が財団運営には優れていたので 恵に任せた。香奈にとっては 恵の財団ではなく 香奈の財団でもあった。それが判っているのはジブトラストの初期のメンバーしかいなかった













恵の財団と云うのは 母と子のための財団、婚外子としてこの世に生まれてくる事を拒否されていた お腹の子も援助していくための財団であって遺伝子分析センターは 先天的遺伝子欠陥が推定されて、中絶される事を出来る限り少なくしようとして 香奈が医者と話してできた 研究所でもあった













始めは 寄付も税金の控除対象でもなかったが香奈はしてきた。ジブトラストが大きくなって、財務官僚や国税の天下りがくるようになって、控除になっただけで 控除狙いですらなかった













香奈の当初の気持を知る人は少なくなっていた













ただ神太郎もそんな事を表面的に問題とする人ではなく いい事ですね と口では言ってはいるが 神太郎自身は、あれ程巨額の寄付についての違和感を内心持っていたのだった。
















新しい子猫たち No.889

2016-08-29 00:00:06 | 新しい子猫たち 





ジブトラスト は香奈のファンドであるのは歴史的な事実であって 海外のジブトラストは香奈オフィスの海外部門から由来していた。





元々 は治部一族の資産管理会社だったかもしれないが、香奈が世界のジブトラストに仕上げた。そのかじ取りをしてきたのは 香奈だった。香奈が元気な間は ジブトラストは香奈の云う通りに動くだろうと誰も考えていた







香奈が亡くなるとどうなるか、香奈は世界最高齢グループの一員なので 当然 その時期は近い





ジブトラストの自他共に認める 次期会長候補の神太郎は こうした社会福祉全般に対する巨額の寄付は あまり乗り気ではないと知られていた





神太郎は理想主義ではあるが現実家でもあって


ファンドにしても会社にしても 従業員に対してキチンとした待遇をして 企業活動も社会の実業にあわせ、社会の要望に即していれば 別に巨額の寄付をする必要はないのではないか、社会福祉は国の役割だろう、企業は納税の義務をはたしていればそれでいい、従業員にも世間相場よりも高い報酬を渡し、それからも納税される と漏らしているらしい。





神太郎の話にオカシイ所はなくて むしろそれが普通だった





神太郎傘下の企業も地域社会との調和を考えるが、それが巨額の寄付は意味しないと考えているようであった。ただ今は香奈への配慮からある程度の寄付は 神太郎傘下の企業はしていた





世界各国の指導者が不安になる要素は確かにあった。





ジブの社会福祉への寄与が大きくなるにつれて、香奈亡き後はどうなるだろうとの気持ちがいつもあった。







新しい子猫たち No.888

2016-08-28 00:00:58 | 新しい子猫たち 




香奈に定期的に会いにくるのは、経済的な意見を聞きたいのが表向きの理由であるが





企業経営 ファンド運用でゼニが儲かったからと云って 社会福祉に寄付する、それも膨大な寄付をコンスタントにする意味が 各国の指導者たちには判らなかった





香奈がもし死ぬば それは結局止めてしまうのは目に見えていると 彼らは思っていた





ジブ関係の社会福祉が投入されていた 地方では 国としての社会福祉に必要な金は削って、他の地方に投入する事が可能であって 全体としての財源の均一化を図る事が出来た。この調整が やり直しになり兼ねないと危惧もしていた





それにできるだけ ジブ関係の会社を各地方に分散して欲しいとの望みもあった。香奈以外にも管理セクションの幹部たちにあって それを調整していたのだった





陽太は 結構有名でもあるが 陽太を好きと云う人と アイツは嫌いと云う人に分かれていた。金はうなるようにある環境で 綺麗事を言える お坊ちゃんと思う人もいたし 、検察警察を牛耳って好き放題しながら、自分は理想家みたいな言い方をするのが嫌いと云う人もいた





ただ陽太が好きな人は 陽太とも話をするように調整していた





世界各国での陽太イズムはそこそこ有名になっていた事もあった





陽太は 





ジブのしている事は 社会福祉とは違うよ。医者が目の前の患者に対して行っている行為と考えればいい。出来る立場と出来る金があるので、目の前の人は兎も角助けたいと云う気持ちだよ。





昔 恵おばさんに言われた事がある。


我々のしている事は一部の人に対して行っているのにすぎん、国としてここまでやれる 後は 金のある人は金を 技術のある人は技術を 暇な時間がある事は手助けできるようにしているのが 我々だよ。どっちもあって初めて福祉が充実すると云えるのではないかと言われた事がある。





僕はそういう言葉を支えに 国としての福祉を 最低限の福祉を出来るようにしてきた。財源論の脅しにメゲズ、僕がいる間は 福祉を減らす事はさせない、 そのためにはなんだってするとみんなと言っているんだよ





陽太の福祉にかける 思いを彼らなりに 感じてジブのする社会福祉との調整を考える人もいた。











新しい子猫たち No.887

2016-08-27 00:00:47 | 新しい子猫たち 






香奈の気持とは裏腹に









ジブと 関係団体の行う 社会福祉は あるアンバランスをもたらしていた









ジブの存在が小さい間は目立たなかったが 存在が大きくなると









ジブ関係の会社がいる地方といない地方との格差が目立ってきた









日本でも恵の財団のある拠点とない拠点との差は現実的にアンバランスをもたらしていた









恵も大きくなっている時点でそれに気づき、関係する財団、又はジブの拠点がない地方への援助や支援をするように心がけていた。









恵の財団は 福祉を行う人たちの育成をしていたが その人たちへの補助も考えるようになっていた。



恵の財団では 福祉を実際にする人たちの報酬は結構高くて、必要な仕事をしているのだから、ある程度あるのは当然と思っていたが やはり財源論があってなかなかそれはいかなかった。









日本は広範囲な社会福祉が出来ている国となっていたが、世界はそうではなかった









あのアンバランスをどうするかを世界の指導者たちは考えていた









ジブの拠点は 一か所にまとまりやすい性格もあって、ますます 助長されていきやすい傾向もあった